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The Tortoise - The Puffing Tortoise (3rd Strike Records:Strike10)
The Tortoise - The Puffing Tortoise

実直に言うとダンスミュージックに於いてはオーストラリアはそれ程先進的とは言えないが、Torquhil AndersonことThe Tortoiseのように確かな才能を以って評価を集めつつあるアーティストもいる。The Tortoiseは2011年にロンドンの3rd Strike Records(ErdbeerschnitzelやVakulaもリリースするカルトレーベルだ)からデビューを果たし、更にはデトロイトの新興ハウスレーベルであるUndertonesからも作品を送り出し、ビートダウン・ハウス的な作風が高い評価を得ている。そして3rd Strike Recordsに戻っての通算3枚目となるEPには、The Mole & HrenoやRondenionをリミキサーに迎えている。タイトル曲である"The Puffing Tortoise"はフィルターを大胆に利用して展開を付け更にガヤガヤしたファンキーなボイスサンプリングを導入し、過剰なエネルギーを放出するスローモーなビートダウン・ハウスでこれは間違いなくフロアでバカ受けするであろう。それをThe Mole & Hrenoは展開を抑えた冷たいミニマルなテック系へと作り変えて、淡々とした電子音のリフが長い時間をかけてドープに染める印象だ。それとは対照的にカットアップさせたように鋭利な切れ味を強調しつつ、熱量を増幅させるべくファンキーなベースやらギターカッティングが導入されたRondenionのリミックスは、正に彼らしいファンクネス溢れるブギー・ハウスへと生まれ変わっている。そしてもう一曲、"Keep On Keepin On"は金属質なパッド音が執拗に繰り返されスペーシーなSEが飛び交う、ある意味未来的なディスコ・ハウスで華々しいモダンなダンスミュージックだ。まだ作品数は少ないながらも自身の音を確立しており、今後にも期待の出来るアーティストの一人だ。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Theo Parrish / Pirahnahead / Craig Huckaby - Black Music (Sound Signature:SS047)
Theo Parrish / Pirahnahead / Craig Huckaby - Black Music

Theo Parrish主宰のSound Signature新作は、Theoが率いるThe Rotating AssemblyのメンバーでもあるPirahnaheadやCraig Huckabyの作品も収録したスプリット盤。Theoが提供する"Black Music"はCraigをボーカルにフィーチャーしているが、実は"Sound Sculptures Vol.1"(過去レビュー)のCD盤に収録されていたものを今になって初アナログ化。Weldon Irvineの"I Love You"の流麗なストリングスパートをサンプリングしてソウルフルな粘着系ビートダウン・ディスコを披露しているが、Craigの語り口調のボーカルが渋いアクセントとなり黒さも増量している。後半に進むに連れサンプリングパートと共に、生演奏風なピアノや弦楽器も前面に出ながら雑然とした黒いファンクネスが入り交じる展開は圧巻だ。Pirahnaheadによる"Child Of The Sun"もCraigのボーカルに迎えているが、こちらはよりバンドを組んだかのような迫力のあるファンキーチューンだ。土臭いパーカッションの乱れ打ちから生じるトライバル感や、控え目に華麗なエレピや泥臭いベースラインによる生々しさは、PirahnaheadのDJとしてではなくアーティスト的視点によるセッション風な躍動感に溢れている。どちらもSound Signatureらしいブラックネス溢れる音は言わずもがな、ツールとしての作風から離れた曲単体としての質を高めた音楽性が素晴らしい。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jouem - Episodes 1/8 - A New Force Has Risen (Mojuba Records:mojuba jouem 1)
Jouem - Episodes 1/8 - A New Force Has Risen

ドイツからデトロイト・テクノ/シカゴ・ハウスの伝統を咀嚼しディープ・ハウスとして生まれ変わらせているMojuba Records、そのレーベルの最新作はJouemと言う謎のアーティストによる"Episodes"シリーズの1作目。Jouemが誰なのかって言うのは全く以って不明だが、ネット上のコミュニティーではSven Weisemannではないかと推測されている。MojubaのオーナーであるDon Williamsも隠れてOracy名義で活動している事を考えれば、Svenも匿名で活動していたとしてもおかしくはない訳だ。実際に聴いてみるとSvenらしさはそこかしこに散りばめられており、ノイズ混じりのぼやけた音像にゆらめくようなパッドの膜を薄く延ばしつつ、幻想的なボイスサンプルやか細くも悲壮感のあるピアノのメロディーが零れ落ちる"Certainty Of Salvation"は深いダブ・ハウスだ。スモーキーな景色を生み出すリバーブの残響音がただたた心地良く広がり、少ない音数だからこそ逆に空間を感じられる処理が見事です。そして"Eldarion"はリズムに関して言えばほぼレゲエ/ダブ的にどろどろと沈んでいく感覚は正にSven的で、そこに浮遊感たっぷりなアンビエンス漂う上モノやピアノが光明が差すように挿入され、地を這う重心の低さと開放感が混在するミニマル・ダブとなっている。この蒸し暑い真夏を更に蒸し暑くするであろう湿っぽいトラックではあるが、素晴らしいダブサウンドとなっており今後のシリーズが非常に楽しみだ。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Paperclip People - The Secret Tapes Of Dr. Eich (Planet E:PLE65347-2)
Paperclip People - The Secret Tapes Of Dr. Eich
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デトロイト・テクノに於ける最大の功労者とも言えるCarl Craigが、しかしデトロイト・テクノから遠く離れハウスのグルーヴを追求したプロジェクトがPaperclip Peopleだ。特に初期のC2が実験的にテクノを未来へと推し進めつつある中で、その一方ではこのPaperclip People名義でハウス/ディスコへの愛情を根底に様々な音楽のネタのサンプリング・ループを用いて、DJユースを意識したダンスオリエンテッドな曲で絶大な評価を獲得する。その活動の集大成として1996年にはPaperclip People名義の作品を纏めたアルバムがリリースされたのだが、その人気故から永らく廃盤となっていた本作が、遂にリマスター処理もされた上での再発となった。兎に角この名義ではネタの宝庫とも言えるサンプリングを楽しんで欲しいが、Bombers、Loleatta Holloway、Flying Lizards、Yello、Mantronix、果ては科学忍者隊ガッチャマンまで想像だにしない所からネタを持ってくるC2の嗅覚に驚く。C2の過去の音楽に対する深い知識と愛情がC2の中で咀嚼され、そして次世代の音楽としてアウトプットされた事は、未来だけを見据えた視点だけでなく過去の埋もれた遺産にも耳を傾ける行為が重要である事を証明している。とまあそんな背景があろうがなかろうが、本作は純粋に黒いディスコのファンキーさと肉感溢れるハウシーなグルーヴを十二分に体感出来て、今のC2からは失われつつある黒人音楽の要素を転用したエレクトロニック・ダンス・ミュージックを楽しむ事が出来るだろう。残念な事に再発の際に一部のサンプリングは諸事情によりカットされてしまっているが、それでも一家に一枚は手元に置いて欲しいレベルの大傑作なのは間違いない。

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| HOUSE7 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Nick Hoppner - Panorama Bar 04 (Ostgut Ton:OSTGUTCD21)
Nick Hoppner - Panorama Bar 04
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Ostgut Ton、それは現在ドイツのみならず世界中から最新の音を求めて人が集まるクラブであるBerghain/Panorama Barが、そのクラブの音をアウトプットする為のレーベルである。Berghainがテクノ/ハード/硬派と表現されるのであれば、Panorama Barはハウス/ソフト/官能的と言うべき対照的な要素を持ち合わせ、その両者がバランスを取りながらレーベルの評価を高める事に成功している稀有な存在だ。本作はPanorama BarのMIXCDシリーズの4作目となるが、遂にOstgut Tonの方向性を決めるべき存在であるレーベル・マネージャーのNick Hoppnerが登場した。率直な意見で言うとHoppnerが表立って目立つ事も無ければBerghainに比べてPanorama Barは地味な印象もあるが、このMIXCDを聴けばPanorama Barが如何にディープで如何にエレガントで、そしてクラブに於けるパーティーをどれ程鮮やかに彩るかを肌で感じるであろう。勢いで引っ張っていく時間帯は一時もなく終始音をリラックスして聴かせるタイプのMIXではあるが、しかし驚く程にスムースな流れで色気と叙情感を常に発し続けるプレイは、大人のと言うか酸いも甘いも知り尽くしたベテランだからこその賜だ。そしてBerghain/Panorama Barに共通する最新のクラブでありながら、温故知新とも言える古い作品を使用しながら今っぽく聴かせるレーベルの傾向はこのMIXCDにも息づいていて、タイムレスな音を伴う事がある意味ではPanorama Barが単なる流行的な音楽性ではない事を象徴している。Berghainは刺々しく荒々しい音楽で聴く者に忍耐力を要求する面もあるが、Panorama Barでは深い音楽性を保ちながらもドイツ・ディープ・ハウスの間口を広げる聴き易さもあり、日本に於いてはBerghainに比べると評価を低く見られがちなPanorama Barに正当な評価を下せる内容ではないかと思う。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Midland - Placement (Remixes) (Aus Music:AUS1238)
Midland - Placement (Remixes)
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Ramadanmanとの共作が話題となったUKハウスの注目株であるHarry AgiusことMidland。ダブステップにも微妙に接近をしつつも、UKらしい洗練されたハウスを披露しAus Musicの有望株として着々と評価を高めている。そんな彼の新作はリミックスのみを収録した作品だが、なんとリミックスを提供したのが新生R&Sを支えるLoneにドイツ・ディープ・ハウスの重要アーティストだるMotor City Drum Ensembleと、否が応にも手が伸びてしまう話題盤。先ずはLoneによる"Placement (Lone Remix)"はビートメーカーらしく鋭利に切り込んでくるリズムがダブ・ステップ的なパンチ力のある音とブロークン・ビーツのしなやかさを持ち合わせていて、原曲のハウス色は一掃したLone色に染め上げている。しかし完全に塗り替える事もせずUKベースな美しい上モノの音響は生かしてもおり、バランス良くLone自身の個性とMidlandの個性を纏めたリミックスだ。意外な仕事をしたのがMotor City Drum Ensembleで、"What We Know (Motor City Drum Ensemble Dub)"と言う通りに原曲から無駄な音を省きつつダブな奥深い音響を生み出している。シカゴ・ハウスの悪びれた音質のリズムトラックやレイヴィーなギラギラしたシンセの上モノが毒々しく驚きはあるが、MCDEらしい粘着力のある重心の低いグルーヴはいつも通りで納得の出来だ。両者とも今の時代を象徴するような音作りで、フロアでもばっちりはまるであろう一枚だ。

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Jason Grove - 313.4.Ever (Skylax Records:LAX 127)
Jason Grove - 313.4.Ever

時代を越えていく普遍的なディープ・ハウスを追求するフランスのSkylax Records、その傘下のWax Classicがレーベル第一弾の作品に選んだのがJason GroveのEPだった。「Lost Cuts」と題されたそのEPは、なんと15年前に制作されたテープ音源をアナログ化したと言う触れ込みだった。Jason Groveはデトロイトにて80年代から活動しているDJ/アーティストらしいが、Facebookなどのアカウントを見ても実際にどんな活動をしていたのかは全く明るみにならないミステリアスな存在だ。逆にその神秘性が評価の判断を音のみに委ねる事に直結しているが、彼にとって長い経歴の中で初のアルバムとなるこのアナログ2枚組(恐らくデジタル配信も無し)はお世辞抜きに素晴らしい。タイトルである「313.4.Ever」の313とはデトロイトの市外局番であり、つまり「デトロイトよ、永遠に」とデトロイトへの愛と敬意を示した内容なのだ。全体的にロウな手作り感のあるオールド・スクールなディープ・ハウスではあるが、色気のあるボイスサンプルや優美でメロウなシンセのコード展開によって穏やかな情景が広がり、ホーンやサックスのファンキーな音は黒く生臭い空気を醸し出し、TR808らしき味気ないキックやハイハットとクラップ音は上モノの雰囲気を壊さずに臨場感のあるグルーヴを生み出している。敢えて洗練と研磨し過ぎない事が生々しい臨場感や生身の温かさをダイレクトに表現する事に繋がり、デトロイトらしい熱き魂を持った人情味を実直に伝える。特に凝った展開を待ち受ける作品ではないものの、内在するソウルを実直に音として表現したディープ・ハウスで、Skylax Recordsが考えるタイムレスなハウスサウンドを体現したと言って良いだろう。アナログのみと敷居は高くなってしまっているが、しかし自ずから求める人にのみ音を届けると言う頑ななスタンスにも好感が持てる。

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Theo Parrish - Sound Signature Sounds Vol. 2 (Sound Signature:SSCD06)
Theo Parrish - Sound Signature Sounds Vol. 2
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リミックスワークにエディット作品の編集盤、そして新作のリリースと活動がにわかに慌ただしくなっているTheo Parrishと彼が主宰するSound Signature。アナログをこよなく愛するTheoの発信方法は基本的にアナログとなり、アルバム以外のEP作品となるとなかなか聴ける機会はないのだが、この度12年ぶりとなる彼のコンピレーションアルバムが発売された。内容は1997年から2005年までのTheo Parrish名義の作品に3 ChairsやThe Rotating Assemblyの作品を含み、初期/中期の彼にしては比較的ハウスフォーマットを保っていた頃のトラックが今でも強い個性を放っている。本作の中では一番古い"Rain for Jimmy"を聴くと規則的な図太い4つ打ち基調であるのが逆に新鮮だが、しかし極端にバランスの崩れた高低の音や執拗に繰り返されるファンキーなサンプリング使いは、やはりこれこそTheo Parrishと言うべきであろう。奇才と言うべき仕事を行った作品と言えばReclooseの曲のリミックスである"I Can Take It"で、原曲が軽快で爽やかなフュージョン・ハウスだったのに対し、ここでは徹底的に全体を圧縮し一部の帯域を削ぎ落したように平たいグルーヴが永遠と続くビートダウン・ハウス(とさえ呼べるのかも分からない)へと変貌を遂げている。果てもなく同じボーカルネタを反復させ上昇も下降も無く徐々に時間間隔を狂わせる、16分超えの偉業と呼ぶべきリミックスを披露しているのだ。そして本作の中で一番の話題作が9.11アメリカ同時多発テロに衝撃を受け、そこからレクイレムのように制作された"Major Moments Of Instant Insanity"だ。テロの標的となったWorld Trade Centerに対する人々の話やMarvin Gayの"Inner City Blues"をサンプリングして曲のあちらこちらに散りばめたこの曲は、テロを体験した事の無い者に対しても重苦しい悲壮感を背負わせるディープな世界感かつ泥臭いソウルが爆発した至高の1曲だ。これら以外の曲についても視界の悪い煙たい音像や壊れたエフェクターによって歪められたような音質が徹底されており、そこにTheoのSound Signatureと称する音の彫刻の技を聴く事が出来るのだ。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Lauer - Phillips (Running Back:Rbcd04)
Lauer - Phillips
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テクノ、ミニマル、ディープハウスなど様々なダンスミュージックの発信がドイツ中心となっている今、ディスコ/リエディットと言うジャンルに於いてもドイツはRunning Backからの作品が注目を集めている。Tiger & WoodsやTensnake、Mark Eらが作品をリリースしていると聞けばレーベルの質も折り紙付きである事を理解するだろうが、このPhillip Lauerにとって初のソロアルバムとなる本作はまたしてもレーベルの存在をアピールするであろう。ディスコ・テイストを感じさせる粘り気と動きのキーボードやベースラインは何処か懐かしくダサくもあるが、イタロ・ハウスの派手派手しいサウンドやバレアリックな開放感・多幸感も纏っており、あっけらかんとした無邪気な楽しさはそう多くは体験出来ない物だ。どの曲もレイドバックした緊張感の無いビートながらも、コズミック感のあるブリブリとしたシンセサウンドはのどかで陽気なディスコ空間を創造し、哀愁のあるメロディーは胸の奥に閉まった切なさや懐かしさを呼び起こす。カラフルで艶のある音の使い方や豊かな広がりを聞かせるコード展開を一貫しており、気難しい実験的な事も無闇に熟考させるような事も全く無く、ミラーボールがクルクルと回転するポジティブなダンスフロアで無邪気に踊りたくなるディスコ・ハウスが整然と並んでいるのだ。目新しさを感じさせる流行の音楽ではないけれど、いつでも聴きたくなる良い曲が揃っている秀逸なアルバムだ。

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I:Cube - "M" Megamix (Versatile Records:VERCD025)
I:Cube -
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フランスはパリの最新のモードを発信するVersatile Records、その中心にいるのがGilb'RとNicolas ChaixによるChateau Flightだ。二人の異なる音楽性が交わる事によって生まれるダンスミュージックは、デトロイト・テクノやディープハウス、ブロークンビーツやジャズなどがエレガントに融合し、フランスに対する美のイメージを喚起させる。今回はそんなChateau FlightのNicolas aka I:Cube名義でのアルバムが、前作から6年ぶりに届けられた。エレクトリック・ミュージック
に影響を受けたI:Cube単独での作品と言う事もあってか、Chateau Flightに比べると湿っぽさや生っぽさは隠れて奇天烈な電子音が飛び交うダンスミュージックが大量に並んでいる。開放感のある楽天的なディスコに低空飛行を続ける暗めのミニマル、浮遊感のあるテックハウスに万華鏡のような幾何学的な美しさのあるダウンテンポなど、実に多彩な音を聞かせているがエレクトロニックな煌く音質の統一感は感じられる。1時間のアルバムの中に先行EPとしてリリースされた曲も含め24曲がミックスされている事もあってか、良い感じで盛り上がってきたと思いきや即座に次の曲へと入れ替わり、目まぐるしい展開はなかなか一つの世界感に没頭させずに大量の情報で意識を困惑させトリップ感を生み出すようでもある。勿論I:Cubeらしいアクの強さとエレガンスを自然と両立させてもいて、ただ単にお洒落なだけのフレンチ・ハウスとは一線を画しダンスミュージックに対する深い造詣が感じられる前衛的なアルバムだ。



Check "I:Cube"
| HOUSE7 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |