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プレスクリプション:ワード、サウンド & パワー (JUGEMレビュー »)
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Tomi Chair - Warm Seasons EP (TC White:TCW 1)
Tomi Chair - Warm Seasons EP

ここ1〜2年で大きな飛躍を見せつけたTominori Hosoya、その美しい響きと清涼感や開放感あるディープ・ハウス〜テクノは世界のDJをも魅了している。また、2014年にはTH Pressingを立ち上げて自身の作品だけではなく世界各地の音楽的に共鳴をするアーティストの作品をコンパイルしてリリースするなど、他アーティストの背中を後押しする事でこのシーンへの貢献を果たしている。そんな彼の別名義としてTomi Chairの活動もあるのだが、恐らくその名義でのリリースが中心になるであろうTC Whiteを2016年に立ち上げており、その第一弾となる作品が本作なのだ。オリジナルはB面に3曲収録されており、EPのタイトルが示すように温かい季節をイメージして爽やかさや新鮮な空気が満ちる音楽性が展開されている。生命の目覚めの時である春、それを示す"Spring"では正に光が射し込み鼓動を刺激するドラマティックな始まりで、淡々と透明度の高い清水が湧き出るようなピュアな世界観だ。"Summer"ではゆっくりとしながらも力強く地面を蹴るような4つ打ちに爽快感溢れるパーカッションを組み合わせ、そこにHosoya得意の色彩豊かなシンセのアルペジオを用いて、夏の活動的な生命力が溢れ出す嬉々としたディープ・ハウスを披露。"Morning Bird"は一転してダウンビートと言うか控え目なグルーヴ感で、幻想的な霧に包まれた早朝の時間帯からの目覚めのようなアトモスフェリックな音響処理が心地良く、アンビエント感もある微睡んだ曲だ。ややリスニング向けであったオリジナルに対し、リミックスの2曲は完全にフロア仕様で真夜中のピークタイムにもしっかり嵌るタイプの曲だ。スイスの新鋭であるPascal Viscardiが手掛けた"Spring (Pascal Viscardi Mystic Juno Mixx)"は、透明感は残しつつも図太いボトムや軽いアシッド・ベースも加えて突進するような攻撃的なテクノへと変化させており、上手くバランスの取れたダンス・トラックだろう。そしてイタリアのシカゴ・ハウス狂のSimoncinoによる"Summer (Nick Anthony African Morning Mix)"、歪んだキックやダークなSEでがらっと悪っぽいシカゴ・ハウスの雰囲気へと変容させ、物哀しく郷愁も帯びたシンセのメロディーが暗さの中でよりエモーショナルに響く。原曲とリミックスの対比の面白みはあるが、ここでもHosoyaのメロディーへの拘りやアトモスフェリックな質感が個性と感じられ、アーティスト性の確立へと繋がっている。アルバムを期待せずにはいられない。



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| TECHNO12 | 07:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
A Band Called Flash - ABCF (Future Vision World:FVW003)
A Band Called Flash - ABCF
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シカゴのディープ・ハウスの大御所であるRon Trentが主宰するFuture Visionは基本的には自身が制作した音源をリリースするレーベルではあるのだが、だからこそこうやって他アーティストの作品をリリースする事は、それなりの自信や期待の現れに違いない。A Band Called FlashはJared Hinesがプロデューサーを務めるバンドのようで、2015年にRonの支援の下デビューを果たしたディスコ/ファンク・バンドだ。アーティストやユニットについての詳細が見つからないのでどういったルーツがあるのかは分からないが、作品を聞く限りではディスコ、それもその創世記のクラシカルな雰囲気を意識しつつ、AtmosfearやDinosaur Lといったジャズ・ファンクのバンドにも影響を受けているそうで、となればガラージにも特に影響を受けているRonが熱心にサポートするのも納得という訳だ。"Phantom"では確かにリズムにはダブっぽい処理が加えられており、力強いスラップベースも相まって懐かしさ満載のディスコ/ファンクという印象だが、伸びやかに煌めくシンセや爽快感のあるボーカル等からはRonの影響も投影されている。"Starfall"ではRonが共同プロデューサーに迎えられた事でよりRonらしい弾けるグルーヴ感のあるハウスとなっており、幻想の彼方に消えいくようなシンセの美しい使い方に更には哀愁のギターも加えて実にセンチメンタルな情景が浮かぶ。"Volans"では前作にも参加したAndrew Zhangがキーボードを担当しており、感情的なピアノコードや優美なシンセソロを披露してエモーショナル性を発揮し、古き良き時代のブギーを継承したディスコ・ダブ的な作品。そしてギターでNick D'Angeloが参加した"E.L.L.A."、湿ったドラムや光沢感のあるシンセに情熱的で染みる歌がレトロなフュージョンやファンクを思わせる。どれもクラブのツール性を重視した音楽性とは真逆の、豊かな響きとライブ感のある展開を伴うバンド・サウンドで、これは是非ともEPという小さな枠ではなくアルバムにまで拡張して聴きたくなる。



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| HOUSE12 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
YO.AN - Gnah EP (Hole And Holland Recordings:HOLEEP-005)
YO.AN - Gnah EP

東京にて活動するダンス・ミュージックのレーベルであるHole And Holland。ネット情報を確認してみると2006年に音楽家やデザイナーにスケーター達によって設立され、MIXCDやEPの他にも映像作品の為のサウンドトラックを制作するなど、決してDJの為だけではない幅広い活動によって独自の運営を続けているようだ。そんなレーベルの新作は今までにも同レーベルから複数のMIXCDを提供しているYO.ANによるEPで、これが初のソロリリースとなるようだ。ここに収録された新曲である"GNAH"はクラブフレンドリーなニューディスコで、アシッド気味な毒々しいベースラインが浮かび上がりつつもそれは明るさも伴うもので、所謂古典的なアシッド・ハウスの酩酊するような中毒感とは異なる多幸感を生み出している。グシャッとした生っぽいドラム・プログラミングと音の親和性もあってジャンル的にはニューディスコに分類されるのだろうが、奇妙なサウンドエフェクトや異国情緒が漂うシタールのような音色も導入する事でサイケデリックな感覚も生まれ、派手で賑やさが溢れるパーティーにも嵌りそうだ。"Stay Focus"は2012年にサウンドトラックに提供されていた既発曲であるが、OPSBのギターリストであるPONCHIもフィーチャーして有機的な響きを打ち出したアコースティック・バレアリックで、爽やかな青空の下で佇むような開放溢れる長閑さがタイトル曲とは真逆の緩んだ心地良さを体感させる。そして本作の目玉は言わずもがな今やDJ/アーティストの両面から世界的評価を獲得したGonnoによる"GNAH (Gonno Remix)"で、原曲のサイケデリックな雰囲気は残しつつもアシッドのうねりを活かしたテクノへと変換させる事で、疾走感や骨太さを増したピークタイム仕様なリミックスへと生まれ変わらせている。ユーモアから覚醒感まで幅広い効果を引き出すアシッド使いはGonnoの武器だが、ここではその後者の方がより発揮されており、リミックスという作品がGonnoの個性を主張するオリジナル的な曲になっている事は流石だろう。



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| TECHNO12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Cabanne - Discopathy (Minibar:MINIBAR 042CD)
Cabanne - Discopathy
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アーティストとしては2000年からリリースを初めているので、この初のアルバムリリースまで16年と随分と長い時間がかかっているが、その分だけベテランとしての貫禄やアーティストとしての個性が確立された内容になっており、期待に裏切らない作品だ。そんなアルバムを手掛けたのはフランスのCabanneで、Telegraphに7th CityやPerlon等からのリリースが指し示す通りにミニマル・ハウスを軸とした音楽性を武器にしており、そしてジャズ・ギタリストとしての側面も持っている事から本作では生っぽいサンプリングも多用したミニマル・ハウスを展開している。アルバムの開始はぐっとビートを落としたダウンテンポの"MC"だが、ここから生っぽさ溢れる音質のドラム・プログラミングやベース、そこにカット・アップさせたようなピアノやアコギを緻密に散りばめて、Akufenを思い起こさせるマイクロ・サンプリングを披露している。続く"My T"では細なスネアやハイハットの4つ打ちがスムースな流れ出すが、朧気に漂うような上モノが陶酔を誘うミニマル・ハウスだ。土着的で有機的なグルーヴの"Nastish"でも音数を絞った構成の中にカットアップしたような声や生音の細かなサンプリングを配置し、しっとりとした官能と共にファンキーな鳴りを生み出している。生々しく色気を誘うような声ネタの使い方は肝であるようで、"Minguz"でも湿って泥臭い4つ打ちに淡々とした呟きを用いつつ、そして耽美なピアノのコード展開を導入するなど意外にも情緒的な雰囲気が全体を包んでいる。またジャズ・セッション的な変則的なグルーヴを生むドラム・プログラミングの"RSO"では抽象的な鳴りをしつつ、次第にハウシーな4つ打ちへと変化していく実験的な要素も含んでいる。流麗な4つ打ちから落ち着いたダウンテンポにジャジーヴァイブスまで匠の技の如く使い分け、大人の色香を発する情緒を漂わせながらも繊細に揺れるダンスフロアに適合したグルーヴを鳴らすなど、アルバムは適度な起伏と振れ幅を持って実に心地良い。無駄を削ぎ落としたミニマルが、こうまでも淡い情緒を放つとは。



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| HOUSE12 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2017/2/17 シゲナイト @ Bonobo
そのパーティーの名はシゲナイト、Cro-MagnonのShigekazu Otakeが主宰する事からそのまんまの名前であり、彼が気に入っているであろうDJやアーティストをフューチャーしているのだろう。今回は何とFuture TerrorのHarukaに犬式など複数のバンド経験のあるIZPON、そしてShigekazu Otakeの3人によるライブが初披露される事に興味を持ったが、他にもBlack SmokerのK-BOMBらも出演する等面白そうなパーティーだったので、久しぶりにBonoboへと赴く事にした。
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| EVENT REPORT6 | 18:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |