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Ananda Project - Beautiful Searching (Nite Grooves:KCD275)
Ananda Project - Beautiful Searching
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元々の期待値が高い為、または安定した質の高さを保っている為、そんな背景があればおのずとアーティストが新作を出す毎に驚きは減っていく事もあるだろう。特にNY系ハウスにおいては古典的なスタイルが確立されているが故に、ベテランになる程そのジレンマから逃れる事が難しくなるのかもしれない。Ananda Projectもその例外ではなくどのアルバムも高い完成度を誇るが故に、新作を聴いても最初に出会った頃の衝撃は不感症であるかのように感じなくなっていた。本作はそんなユニットにとってKing Streetからは実に6年ぶり通算4枚目のアルバムだが、これが良い意味で期待を裏切る感動的な作品となっていた。もっと言ってしまえば当方がAnanda Projectに出会った頃の衝動を思い起こさせるようでもある。内容的には今までと然程変わらない、熱帯雨林を思わせる湿度の高いオーガニックな様相を見せつつ、ラテンやアフロと言った南国の空気を纏い、セクシーな歌とエモーショナルな旋律でアーバンなハウスを奏でている。新機軸は無いと言ってもよいだろうが、やはり一曲一曲の完成度が異様に高いのである。フロアの為のツールとしてではなくアルバムとして聴けるメロウなコード展開やストーリー性を持ち、様々なボーカリストを起用する事で各曲に異なる妖艶なムードも生まれ、アルバムを通して豊かな音楽性を聞かせている。お世辞抜きにどの曲もうっとりする程に情熱的であり、自然と口ずさみたくなるような歌が多くある事はNYハウスの歌を重要視する音楽観から見ても成功だろう。もしまだハウスに興味を持てない人や、またはハウスを聴いてみたいと言う人が居れば、本作はそんな人にも勧めたい一枚である。ハウスミュージックの老舗中の老舗からリリースされた、新しくも古典と言う表現が相応しいアルバムなのだから。



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| HOUSE8 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Black Jazz Consortium - Structure (P-Vine Records:PCD-93649)
Black Jazz Consortium - Structure
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昨今のディープ・ハウスと呼ばれる音楽の中でめきめきと頭角を現しているFred P.。自身が主宰するSoul People Musicからは大量の作品をリリースし、その波はUnderground QualityやMule ElectronicにFinale Sessionsまで広がり、アンダーグラウンドと呼ぶべきハウスの復権が静かに始まっている。本作はそんな彼が2009年にBlack Jazz Consortium名義でリリースした2ndアルバムなのだが、リリース量が少なかった事やCD-R媒体であった事もあり、現在では廃盤となってしまっていた。それをありがたい事に日本盤のみP-Vine Recordsがジャケットも改めリイシューしたのである。とにかくディープ・ハウスなアルバムでハウスへのストイックな愛情が詰まっているのは感じ取れるが、決して閉鎖的でかしこまった音楽ではない。むしろ今までに生まれてきた様々なスタイルのハウスを取り込みながら、より開けた多様性 - デトロイト・テクノ、シカゴ・ハウス、アンビエント - を伴う世界標準のアルバムとなっている。そしてここで聴けるFred Pの特徴とは繊細なエレガンスであり、ディープ・ハウスと言う括りには当て嵌まるものの全体のあっさり感やビートの細さを逆に活かし、流麗で美しいコード展開やスピリチュアルなパッド使いで華麗なハウスを演出しているのだ。また全体を覆い尽くす掴みどころのないアンビエント感覚も、質量の軽いグルーヴの上で浮遊感を生み出し、これがディープ・ハウスの奥深さ表現する点にも繋がっている。中にはMad Mike病に冒された希望のデトロイト・テクノを鳴らす曲もあったり微笑ましいところもあるが、全体としてはハウスの定形であるように聞かせながら実はそうでない緻密で凝った作風もあり、そこにFred Pの確かなアーティスト性を見つけられるだろう。US産ハウスの復権は確実に始まっている。

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| HOUSE8 | 08:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Chez Damier Presents Purpose By Design 2 (Balance:BMUK003)
Chez Damier Presents Purpose By Design 2

昨日に引き続きChez Damierがこれから先を引率するであろうアーティストを世に伝えるべく、自身が主宰するBalanceからの新旧アーティストの曲を纏めたコンピレーション第2弾が本作。当方は知らないのだがKenny CarvajalことMinister MikeやSoy Mustafaのベテラン勢から、まだ素性も明らかに鳴っていないGarrett DavidやSala Arnseと言った新人まで収録しているとの事で、時代を問わず確かな才能を紹介するChezの意向が感じ取れる。Minister Mikeによる"Collide"は、抜けの良いアフロなパーカッションの下で耽美なエレピのコード展開やアーバンで温かいオルガンやシンセが目まぐるしく踊り、メロウなムードを纏いながら軽快に疾走するグルーヴが素晴らしい。Ron Trentなんかが大好きそうなフュージョンの要素もあり、オーセンティックと言う表現が相応しい。一方でSoy Mustafaによる"Maxim (Unreleased Mix)"はアフロトライバルなビートが鳴りつつも、展開を極力抑えたディープテック調な音が覚醒感を煽り、Balanceと言うレーベルからは意外にも思える内容だ。しかし裏面の新人による2曲もまた素晴らしく、Garrett Davidによる"I Can't Take It (Queen Mix)"は90年代の栄華を誇ったハウスを喚起させるボトムが太くメロウなエレピが展開を作っていく作風で、そこにファンキーな女性ボーカルも絡む古典的ではあるが良く出来た曲だ。そしてSala Arnseはガラージ・クラシックスのカバーである"Brothers Gonna Work It Out (Blue Monday Edit)"を提供しており、ディスコ的な原曲のボーカルをカットアップしつつ現代風なブギーハウスへと調理したお手並みはなかなかのものだろう。どれもがフロアでも即戦力となる4曲が収録されており、Balanceに期待している通りのコンピレーションとなっている。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Chez Damier Presents Purpose By Design 1 (Balance:BMUK002)
Chez Damier Presents Purpose By Design 1

近年になり活動が慌ただしくなっているシカゴ・ハウスの重鎮のChez Damierが、自身のみならずこれから先を引率するであろうアーティストを世に伝えるレーベルがBalanceだ。本作はそのレーベルのコンピレーションであり、日本からはYoshiki TsuchiyaことMiruga、Balanceからの常連であるBrawtherとGSM、謎の新人らしいIntrospectiveの4アーティストの作品が収録されている。Chezが監修をしているだけありその質の高さはお墨付きだが、Mirugaによる"Midnight Theme"はレーベルのエレガントな黒さを代弁しているようだ。アトモスフェリックなコードのパッド展開の上で優雅に泳ぎ回るエレピはのびのびと優雅で、どっしりと安定感のある4つ打ちのキックをベースに浮遊感のあるディープ・ハウスを実践している。レーベルによって発掘されたBrawtherの"Endless (Underground Mix)"は過去の作品の未発表バージョンで、オリジナルよりもエモーションは控え目にミニマル仕様となっているが、その分ダビーなシンセを用いて空間の奥深さを演出したツール向けに仕立てあがっている。そして初めに耳にするアーティストであるIntrospectiveの"The Way I Feel When I Think Of You"は、余りにもベタなピアノのコード使いは確かにChezが好みそうな響きもするハウス感があり、まだ青臭さが残る作風ながらもジャジーな生っぽいリズムと相まってディープな陶酔を奏でている。GSMの"Tell Me What It Is (Matthew Bandy Mix)"も滴り落ちていくピアノに股も濡れそうになるが、パーカッシヴながらもリラックスしたビートメイクと湿っぽい男性ボーカルが大人の色気を強く打ち出しており、なんだか往年のNYハウスなんかも思い出してしまった。全曲ハウスの伝統を素直に表現しているようで、こんなオーソドックスなハウスには今だからこそ胸が熱くなるものがあった。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ian Pooley - What I Do (Pooled Music:PLD33)
Ian Pooley - What I Do
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2000年以降のIan Pooleyと言えば良くも悪くも可愛い女子が佇むカフェでかかりそうな小洒落たハウスを手掛けていたと言う印象が強いが、90年代の初期はハード・アシッド・テクノに始まり中期以降は今となっては懐かしいForce Inc.などからファンキーなフィルター・ハウスまで手掛け、フロアに直結した尖った作風で高い評価を得ていた。なのでそれ以降の品の良いハウス作品には質の高さを認めつつも、それを心の隅では素直に認められない自分もいた。本作はそんな人にこそ待ち遠しかったニューアルバムであり、90年代後半を意識しキーボードやハードウェアを中心に制作されたオールド・スクールの趣向もある作品だ。勿論今更ハード・アシッドやフィルター系をやっているでもないしボーカル物今まで通り入っているが、今までよりも内向的で沈み込むような深みのあるハウスへと様変わりをしている。Pooleyらしく流麗で整った構成のツールとしてもリスニングとしても適用するバランスの良さと共に、原始的でヒプノティックなシンセの鳴りには夜のざわめく陶酔感を感じずにはいられない。闇雲に陽気に振る舞う事もなければゴージャスに盛る事もなく、すっきりと贅肉を落として理性的に作りこまれたトラックからは逆に控え目なエレガンスさえ聴こえてくる。特にInnervisionsからリリースされた"CompuRhythm"はそれを象徴しており、ゆったりとした流れながらも恍惚とした音の狭間に埋もれて行く感覚が堪らない。音自体はアナログを意識しただけありオールド・スクールな素朴さがあり旧知のリスナーに訴えかけるが、古臭く陥らないところにPooleyの音に対する卓越した拘りが出ているようだ。本当に良く出来ているアルバムだと思う。

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Walt J - Reflection Selections (Fit Sound:FIT/WALT J-04)
Walt J - Reflection Selections
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ニューオリンズにもWalter Jonesと言うアーティストが居て紛らわしいのだが、今日紹介するのはデトロイトのWalter JonesことWalt J。1995〜1997年の間に数枚のEPをリリースして突如としてシーンから姿を消してしまったアーティストで、余りの活動の短さにカルト化し過去の作品の復刻が長く望まれていたアーティストの一人であろう。本作は97年にClaude Youngが主宰していたDow Recordsから2枚組でリリースされた"Reflection"から、厳選した曲を1枚に纏めてリイシューした内容となっている。デトロイトからの音楽なので濃密なエモーショナルを期待するところだが、意外にも全体的にすっきりと洗練されビート感も軽目なテクノ/ハウスが中心だ。コズミックなシンセ使いにはデトロイトらしさがありつつも、パキッとしたリズムトラックは爽やかな程に乾いていてあっさり抜けの良さがある"Nite Gruv"は、90年代に制作されたわりには随分と研ぎ澄まされ綺麗な鳴りをしている。シャッフル調の跳ねたグルーヴの上に、豊潤で厚みのあるパッドが未来への希望の道標とる"Don't Stop"は、程良いエモーションにファンキーな躍動が溶け込んでいる。対して優しいメロウなコード展開で浮遊感を発し、ぶっといアナログ的な厚みのあるキックで逞しいグルーヴを生み出す"Feel What I Feel"は、NYのディープ・ハウスへと接近している。音自体は時代を感じさせ少々安っぽさもあるのだが、それが決して古臭くはならずに今でも十分に通用する名曲揃いである事は保証する。後のFabrice Ligによる透明感のあるエモーショナルなテクノへと繋がって行くようだ。

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Henrik Schwarz - Take Words In Return (Watergate Records:WGVINYL010)
Henrik Schwarz - Take Words In Return
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リミックスワークにおいては常に数多のアーティストから引っ張りダコであるHenrik Schwarzなのですっかり忘れてはいたが、自身のソロ活動としては暫く新作をリリースしていなかった。本作は実に3年ぶりとなる久しぶりのオリジナル作品なので注目を浴びるのは当然として、その上Carl Craigがリミキサーに起用されたと言う事では買い逃しは厳禁にならざるを得ない。Schwarz自身がボーカルも務める"Return Version"では、その悩ましげな暗い歌と共に異国情緒を匂わせるどす黒いサイケデリアが渦巻くディープ・ハウスを披露しており、軽目の酩酊が何処までも継続する。ピークタイムに持って行く迄にずぶずぶと泥臭い深みに嵌めるタイプの曲で、Schwarzらしい覚醒感はあるが比較的落ち着きのあるトラックだ。その一方でやはり才能を大爆発させたのが"C2 Vocal Rmx"を提供したCarl Craigで、キレのあるハイハットや精密に打たれる4つ打ちのファットなキックなどリズムトラックで洗練へと向かいつつ、ギラついた輝きを見せるシンセや未来的なインテリジェンスも感じさせるサウンドを被せて、エレクトロニックへと向かいながらも情緒豊かなデトロイト・テクノへと見事に昇華させている。やっている事はいつもそれ程変わらないのに、一聴してC2の音だと判断がつくその個性は貫禄さえ漂わせている。レコードは重量盤かつホワイト盤で存在感もバッチリなので、やはりアナログで所有するのがベターだろうが、配信ではトラックに特化した歌無しの"C2 Inst Rmx"も収録されている。

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Trus'me - Treat Me Right (Prime Numbers:PNCD18)
Trus'me - Treat Me Right
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イギリスはマンチェスターにてデトロイトにも匹敵する黒きハウスを世に送り出しているPrime Numbers。その首謀者がDavid WolstencroftことTrus'meで、彼自身も2007年に作品デビューとアーティスト活動に於いてはまだベテランとは言えないが、レーベル運営の手腕と共にアーティスト的な面からも信頼を寄せられている事に疑う余地は無い。本作は3年ぶり3枚目のアルバムとなるのだが、まず誰が聴いても今までと変わった印象を受けるのは間違いないだろう。今までの音楽性が生っぽくレイドバックしたジャズやソウルのフィーリングを伴う湿度の高いハウス中心だったのに対し、本作では一体何が彼に起きたのかテクノに接近したツール的なトラックが増えている。例えば"It's Slow"のブリブリした正弦波のシンセの音は完全にブリープで、随分と硬くソリッドなシンセが幾何学的に絡み合いながらモダンテクノ化している。アルバムの幕開けとなる"Hindsight"にしたって訝しいボーカルを添えながらも、垂れ下がる重苦しいパッドやヒプノティックなシンセを配したテック系のハウスで、確かに黒さが感じられない事もないが現代風にスタイリッシュな作風に寄り添った印象だ。そんな中でハイハットが猛々しく鳴り疾走する"I Want You"は、エレクトロニックなビートやメロディーであるにもかかわらずどす黒いスモーキーさが立ち込めており、Trus'meらしさもある程度は残っている。個人的な好みで言うと前作までの生々しいハウス路線に愛着があるのだが、これはこれで違和感なくテクノを咀嚼した作品として成り立っているので、アーティストとしての才能はあるのだろう。そしてこの後にリリースされたリミックスアルバムは、更にツール向けのテクノ化しているのだ…

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Indigenous Travelers - Paradise Ritmito Carnival (Tribute To Jose Roberto Bertrami) (Downbeat:DWNBT S.E. 01)
Indigenous Travelers - Paradise Ritmito Carnival (Tribute To Jose Roberto Bertrami)

スペインにて黒くロウなハウスを追求するDownbeatを主宰しているのがJose Ricoだが、そのRicoとシカゴ・ハウスの巨匠であるRon Trentが手を組んだ名義が本作のIndigenous Travelersだ。サブタイトルには"Tribute To Jose Roberto Bertrami"とあるように、最近亡くなったブラジリアンユニット・AzymuthのメンバーであったBertramiへと捧げらる為に制作された作品との事だ。普段のRicoの作風を全く知らないので本作に於ける共同作業の影響の程を知る由も無いが、Trentが参加している影響は間違いなく感じ取れる。ざらついてぼやけたようなリズムトラックの上に軽快で爽やかなパーカッションが羽ばたき、Trentらしいアフロかつフュージョンな持ち味はもう十八番と言っても良いだろう。そしてアンビエント感覚もあるパッドや煌めきのあるシンセが中域に厚みを持たせつつ、表面では振れ幅の大きいハモンドオルガンが束縛から解放されたように躍動しながら壮大な世界観を生み出す、つまりはいつものTrent節が炸裂している。浮遊感さえある軽さは正に爽快な風が吹き、青い空に吸い込まれるような大らかさがある。気合の片面仕様のアナログで割高ではあるものの、裏面にはレーベルのロゴがエッチング加工されており、アナログとしての存在感を漂わせた素晴らしい一枚だ。

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Basic Soul Unit - Motional Response (Still Music:STILLMCD008)
Basic Soul Unit - Motional Response
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デビューから10年以上が経過し既にベテランの域に入っているStuart LiことBasic Soul Unitだが、過去のリリースを今一度眺めてみるとVersatileにMule ElectronicやPhilpot、MathematicsにOstgut Tonなどその他多くの多種多様なレーベルから作品をリリースしている事に気付かされた。安住の地を求める事なくリリース毎にテクノやミニマル、ディープ・ハウスにジャジーなものまで取り組み、その結果として著名なレーベルから引っ張りダコであった事が伺える。そんなBSUが遂にデビューアルバムの地として選んだのがシカゴから実にソウルフルな作品を手掛けるStill Musicなのだが、結果的にアナログをこよなく愛するレーベルとの相性は抜群であるようだ。本作ではテクノもハウスもブロークン・ビーツも同軸として並んでおり、単なる4つ打ちだけのDJツール特化型のアルバムではなく、音色や構造が豊かな音楽が敷き詰められたアルバムだ。そこに幅があるのは今までの経歴からすれば当然だが、音としてはシカゴの武骨で荒削りな面での統一感があり、そしてメロディーや雰囲気に於いては穏やかで包容力のある面が感じられる。余分な贅肉はこそげ落として全体としては音の間を生かしたすっきりした印象だが、しかし特にリズムの芯の強さはやはりシカゴのレーベルらしさが際立っている。また表立って露骨にソウルフルな - つまりはどぎつい汗だくな - 作品ではなく一貫してクールな温度感を保っているが、ハウス初期の胎動にも似た生まれたままのプリミティブな粗さ(荒さ)からは燻る情熱が滲み出ており、控え目ながらもハウスのソウルネスを表現している。派手な作風ではないのだがシカゴ・ハウスに影響を受けながら、それを知性的にモダンな音楽へと昇華させたようだ。ベテランらしく実に完成度の高いデビュー・アルバムと言えよう。

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