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Nightmares On Wax - Feelin' Good (Warp Records:WARPCD241)
Nightmares On Wax - Feelin Good
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プログラミングに長けたクラブミュージック系のアーティストが古典を愛するが故にルーツ志向に向かった場合、得てして本物にもなりきれず中途半端な作風として失敗する事は少なくない。George Evelynを中心としたダブ/レゲエサウンドを極めるユニットのNightmares On Waxは、90年初期から実験的なテクノを手掛けるWarp Recordsから異色にもアフターアワーズ的なダウンテンポ作品を一貫して手掛けていたが、近年はイビサに移住した影響が音にもよりリラックスしたムードとして強く表れている。そして前作から随分と時間が経ったが、この5年ぶりの新作もやはりイビサの空気を反映したように聞こえる開放的でだらりと弛緩したダウンテンポが実に心地良い。過去の作品に比べると空間処理のあるダブ要素は後退しヒップホップのビート感も弱まり、それとは異なるより艶めかしいソウルやファンクの要素が浮かび上がっている。トラックもプログラミングと共にギターやベース、ドラムにパーカッション、ストリングスやホーン系まで生演奏によるジャムセッション的な土臭い音が目立ち、当然と言うべきかリラックスした世界観はより気怠く甘いものへと向かっている。イビサで過ごすEvelynは至福の時間にいるのだろうか、その気分はトラックをゴージャスに彩りイビサの開放的で享楽的な香りを漂わせているのだ。生演奏を主体としたルーズなノリはNOWの個性を見事に上塗りし、よりアーティスト性の強い作風として成功していると言えるだろう。それと共に彼がクラブシーンから生まれた存在である事も忘れさせずに、サンプリングによる遊びの感覚は健在であり、その新しいものも古典も受け入れる許容がNOWの音楽を柔軟なものとしている。決して今と言う時代を象徴するような音楽ではないが、時代が経てば色褪せるような芯のない音楽でもなく、ただただ"Feelin' Good"と題された通りに心地良いヴァイブスが鳴っている。

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Silent Poets - Another Trip From Sun (ANOTHER TRIP:ANTP-001)
Silent Poets - Another Trip From Sun
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日本におけるダウンテンポの先駆者である下田法晴ことSilent Poets。メロウな叙情と湿り気を帯びたダブ処理を施したダウンテンポはMassive Attackへの日本からの回答とも思われるが、決してオーバーグラウンドを行くでもなくその音楽性は実に寡黙で静かに心に火を灯す。そして8年ぶりとなる新作は前作"SUN"(過去レビュー)を解体/再構築したダブアルバムなのだが、元々がダブであった筈なのにこのダブアルバムとは一体?

その謎はこちらのインタビューで本人が述べているのだが、その当時共同プロデューサーとして参加したDJ YellowことAlain Hoが選んだエンジニアが、Silent Poetsとして求めるダブ的センスとは異なっていたと言うのが実情のようだ。結局はその方向性の違いを修正出来ないままアルバムは完成したものの、長らく心の中にはモヤモヤとした違和感が残り続けていたのだろう。

そして2013年、過去の作品でエンジニアを担当していた渡辺省二郎と再度手を組み完成させのたが、この"Another Trip From Sun"だと言う。物悲しくも優雅なストリングスが主張していたオリジナルに対して、このダブアルバムはその通りに残響をより強調し奥行きのある空間演出をする事でダブらしさを引き出している。豪華に纏っていたストリングスなどは残しつつも後退し、踊る欲求を呼び起こすようにダブ処理されたリズムが前面へと出る事で、全体として随分と身が引き締まったように感じられる。当方は決してオリジナル盤を今でも否定はしないが、下田氏が違和感として感じていたのは恐らく綺麗に着飾りすぎていた事なのではないだろうか。そんなオリジナル盤に比べると本作はメランコリーな空気としては変わらないものの、無駄な音は削ぎ落して少ない音が間を強調し、寂静感が美しいメロディーをより際立たせる事になっていると思う。まるで湖畔に朝靄が立ち込めるような幻想的な風景が浮かび上がり、そして淡い朝日が少しずつ差し込んでくる微睡みの時間帯、そんな心地良いムードがあるダブアルバム。目覚めの時がやってきた。

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Hikaru - Country of Origin Japan (SMR Records:DSB09)
Hikaru - Country of Origin Japan
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沖縄在住にして全国を駆け巡るBlast HeadのDJ Hikaru。一年ぶりのオフィシャルMIXCDは、そのタイトル通りに何とジャンルを横断しつつも日本という国の音楽のみを使用している。DJ Hikaruがクラブパーティーではテクノはハウスと共に日本のヒップホップやラップを並列してプレイする事は珍しくないが、日本人アーティストによる楽曲のみと言う縛りでミックスをした事、そして所謂4つ打ちのクラブトラックと言われるモノは殆ど使用せずにヒップホップやラップ、そこにレゲエやフォークにロックを繋いだ内容は、普段のパーティーでは聴けない魅力を含んでいる。4つ打ちのミックスにおいては如何にスムースに流れを壊さずグルーヴ感を継承し積み上げていくかが重要な要素となっているが、その点から判断すると本作では技術的な繋ぎの行為からミックスを楽しむ作品ではなく、日本語の歌詞や前後の曲の雰囲気の流れそのものを楽しむ作品だと言う事だ。残念ながら私自身はラップやヒップにフォークなど、このMIXCDに含まれている音楽ジャンルには非常に疎いのだが、それでも全体的にロービートな弛緩したリズムと胸を締め付けるようなメロウな曲群には耳を奪われる瞬間が多々あった。そしてそれ以上に耳に自然と入ってくる日本語の歌詞は、BGMとして聞き流される事もなく鮮明な記憶となって頭の中にこびり付くのだ。世間への反抗、過ぎ去りし終わった恋愛の切なさ、日常の中での悩みなどを吐露する歌は、何気なく聞き流している間にも強いメッセージとなって伝わり、それがこのMIXCDに人間らしいエモーションを生んでいるのだ。トラックだけによるグルーヴ感の継続するプレイとは異なり、歌が、歌詞が世界観を作っていくプレイの面白さがありつつ、そしてDJ Hikaruが手掛けた事で4つ打ちリスナーにも興味を持たせるとしたら、本作には非常に意味がある作品と言えよう。

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原田茶飯事 & Expresso Cansai - 太陽 (DABADA Records/Jet Set Recods:DAEMX001)
原田茶飯事 & Expresso Cansai - 太陽
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ダンス・ミュージックだけでなくロックやフォークもこよなく愛するDJ Yogurtが、まだ自分の知らない素晴らしいアーティストがいるのではと探し当てたのがこの原田茶飯事だ。DJ Yogurtがブログでそこら辺の話は解説しているが、とにかく音楽性に惚れ込んで自らリミックスを買って出てYogurt & Koyasで制作をしたそうだ。リミックス自体は2011年1月には完成していたものの、東日本大震災やら色々あっての紆余曲折の末、完成から2年越しでようやく7インチのリリースとなった。オリジナルは爽やかな歌声でポップなメロディーを歌い上げる心地良いアコースティックな曲だが、底抜けに陽気で肩の力が抜けた楽天的なムードにほっと癒される。オルガンや線の細い軽やかなギターサウンドは風通しも良く、これはこれで十分素晴らしい。がクラブでも使い易いようにリミックスされた"DJ Yougrt & Koyas Remix"はもっと素晴らしい。最初に聴いた時の印象はまるでPrimal Screamの"Come Together"にも似た感覚を覚えたのだが、チャカポコしたインディーダンス的な緩いグルーヴは正にそれに近似している。また歌の爽やかさを損なわずに音を飛ばしまくったダブ音響は、重力から解放された浮揚感も生み出し足取りは非常に軽やかだ。このリミックスの方はパーティーを感じさせる無邪気な高揚があり、そしてクラブの朝方の癒しとなりそうなアフターアワーズトラックとしてはまりそうだ。

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Yakenohara - Sunny New Life (Felicity:RECF-1069)
Yakenohara - Sunny New Life
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ラッパーやDJとしての活動と共に、2010年にリリースされた"This Night Is Still Young"(過去レビュー)ではトラックメーカとしての評価も決定付けたやけのはら。都会の夜のざわめきを予感させるアーバン・ソウルをポップに表現した作風は、切なくも甘いパーティーの活力が感じられた。そこから2年半が経過しての2ndアルバムは、タイトル通りに日の射す新しい生活へと進もうとしている。前作がそれまでのアーティスト活動としての集大成を聴かせるようなアルバムだったのに対し、本作では気負いも緊張も無く飄々とリラックスしたムードが満ちており、半ばクラブミュージックからも意識的に距離を置こうとしている。何と言ってもアルバム冒頭の"Into the Sunny Place"からして、ウクレレが主張するハワイアンなトラックだ。踊らそうとする強いビートへの比重は減り、スティール・パンやトランペットにピアニカなど生の音源やそれを意識したサンプリングの比重を増やした影響で、しなやかで穏やかな明るさが通底している。気分を高めて興奮するようなパーティーミュージックではなく、あくまで日常生活の中に自然と存在する空気のような音楽であり、アルバムは一貫して昼間のムードだ。曲毎にDorianやキセル、平賀さち枝や高城晶平など多くのアーティストを外部から取り入れた事は、ポップなバラエティーの豊かさを拡大する事にも成功している。特にLUVRAWがトークボックスを務めやけのはらが切なさを歌い上げる"City Lights"は、あの"Rollin' Rollin'"にも負けず劣らずなポップなアーバン・ソウルだ。やけのはらによるラップも多くのトラックでリリックを歌い上げているが、決して肌に突き刺ささるラップ特有の刺激的なモノではなく、あくまでシンガーとしてポジティヴな心象を表現しているところに本作での心のゆとりが背景にあるのだろう。とても清々しく聴き終わった後には心の中の嫌なモノも吹き飛んでしまう、実に肩の力が抜けたポピュラー音楽として心地良い作品となっている。

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DJ Yogurt - 1970's Jamaican Dub Mix (Upset Recordings:UPSET24MIXCD)
DJ Yogurt - 1970s Jamaican Dub Mix

これまでにも数々のライブミックスを、そしてテクノやハウスのみならずR&Bやジャズ、アンビエントまで多岐に渡り自身の音楽観として披露してきたDJ Yogurt。そんな彼による最新のDJMIXは70年代ジャマイカダブに焦点を当てているのだが、クラブでは様々なジャンルの音楽をプレイする中にダブも普通に織り交ぜているのだから、意外と言うわけでもなくようやくリリースされたミックスと言える。本作では事前にプレイするレコードのBPMを測定し、流れを把握する事で敢えてピチコンを全く使用しないでミックスし、尚且つマスタリングも最小限に施す事でアナログらしさをそのまま表現したかったそうだ。そんな制作もあってか音質自体も非常にラフで、微かなノイズ混じりな音さえも耳に優しくすっと入り込んでくるアナログの良さが生きている。ホーンやカッティングギターは層になった残響を響かせながら、ディレイやリヴァーブによる重力から解放された浮遊感、そして立体的な奥行きのある音響を生み出しているが、この和やかな緩みはある意味ではチルアウト/アンビエントにも通じるものがあるのではないだろうか。緊張感の無いリラックスした音の飛びは快適、いや快楽的でもあるし、スペーシーなSEも入ったトラックがプレイされる箇所に於けるふざけたようなトリップ感覚は完全にチルアウトだ。シチュエーションとしては蒸し暑い真夏の屋外で聴くのがぴったりで、気怠いメロウネスに包まれながら穏やかなダブに耳を傾けたい。

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Tomoki Kanda - Interstellar Interlude (Crue-L Records:KYTHMAK151DA)
Tomoki Kanda - Interstellar Interlude
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Crue-L Recordsから期待の新人が鮮烈にデビュー・アルバムをリリース、かと思いきや実は12年ぶりにCrue-Lへと帰還した神田朋樹の2ndアルバムである。前のアルバムが12年前の事なので活動については不明な点も多いが、近年はレーベルオーナーである瀧見憲司とのユニットであるBeing Boringsで陽の目を浴びていた事は記憶に新しい。が調べたところによると長い空白の間には他アーティストのプロデュース、曲の提供、ミックスエンジニア、そしてプレイヤーとして音楽業界にずっと関わっていたそうだ。本作ではそんな活動から得た経験が活かされており、楽器の演奏からプロデュースにミックスダウンまで神田自身が全てを手掛けた内容となっている。その為か非常に私的で内向的とも言える湿っぽい情感が通底しているが、重苦しさとは距離を置いたある種の遊び心も溢れていてリラックスしたムードに包まれている。エレクトロニクスを基調にしながらギターやキーボードの演奏も加えた構成で、ソウルやフォークにAORやソフトロックが根底にある打ち込み系なのだが、手作り感を重視しているようで全体的な温度感は人肌程度に温もりがあり適度なざっくり感が生まれている。目玉は"Everybody Wants To Rule The World"のカバーだろうが、これはクラブの朝方にも聴きたくなるアフターアワーズ系フォークで、無駄を削ぎ落として繊細なアコギの音が染み入るようになった叙情的なアレンジだ。他の曲も大半はインストメンタルなおかげで神田によるトラックそのものに自然と耳が傾き、魂を現実のものとして描き出すようなシネマティックな世界にすっと入り込めるだろう。所謂クラブで聴くダンス・ミュージックではないが、しかしCrue-L Recordsらしく夢の世界へのトリップを約束してくれる。

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Burial - Truant (Hyperdub:HDB069)
Burial - Truant
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ダブ・ステップがクラブミュージックのシーンでも浸透し一般的になりつつある中で、その躍進に貢献しながらも未だに来日を果たさずに謎めいた存在であり続けているBurial。その活動はこの新作でも徹底されており、突如としてリリースの発表がされるとほぼ同時にリリースもされる事で衝撃を与えた。本作は僅か2曲だけのEPとは言えども各曲とも軽く10分超えとなる大作志向で、その辺のダブ・ステップとは一線を画す悲壮感と重厚感は既に踊る為だけのクラブミュージックとは言えないまでに異形の音を示している。場末の酒場に置いてある朽ち果てたラジオから発せられるように、ヒスノイズ混じりにR&Bサンプルと共に金属的で硬質なキックが打ち付ける"Truant"は、一聴して暗闇の中の閉塞感に包まれ救いがない。しかし曲の半ばから暗闇からもがきながらも希望を手繰り寄せ、遂には闇を割って降り注ぐ光の中へと飛び込んでいく神々しい世界観が展開される。また地の底を這うキックやベースは肉体の胎動と呼応しながら刺激となり、鈍重ではありながら生命力に満ちた躍動を生み出している。そして"Rough Sleeper"も同様にノイズ混じりではあるが、ダンストラックとしての機能的な面にソウルフルでありセクシーでもあるより感情的な面も強調し、荒廃した闇の中を徘徊するダブ・ステップを披露している。両面とも破壊と再生を繰り返すように朽ち果てながらも堅固な構成で、長い時間をかけて様々なリズムの変遷を聞かせるのも特徴だ。パイオニアらしく更に頭一つ抜け出た新作で文句無しに素晴らしいし、是非とも180グラム重量盤のアナログで聴く事をお薦めする。

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Land Of Light - Land Of Light (ESP Institute:ESP009)
Land Of Light - Land Of Light
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Crue-L Recordsからデビューした日本のコズミック代表格とも言えるDiscossessionのメンバーの一人・Jonny Nash、そしてサイケなエレクトロを手掛けるSpectral Empireの一人・Kyle Martin、その二人が新たに仕掛けたユニットがこのLand Of Light。このユニットの初の作品が40分に及ばないとは言えいきなりのアルバムなのだが、面白い事に二人の個性がぶつかり合ってコズミックやエレクトロ中心なのかと思いきや、イージー・リスニングかニュー・エイジまで遡ってしまった極楽浄土へと昇天する電子音楽となってしまった。幕開けとなる"Flares"からして神聖な光の中で幻想的なシンセ音や哀愁のギターに爪弾きされる弦楽器が浮かび上がり、意識も溶ける程に甘ったるくそして妙に宗教的な瞑想へと誘う大仰さを炸裂させ、和とも洋ともとれる音楽文化のブレンドを聞かせている。それ以降の"Bell Rock Outpost"や"A Strange Attractor"では幾分かニュー・エイジ色は弱まるものの、ギターやシンセも大袈裟に泣きっぷりのメロディーを奏でていて、サントラとかにしっくりとくるドラマティックな世界観を作り出す事に専念しているのが感じられる。Discossessionなんかもかなり快楽的なサウンドを発していたものの、あちらがまだディスコダブやロックのリズムを打ち出して現実感があったが、Land Of Lightはリズムも穏やかで完全に現世を離れてあっち側の世界に逃避するメディテーションな意味合いが強く出ているのだ。流石にニュー・エイジし過ぎていて大仰な作風に多少の押し付けがましさはあるが、有無を言わせぬリラクゼーションな音楽としての効果は抜群なのも事実だ。ただひたすら快楽志向へと突き抜けている。

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My Bloody Valentine - Loveless : Expanded Remastered Edition & EP's 1988-1991
My Bloody Valentine - Loveless : Expanded Remastered Edition
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1991年に歴史的なロックアルバム"Loveless"を完成させ、それに収録された"Soon"に対してはBrian Enoによって「ポップの新しいスタンダード」とまで評されたMy Bloody Valentine。しかしアルバム完成に至るまでには完璧主義を貫くリーダーのKevin Shieldsに振り回され代わり代わり18人ものエンジニアを起用し、所属していたCreation Recordsの経営を傾かせる程のおよそ25万ポンドの制作費を消費し、そのアルバムの絶対的な完成度を打ち立てながらも愛すべくCreation Recordsから離れてしまったなど騒動の尽きないバンドである。その後も数年毎に新作がリリース間近だと噂が出るものの立ち消えになる事を繰り返すも、2008年には17年ぶりの来日公演となるフジロックでライブを披露し未だにその後光が衰えていない事を示したバンドが、そこから3年を経ての2011年に遂に噂になっていたリマスター盤を完成させた。特に目玉なのがこの"Loveless"で、ディスク1はオリジナル盤と同じDATテープのマスターをリマスターした内容、ディスク2はoriginal 1/2 inch analog tapeかリマスターした内容で、特にKevinが元々目指していた音質がこのディスク2の方らしい。しかしディスク1と2の内容が反対ではないかと言う意見(詳しくはこちら)もあり、また自分でも聴き比べてみるも両者の違いは分からず。と相変わらず問題は尽きないのだが、アルバム自体は継続し揺らぎながら高まっていくエクスタシーとポップなのにドロドロとした密閉空間に充満するサイケデリアにより、何時の間にか聴く者の思考を遥かなる桃源郷へと連れて行く最高の覚醒感と伴っている。隙間を埋め尽くす浮遊し揺れる轟音ギターにサンプリングやエフェクトを多用した徹底的に加工されながらも、そこに冷たい人工的な質感は全く無くどこまでもアナログ的な質感を強調した音楽性は、中毒性のあるサイケデリアと溶けるような甘い官能が融合し新たなるポップとして解釈されたのだろう。

My Bloody Valentine - EP's 1988-1991
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また同時に発売となったシングル集も要注目だ。「You Made Me Realise EP」「Feed Me With Your Kiss EP」「Glider EP」「Tremolo EP」、そして未発表曲まで盛り込んだ2枚組で勿論全てリマスターされている。単なるEPの寄せ集めと思う事なかれ彼等はEPにおいては実験的な曲も披露していて、ギターが苦しんで叫ぶように奇妙な音色を発する混沌とした10分にも及ぶ大作"Glider"や、およそ轟音ギター・バンドと言うイメージからかけ離れたネオ・アコースティック風な"Don't Ask Why"や"Off Your Face"もあれば、轟音ギターの奥から浮かび上がる甘美なメロディーに耽溺する"Moon Song"もある。逆に未発表曲は恐らく完成にまで至らなかったアルバムのアウトテイク集的な出来なのだが、MBVファンならば当然所有欲の湧く内容ではあるし、そうでなくともMBVの音楽性の変遷を肌で感じ取るには非常に意味合いのある有意義な作品集と言えるだろう。来年2月には単独来日公演、そして5月にはフェスへと出演、更には新作発表も予定しているなど動きも慌ただしくなっており、それまでこのリマスター盤を堪能して来日公演に備えたいものだ。

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