2009.05.07 Thursday
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自身のプロジェクト・Dub Archanoid Trimやレギュラーパーティー・Floatribeなどでも活躍する岩城健太郎が、日本のインデペンデントなテクノレーベル・Mule Musiqの音源を使用し、ただ曲を繋ぐだけではない細かな構成を伴ったMIXCDをリリースしております。Mule Musiq(と傘下のMule Electronic、Endless Flight)と言えばドイツテクノの総本山・Kompaktがディストリビュートを行っている事からも分かる通り、ミニマルやテック系では上質な作品をリリースし続け注目を浴びていてるレーベルなのですが、深いテック系のプレイを得意とする岩城さんがその音源を調理しちゃったのだから、その結果が悪い訳は無いでしょう。今回はその三つのレーベルの合計120作品の中から30曲程選び抜いて、Richie HawtinやJoris Voornらと同じ様な手法で一つの時間帯に数曲を重ねるミックスを披露しています。とは言っても二人が徹底的に技術を見せつけ練り上げた様なミックスなのに対し、岩城さんの場合はそこまで観念的になる事もなくあくまでフロア対応のグルーヴが中心にある事が特徴。前半はミニマルでテッキーな音が中心で、冷淡でありながら情緒揺さぶる恍惚感が漂い目眩く曲が入れ替わり進む展開。考える暇など無しに深い世界に引き込まれます。中盤はやや緩めになりつつも幻想的で深い音になり、そしてドラマティックなVince Watsonの曲を挟んだりし一気にピークを迎えます。しかし前半は飛ばしまくった反動なのか終盤4曲のダウンテンポやアンビエントな音で30分近くもあり、冗長でテンションが落ち気味になってしまったのが残念。最初から最後までフロア対応のダンストラックでも良かったと思いますが、でもMule Musiqとそして岩城さんのテックの魅力が十二分に詰まった内容でもあり、ディープなテクノが好きならきっとはまれる一枚でしょう。
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