CALENDAR
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930    
<< April 2019 >>
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
FRKWYS Vol.15: serenitatem
FRKWYS Vol.15: serenitatem (JUGEMレビュー »)
VISIBLE CLOAKS,YOSHIO OJIMA,SATSUKI SHIBANO
RECOMMEND
RECOMMEND
The State Between Us
The State Between Us (JUGEMレビュー »)
The Matthew Herbert Big Band
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
MOBILE
qrcode
SPONSORED LINKS
DJ Nobu - Nuit Noire (Bitta:Bitta10002)
DJ Nobu - Nuit Noire
Amazonで詳しく見る(日本盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
フランス語で「暗黒の夜」というタイトルが冠されたMIXCDを新たに手掛けたのは、Future Terrorの頭領であるDJ Nobuだ。千葉というローカルな地から生まれたこのDJは、いつしか日本各地の様々なパーティーやフェスでの活躍から今ではBerghainなど海外の大きなパーティーにまで広がり、時代と共にディスコやハウスからテクノまで横断しながらその名声を高めてきた。今や国内のパーティーではDJ Nobuを抜きにして語る事は難しい程までの存在感を放っているが、トレンドではあるが決してハイプではなく、常に止まない探究心とダンスフロアへの敏感な嗅覚を以てしてパーティーの大小に関係なく独自の空間を創り出せるDJの一人だろう。2年前の作品である『Dream Into Dream』(過去レビュー)は果敢にも、普通ではない変異体テクノを用いて実験的な電子音響をコラージュ的に表現し、ダンス・フロアの可能性を広げるような作品だった。それはリスナーに対し大きなインパクトと相反する戸惑いさえも与えたが、本作はそのエクスペリメンタルな要素を残しながらもより現場的なダンスの方向へと軸を振り戻している。最初の"Lumiere Avant Midi"こそ闇の奥底でヒスノイズが囁くようなノンビートの音響ものだが、それ以降はフロアに根ざしたダンストラックが徹頭徹尾続く。ただそれらも各曲単体でよりもミックスされる事で機能と面白さが引き出される奇抜な性格があり、それらをじっくりと層を重ねるようにミックスする事でグルーヴの持続感/継続感を生みつつ、またゆっくりと姿を変えるようにしなやかな変化を付けていく。音響テクノやミニマルにインダストリアルなどを丹念に編み込むようなミックスを行い、序盤の神妙でディープな流れから徐々に加速して暴力的な金属音やノイズが放出される中盤、そしてハードなまま更にサイケデリック感を伴う終盤と、一時も緊張感を切らす事なく現在形のテクノ/ダンス・ミュージックを披露する。言うまでもなく甘さは皆無、常にひりつくような緊張感があり、そして徹底して冷たく荒廃した世界観に統一されている点が痛快でさえもある。MIXCDではあるがここから感じられる空気は正に真夜中のダンスフロアにざわめく高揚であり、目の前に暗闇の中で大勢の人が踊り狂うパーティーの光景が浮かび上がってくる程までのリアルさがあるのだ。本人が述べる通りに確かに実験性に加えダンスの要素を含む本作は、テクノや電子音楽の面白さを表現しつつダンスの快楽的な性質を素直に打ち出した内容であり、テクノ魂を刺激する最高のダンス・ミュージックである。

Check "DJ Nobu"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO11 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
HVL - Away From Everything We Know (Organic Analogue Records:OA 002)
HVL - Away From Everything We Know

Rough House Rosieでの活躍も目覚ましいグルジア出身のGigi JikiaことHVLが、今年2枚目となる新作をOrganic Analogueよりリリースしている。東欧特有の神秘的な瞑想感を伴うディープ・ハウスはHVLの個性として確立されているが、この新作でも基本的な路線に変わりはない。タイトル曲の"Away From Everything We Know"はリヴァーブによって幻想的に揺らめくシンセの奥にロウなアシッドのベース・ラインと女性のポエトリーを配し、心地良い浮遊感の中にもベースとキックによる明確なグルーヴが刻み、Deepchordを思わせるアンビエンス感の強いディープ・ハウスだ。放射状に広がるようなディレイのシンセを用いながらもカタカタとしたロウなパーカッションを用いた"Space Venture"は、DJ Sprinklesが得意とするような枯れた感もある幽玄さがあり、荒ぶる事なく静かに心に侵食する。一方裏面の"Cygnus Loop"はブレイク・ビーツ風につんのめったリズム感が切り刻むようにエッジが効いていて、その上ではすっと軽く伸びる透明感のあるシンセと未来的な光沢感のあるシンセの絡み合い、A面の曲よりはファンキーな躍動が強い。また本作で特筆すべきは、Wild Oatsからのリリースが注目を集めたGBやJulian Abelar名義でも活動するGabriel Reyes-WhittakerがThe Reflektor名義でリミックスをしており、"Away From Everything We Know (Reflektor Remix)"は原曲の浮遊感を抑えた代わりにデトロイト的なレトロ・フューチャーを思わせるシンセの懐かしいメロディーを強調し、またカチッとした生っぽいビートに変化させた事でブギーな感覚を打ち出していて、面白いリミックスを披露している。HVLの緩やかに揺れるディープ・ハウスは言うまでもなく極上だが、The Reflektorのリミックスもより個性的で上手くハマった快作だ。



Check "HVL"
| TECHNO11 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Octave One - Burn It Down (430 West Records:4WCLCD2-600)
Octave One - Burn It Down
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
DJではなくアーティストとして、PCではなくハードウェアを愛し、デトロイト第二世代の中でも徹底的にライブを前提とした曲作りでデトロイト・テクノを追い続けるOctave One。かつてはRandom Noise Generationとしても活動をしていたBurden兄弟によるハウス・ユニット…だったかと思い込んでいたが、今ではRNGでの活動がほぼ無い事からOctave Oneがテクノとハウスの境目を作る事なくデトロイトのマシン・ソウルを鳴らしている。デトロイトのアーティストの中では堅実な音楽活動を続けるユニットではあったため、前作の『Summers On Jupiter』から7年もの時間が空いた事には驚きを隠せないが、その間も彼等はライブ・セッションを重ね経験を積んでいたのだ。そんな充実した状態での新作は、やはり今まで変わらないファンク精神が溢れ出るデトロイト・テクノで、ここまで求道的な音の求め方は既に愚直にも達している。鈍く重いキックと切れ味鋭いギターカッティングのようなシンセで野太いグルーヴを有む"Eighth Wonder"でアルバムは幕を開け、続く"Jazzo/Lose Myself"では女性ボーカリストのAnn Saundersonを起用してR&Bらしいねっとりしたソウルを持ち合わせたテクノを聞かせる。序盤のハイライトはかつてRNG名義で放った傑作のリメイクである"A Better Tomorrow (O1 Remake)"で、デトロイトらしい美しいストリングスとファンキーなリフの対比や揺るぎない無骨なリズム感からは、デトロイトというハードな街から生まれた希望を見出だせるだろう。またしてもAnn Saundersonをボーカルに迎えた"Believer"は官能的な歌が主張する色気さえも発するハウスで、続く"Whatever She Wants"では2つ目の山場となるようなエモーショナルで胸を締め付けるような切なさが爆発する。テクノもハウスも分け隔てなくデトロイトのファンキーかつエモーショナルなムードで纏め上げ、単なるDJツールとしてではなくライブでこそ映えるような感情の揺さぶりを誘発する音楽性は、長いデトロイト・テクノの歴史の中でも特筆すべきだろう。その宿痾にも思える求道的な音楽性ゆえに決して斬新さや時代性というものは無いかもしれないが、デトロイト・テクノという音楽を頑なに追い続けるスピリッツを存分に感じて欲しい。



Check "Octave One"
| TECHNO11 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Koze - XTC (Pampa Records:PAMPA 024)
DJ Koze - XTC
Amazonで詳しく見る(アナログ盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
ドイツはハンブルグのPampa Recordsはベテランだけでなく若手も積極的に起用し、そして癖のある一風変わった作風ながらも何処かノスタルジーを感じさせる音楽性があり、まだ比較的浅い歴史ながらも既に見過ごす事の出来ないレーベルの一つだ。そんなレーベルを主宰するのがStefan KozallaことDJ Kozeであり、彼こそがPampaの音楽性を最も体現している奇才アーティストだ。2年前にアルバムを発表して以降ここ暫くはリミックスワーク中心の活動であったが、2年ぶりとなる新作EPはこの夏を賑わすアンセム級と呼んでもよい会心の内容だ。タイトル曲の"XTC"が正にそれで、ドリーミーで柔らかいシンセのコード展開とふっくらとしたキックが淡々と刻まれる幻想的なディープ・ハウスは、終わりのない悠久の夢の中に溺れるようだ。次第にDJ Kozeらしい奇抜なパーカッションやメロディーも入ってくれば、甘い陶酔の中に興奮も溶け込ませながらドラマティックに盛り上がる展開に、正にエクスタシーへと達する。曲の中でも女性によって呟かれる"Many people are experimenting with the drug ecstasy"と言うセリフ、多くの人がドラッグによって絶頂体験をしていると言う内容だが、それの良し悪しは別問題として呟き自体がよりドリーミーな曲調を印象的なものとしている。裏面の"Knee On Belly"もその奇才性が爆発したフィルター・ディスコで、共振するような強烈なシンセと可愛らしいサウンドを交えながらフィルターを掛けて展開を作っていくこの曲は、非常にファンキーながらもふざけた様相に気の抜けた感も面白い。前者がアフターアワーズ向けなら、後者は真夜中のピークタイム向けか、両面どちらもDJ Kozeらしいユーモアとフロアでの機能性を伴う曲で文句無しの出来だろう。



Check "DJ Koze"
| TECHNO11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb - Moonbuilding 2703 AD (Kompakt:KOMPAKT CD 124)
The Orb - Moonbuilding 2703 AD
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
テクノやハウスにダブやアンビエント、ヒップ・ホップやレゲエまで様々な音楽性を溶け込ませ、独自の亜空間を作り出すAlex PatersonことThe Orbにとってはアルバム毎にその音楽性が変化するのは当然の流れだが、やはりThe OrbとKompaktの絡みこそ最もテクノ色が強くなりベストな相性だと思う。そして近年はLee 'Scratch' PerryやDavid Gilmourとのコラボにサントラ作品等企画的なアルバムが多かったが、純然たるThe Orb名義では『Baghdad Batteries』(過去レビュー)より6年ぶりとなるアルバムが完成した。本作ではPatersonのベストな相棒でもあるThomas Fehlmann(Kompakt関連のアーティストである)が制作に参加し、リリース元もKompaktからなのだから、彼等の作品の中でもクールでインテリジェンスな方向性が打ち出されているのが特徴だ。しかし本作が完成するまでの道のりは長く、元々は2009年頃にロンドンにあるオペラ・ハウスに提供する曲を作っていたがそれが中止になり、そのベースとなった曲からオペラ的な要素を排除しながら紆余曲折の末に完成したのが本作だそうだ。元々がオペラ向けな曲だった事が影響しているのかは断言出来ないが、かつてのThe Orbのスタイルでもあった大作志向が復活し、収録された4曲それぞれが9〜14分と長尺の構成となっている事は嬉しい限り。彼等の発言によればクラシック音楽のように曲の中で変化と発展を設けたかった意図があるそうで、多様な音楽性とサンプリングを持ち込むThe Orbにとっては、今回の長尺な方向性こそ彼等の音楽性が活きるのは当然の理だろう。スポークン・ワードが入りアンビエントな雰囲気から始まる"God’s Mirrorball"は、徐々に荘厳なシンセや可愛らしいサウンドにダビーな音響が被さり、Patersonお得意の環境音サンプリングを持ち込んでからのミニマル・ダブのようなねっとりドープなリズムが入ってくれば、The Orb流のダンス・トラックへと変容する。後半に入ってからはリズムも入れ替わり、確かに一つの曲の中で大きなストーリーが語られているようだ。よりミニマル・ダブ的な残響が快楽的な"Moon Scapes 2703 BC"もどんどんと展開を繰り返す構成だが、繊細な電子音の粒子が無重力空間に散らばるように配置され、大胆で躍動的なビート感と繊細な電子音が高濃度に融解する。アルバムの中で最もサイケデリックな音響を放つ"Lunar Caves"は、スペーシーなSEやサンプリングも多く導入され得体の知れない何かが闇の中で蠢いているような壮大なアンビエントで、初期の作品を思い起こさせるようなユーモアとドープさが混在している。アルバムの最後の"Moonbuilding 2703 AD"ではレゲエ色の強いねっとりしたブレイク・ビーツを披露するが、何度もリズムは変化をするもそのパーツ自体は非常にミニマル的で、終始宇宙の中をのんびりと散歩をするような心地良いグルーヴ感で進んでいく。またやはりFehlmannの手腕は繊細な電子音や音響として明らかに影響を及ぼしており、PatersonのいたずらなユーモアとFehlmannの知的な成分が組み合わさった本作は、The Orbとしてのバランス感が最も良い瞬間であろう。蒸し暑い夏をクールに過ごしたいのであれば…本作は欠かせない一枚だ。



Check "The Orb"
| TECHNO11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Gonno - Remember the Life Is Beautiful (Endless Flight:ENDLESS FLIGHT CD 15)
Gonno - Remember the Life Is Beautiful
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
2011年にInternational Feelよりリリースした"ACDise #2"が世界的ヒットとなった以降、その音楽活動は一気に加速しBeats In Space RecordsやEndless Flightからも作品をリリースする傍ら、多くのアーティストからの依頼も舞い込みアーティスト人生として円熟を迎えているGonno。そして2005年の『My Existence』から10年ぶりとなるアルバムの本作が遂にリリースされたが、前作がBPMを固定したある種特殊なコンセプトのアルバムであった事を考えると、本作こそがある意味ではキャリア初のアルバムと見做してもよいだろう。アルバムには所謂DJツール的な曲は殆ど無いのだが、ジャンルへの帰属意識が薄いGonnoにとってはテクノやハウスだけでなくディスコやエレクトロニカ等多様な音楽がダンス・ミュージックの枠組みに組み込まれ、単に4つ打ちだけではない起承転結を持ったような流れとしてアルバムは纏められている。冒頭の"Hippies"から既にカラフルな万華鏡の中に音の粒が飛び交うGonnoらしいポップな感覚が溢れているが、しかしじっくりと耳を傾けると奥底ではトリッピーなアシッド・ベースも唸っており、そのキャッチーさとトリップ感の自然な融和はGonnoの個性の一つだろう。じっくりと始まるオープニングから一転して暗雲立ち込めるタイトルの"The Worst Day Ever"では、タイトル通りに何処かヒステリックにも感じられる毒々しいシンセが繰り返されるサイケデリックなテクノだ。そこに続く先行EPとなった"Stop"は強烈な禍々しいベースとアシッド・サウンドが牙を剥くフロア向けの曲だが、それだけでなく瞑想へと誘うようなシンセのコード展開が深みも創出し、普通のアシッド・ハウスとは異なる快楽的な多幸感に満たされる。またGonnoのDJを聴いた事がある人にとっては周知の事実だろうが、ダンス・トラックだけでなくアンビエントの感覚にも長けた感性は本作にも生かされており、アルバムには"Beasts In Your Mind"や"The Island I've Never Been"のように大らかなシンセが波のように広がっていく上をサイケデリックな上モノに満たされる万華鏡アンビエントもあり、アルバムの中でドラマティックな展開を作る事に成功している。様々なビートとスタイルがありながらも、基本的にはどの曲もメロディーを大切にして闇を切り開くようなポジティブさが伝わってくる前向きなアルバムだが、それはこんな時代の中で逆境を糧にしたようなタイトルからも感じ取れる。祝祭感に満ちたこのアルバムは、きっと聴く者の心を励まし、そして前向きな気持ちにされてくれる事だろう。



Check "Gonno"
| TECHNO11 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Giorgio Moroder - Deja Vu (RCA:88875-05725-2)
Giorgio Moroder - Deja Vu
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
待ちに待っていたエレクトロ・ディスコ、テクノ・ポップのオリジネーターの帰還。近年はDaft Punkの『Random Access Memories』にも語りとして参加し、自身ではライブも披露し新作制作への予兆は既にあったものの、こうやって30年ぶりとなるアルバムが実際に手に届くと感慨深いものがある。そう、数々の名作ディスコを世に放ったGiorgio Moroderが戻ってきた。元々俗世的な音楽性ではあったのだが新作ではよりメジャー感を意識したのか、Kylie MinogueやBritney SpearsにKelisらの大御所歌手や、Matthew KomaやFoxesにMikky Ekkoと現在のダンス・ミュージックを席巻するEDM系の歌手まで起用し、良くも悪くも時代に合わせた派手派手しいモロダー節は健在だ。親しみのあるキャッチなメロディーやボコーダーを利用したロボット・ボイス、デケデケとしたシンセ・ベースの躍動的なシーケンスなど確かにモロダーらしさを残しつつ、しかし現代版ダンス・ミュージックを意識してよりゴージャスな音使いと密に詰め込まれた音で、全身を隈無く装飾したディスコはやや過剰にも思える。彼の代表作でもある『From Here To Eternity』や『E=MC²』は、当時の電子楽器を駆使しながらも良い意味でダサくもポップな音使いとすっきりと間を活かした構成がディスコのビート感を際立てていたものの、本作では兎に角最新の音を詰め込んで量と勢いで攻勢を掛けるようだ。曲によってはほぼEDMのようにケバケバしくはっきり言ってしまうと単に流行の後追いでしかない点も見受けられ、あの安っぽくも懐かしいディスコ・サウンドが色褪せてしまっている。しかし、もし7〜80年代にモロダーの音楽を聴いて最新のディスコだと感じた人がいたように、本作が10年代の最新のダンス・ミュージックだと世の中に知らしめる目的があるのだとすれば、そのコンセプトは確かに実現されているのも事実だ。但し、実際のクラブで今も尚掛かるような旧来のディスコやテクノ・ポップが好きな人にとっては、本作は期待に応える事はないだろう。



Check "Giorgio Moroder"
| TECHNO11 | 09:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Dave DK - Val Maira (Kompakt:KOMPAKT CD 121)
Dave DK - Val Maira
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
ダンス・ミュージックである事を前提としながらも、実にKompaktらしくポップでドリーミーな作風のアルバムとして素晴らしい。本作はドイツにて90年代後半から活動しているDavid KrasemannことDave DKによる8年ぶりのアルバムである。これまでにもMoodmusicやPlayhouseにPampaといったレーベルからメロディーやコード展開を大事にしたテック・ハウスを量産してきているが、2013年にKompaktより『Palmaille』(過去レビュー)をした事で、彼の音楽性が最も会うベストパートナーを見付けたようだ。Kompaktと言えばテクノやミニマルにアンビエント、そこにポップやロックも躊躇する事なく取り込んで、決して機能性だけを追求したレーベルではないのだが、本作に於いてもその音楽性は踏襲されておりリスニングとして機能する内向的ながらも美しいサイケデリアは、Dave DKの音楽性が見事に開花したものだ。アルバムのオープニングとなる"Fade In" - 正にタイトルの通りだが - は、霧の奥からカラフルな音の粒が現れてくるようなビートレスなアンビエント風で、この時点で此処ではない何処かへと誘われる幻夢の世界が広がる。続く"Halma"はまるでBorder Communityを思わせる甘くもサイケデリックなテック・ハウスを披露するが、BCが保有する毒っぽいアクは濾過され、Dave DKの曲ではただひたすら心地良い陶酔を誘発する。深い霧から様々なパーカッションやSEが現れる"We Mix At Six"も、トリッキーな構成のわりには気分を刺激する事なく、その美しい桃源郷の世界に溺れさせるような音楽性でまったりと落ち着いている。どの曲も長閑な田園地帯に霧が立ち込めたような幻想的なサイケデリアに満ちており、例えば普通に聴いていれば真夜中のパーティーの興奮よりは白昼夢に溺れる感覚に似ているかもしれない。勿論そういった音楽性に加えてクラブで機能する力強い4つ打ちの"Nueva Cancion"などもあり、非常にバランス感に長けたアルバムでもある。Kompaktに対するイメージが見事に発揮されており、Dave DKにとってもファンにとっても蜜月の出会いと呼ぶべき作品だ。



Check "Dave DK"
| TECHNO11 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Herbert - Part Eight (Accidental:AC82)
Herbert - Part Eight
Amazonで詳しく見る(アナログ盤)

先日Herbert名義では9年ぶりとなるアルバム『The Shakes』(過去レビュー)をリリースしたMatthew Herbertの活動の中でも、特に生粋のクラブ・ミュージックのファンから高い評価を得ていたのは『Part』シリーズだろう。初期『Part』シリーズは『100 Lbs』(過去レビュー)として纏められ、その後のミニマル・ハウスの青写真としての存在と今尚高い機能性を保つなどHerbertの才能が爆発したシリーズであったが、2000年代に入ってからのHerbertは正直迷走していた感は拭えない。しかし2014年に再度『Part』シリーズを復活させたのは彼の中にも何かしらの回帰の思いがあるのだろうか、兎にも角にも『The Shakes』に納得出来なかったファンこそ、この『Part』シリーズは聴くべきであろう。でこれは2014年から続くPart6、7に続くPart 8であり、今の所これが最終作品のようだ。勿論この一連のシリーズが初期と全く同様なミニマル・ハウスであるかと言えばそうではないが、"The Wrong Place"に於ける普通ではないポップな感覚はHerbertの音楽に於けるユーモアと実験精神の表れであり、不思議なパーカッションがふざけたように鳴っている中にムーディーな女性の歌が色気を添加していくボーカル・ハウスは、ダンスとリスニングの中庸なバランス上にある。"Remember Ken"に至っては優美なストリングスやキーボードの音色に比重を置きながらアンニュイなボーカルを起用して、ジャズ/ハウスのムードを持ち込んだかの傑作である『Bodily Functions』に収録されていてもおかしくない程に、甘くエレガントな曲として素晴らしい出来栄えだ。裏面にはHerbertらしい遊び心溢れる2曲が収録されており、カチカチとしてパーカッションやシンセの動きが忙しなく続きおかしなファンキーさも感じられる"Ticket"や、心地良いノイズにも思われるパーカッションと対照的にドリーミーなメロディーにうっとりと陶酔させられる"Her Face"と、決して一筋縄ではいかない奇抜な音楽性が光っている。正直『The Shakes』の内容が期待程ではなかったので、この『Part』シリーズをアルバム化した方がよりHerbertの独創性を認知させられる事が出来たのではという思いだ。なのでHerbertのファンならばターンテーブルを買ってでも、『Part』シリーズは聴くべきであろう。



Check "Matthew Herbert"
| TECHNO11 | 06:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Mirko Loko - Comet Plan (Cadenza Records:CADCD16)
Mirko Loko - Comet Plan
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
元Lazy Fat Peopleの片割れ…という紹介は最早不要か、元々そのユニットとしての活動は二年程と短命で終わったのに対し、ソロとして活動を始めてCadenzaから寡黙な音楽制作ながらも作品をリリースしてからの方が、よりその人気に拍車を掛けたのだから。その人こそスイスのMirko Lokoで、2009年にリリースした『Seventynine』(過去レビュー)ではCadenzaらしい極楽浄土にいるようなトランス感と繊細な音響の美しさを強調したダンス・ミュージックを披露し、デビューアルバムにして特別な注目を集めたものだ。しかし、それ以降の制作活動は年に一枚程度EPをリリースする位なもので目立った活動はなかったが、ようやく6年ぶりとなる2ndアルバムが同じくCadenzaよりリリースされた。結論から言ってしまえば以前からの音楽性を継承しながらも、よりうっとりとする官能やふらつく酩酊感にジワジワくるトランス感が交じり合う円熟味を増した芸術的なアルバムであり、Cadenzaというレーベル性を強く放っている。アルバムの冒頭である"Get Down"は落ち着いたビートの上に羽のようなふわふわとしたシンセが神々しく浮いており、繊細なパーカッションや宗教的なボーカル・サンプルも加わって、いきなり楽園へと誘われる快楽的な音が鳴っている。続く"Venus"では引き締まった4つ打ちが現れるが、しかしそのビートは圧力よりは繊細さが際立っており、幻想的な上モノを消し去らずに見事に調和して酩酊感を生み出すのだ。そしてトライバルなビート感と呟き声がパーティーの喧騒を想起させる"U Special"、ヘヴィーなベースラインとギラつくメロディーが絡まりながらトランス感が増していく先行シングルの"Kolor"と、勿論真夜中の高揚感を誘うダンス・トラックの素晴らしさは言うまでもない。そんな曲の合間には宗教的なアンビエントの"Flash"やラジオ放送を聞いているような"Radio Vini"といったインタールードも配置し、適度な息抜きを作りつつアルバムとしての音楽性の豊かさを際立たせている。最後には実に感動を迎えるフィナーレに相応しく、ビートが一切入らず清らかに輝かしく変容するシンセが宗教的な荘厳さを生む"Coelum Piuzis"が待ち受けており、静かに消え入るようにアルバムは終わりを迎えるのだ。ダンスとリスニングのバランス性、繊細な音色や複雑な構成の美学は褒め称えるべきだが、何よりも宗教的でさえもある神々しい世界観の先にある陶酔感は、Mirko Lokoの音楽の特別な要素として際立っている。



Check "Mirko Loko"
| TECHNO11 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |