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Kuniyuki Takahashi - Newwave Project (Mule Musiq:MMD-61)
Kuniyuki Takahashi - Newwave Project
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生演奏の温かさ、スピリチュアルな世界観、有機的な響きを含んだハウス・ミュージック、高橋邦幸の音楽についての一般的に知られているイメージはそのようなものだ。工業で機械的というイメージとは真逆で、電子楽器を用いながらも生命の営みを彷彿させるハウスは慎ましく厳かで、何より大地の胎動と共鳴するような霊的な力を含んでいる。しかしそんな彼が近年取り組んでいたニューウェーブ・プロジェクトと名付けられたシリーズは、そのタイトル通りにニューウェーブやインダストリアルミュージックに寄り添ったものだ。本人に拠れば元々それらの音楽性もルーツにあったそうで、実際にDRPというEBM(Electronic Body Music)系のユニットも組んでいたりするのだが、ここにきて"新たな波"を生み出した原動力はやはり彼の創造性に対する渇望が故なのだろう。これまでのオーガニックなハウスは封印し、むしろサンプリングも用いてダークで退廃的なテクノへと寄り添った本作は、Kuniyukiが考える現在のニューウェーブなのだ。そうは言いながらもKuniyukiらしさはそこかしこに残っており、民族的なパーカッションの響きが目立つ"Steam"は正にそれだが、しかし機械的に刻まれる冷えたスネアの8ビートや灰色のトーンが工業的な風景を喚起させる。続く"Cycle"は擦れたような荒いリズムでグルーヴは走り出すが、色褪せたようなモノトーンな音が続く。先行EPの一つである"Newwave Project #2"は展開は抑制してミニマルでハウシーなグルーヴで踊らせるツール系の曲だが、そういったところはダンス・フロアを忘れないKuniyukiらしくもある。ブレイク・ビーツ系のざらっとしたエレクトロのリズムとヒプノティックなシンセを用いた"Blue Neon"、アシッド・ハウスを更にインダストリアル的に歪ませたような"Mind Madness"、ニューウェーブとジャズが融合したような奇怪なリズムを見せる前衛的な"Puzzle"などは、このプロジェクトだからこその挑戦が強く打ち出た曲だ。Kuniyukiの既存のオーガーニックでメロディアスな路線とは異なるこのプロジェクト、異色を感じはさせるがやはりライブでこそ映えそうな曲質は、そこもKuniyukiらしい音楽性があり是非ともフロアで体験すべきだろう。



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| TECHNO13 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Inner Science - Assembles 9-12 (Terminal Dream)
Inner Science - Assembles 9-12

ヒップ・ホップをルーツにサンプリングと多様なリズムを打ち鳴らすドラムマシンを用い、そして岩清水のような綺麗な透明感のある電子音を散りばめて色鮮やかに躍動するダンス・ミュージックを制作する西村尚美によるInner Science。彼にしか成し得ない個性的なダンス・ミュージックの本流と共に、近年は「Assembles」なるシリーズを立ち上げて精力的にその方向性を推し進めている。このシリーズは彼固有の電子音の響きは用いながらもそれを異なる方面から展開し、また表面的なリズムからの解放を推し進め、抽象的なコラージュ/エディット・サウンドで独自のアンビエントを引き出す事に成功している。さてそのシリーズの新作は自身のPlain Musicからではなく、ロシアはモスクワの新興レーベルであるTerminal Dreamからのリリースとなった。何でもレーベルに音源を送ったところ即座にOKを貰いリリースに至ったそうで、結果的にはこれを契機に海外への普及にも繋がる事に期待をしたい。普段の作風とは異なり、いや寧ろ自覚的に同じ事の積み重ねにならないように積極的に抽象性を突き詰める「Assembles」シリーズは、確かに一聴して掴み所はなさそうで手の平からするすると零れ落ちてしまいそうな程に自由度が高い。スクラッチや逆回転を思わせる効果、左右に極端に振れるパン、ミニマルとは真逆の流動性と、全編通して一時として同じ瞬間は感じない程だ。また目立ったビートは殆ど鳴っていないものの一つ一つの電子音の連なりがリズムとして機能しているようにも思われ、大胆かつ流れるような旋律によって静かなる躍動感へと繋がり、決して落ち着いたアンビエントに収まるでもなく生き生きとした生命力さえ感じさせる。そう、音が生きているように変化し奇妙なコラージュ・サウンドとなっているのだが、そこに突き放す難しさは無く寧ろ色とりどりの宝石がぶつかり合って弾けるような色彩感や美しさがあり、音の一つ一つに魅了されるのはInner Scienceの普段の音使いが発揮されているからだ。音そのものとの戯れ、響きへの遊び心に溢れた定形の無いコラージュは良い意味でBGMとして機能し、無意識的にアンビエントとして作用する。オプティミスティックで気持ちの良い電子音、ただそれに尽きる。



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| TECHNO13 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
David Alvarado - Machines Can Talk
David Alvarado - Machines Can Talk
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前のアルバムから実に13年ぶり、通算4枚目となるアルバムを完成させたDavid Alvarado。近年はOvum Recordings等から極僅かながらもEPをリリースする程度の活動で日本への来日も過去に一度だけと、少々地味な存在のために注目される事は少ないが、DJ/アーティストとしてもっと評価を受けてもおかしくはない。かつてPeacefrog RecordsやNRK Sound Divisionからリリースしたアルバムは深い残響と弾けるパーカッションが爽快で、ミニマルな展開を軸にしたダビーなテック・ハウスとして実にフロア受けの良い楽曲性があり、また数枚のMIXCDでは前述の音楽性からプログレにデトロイトからソウルフルなハウスまで使い分けてグルーヴィーなプレイを披露している。海外では幾らかは日本よりも評価は高いのだろう、事実彼が手掛けた曲は多くのMIXCDに用いられている。さて、それはさておき久しぶりのアルバムは、どのレーベルに属す事もなく配信のみでリリースされている(極限定でアナログもあったようだが)。その意味ではレーベル性に束縛されずに自身が本当に作りたい音楽であろうと推測出来るが、過去の音楽に比べるとやや変化は感じられる。始まりの"Translat"こそ静謐さが広がるアンビエントかつダビーな音響に、静かな中にも壮大なテック感が感じられるが、続く"Gabriel's Run"も確かに奥深い残響やパーカッシヴなリズムは息衝いているが、ギラギラした上モノはプログレッシヴ・ハウス的にも思われる。颯爽と小気味良いグルーヴに浮遊感があり幻想的な上モノに覆われていく"Hope Between The Lines"はかつての作風にも近く、エモーショナルと言うかドラマティックと言うかスケール感の大きさが際立っている。一方で"Language"はリズム感が平坦に続く展開に、光沢感あるシンセのシーケンスでじわじわと盛り上げていく構成で、流れを適度に抑制しながら持続感を打ち出す事で既存の作風からの変化が汲み取れる。"Machines Can Talk"も同じタイプの曲で快楽的なシンセのフレーズはほぼプログレッシヴ・ハウスであり、重いキックは弾けるパーカッションで揺らすのではなく、耳に残るメロディーで恍惚を誘うタイプだ。そういった点で以前よりも浮遊感や開放感よりもシンセのメロディーや響きに重きが向いているように思われ、また全体的にダビーな残響に頼り過ぎる事なく躍動感を程よくコントールして落ち着いた雰囲気も持たせた点には、ある意味ではアーティストとして丁寧に聞かせるタイプへの成長と捉えられなくもない。ここまで随分と待たされ過ぎた感は否めないが、大人びたDavid Alvaradoの今がここにある。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Shed - The Final Experiment (Monkeytown Records:MTR069CD)
Shed - The Final Experiment
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Ostgut TonやDelsin等からのテクノ、自身で主宰するPower HouseからはWK7やHead High等の変名を用いてブレイク・ビーツを基調にしたレイヴサウンドを披露し、DJではなくライブアクトとして名を馳せるRene Pawlowitz。そこにはデトロイト・テクノからアンビエント、ベース・ミージックからダブ・ステップにドラムン・ベースまで飽くなき欲求の如く様々な音楽を実験的にも取り込み、フロアを震撼させる曲を創り出してきた。元々多くの変名を用いて活動しているだけに作品数も多いのだが、この数年は過去に比べるとやや生産性は鈍っていたように思う。そんなところにShed名義としては5年ぶりに通算4枚目となるアルバム『The Final Experiment』が届けられたのだが、この自身で立ち上げたレーベル名を冠した点からも何か意気込みのようなものは感じられる。ノンビートを軸に壮大なシンセを用いてシネマティックに仕立て上げた"Xtra"からアルバムは始まり、その後の爆発的な展開を予感させる。事実そこに続く"Razor Control"からして撹拌させられるような荒々しいブレイク・ビーツを用いつつ、揺らめくようなスペーシーな上モノが抒情性を発し、この時点で溜まったエネルギーが爆発しそうだ。そしてローリングする厳ついブレイク・ビーツが走る"Outgoing Society"は、しかし一旦勢いを抑えるように穏やかなパッドに包み込まれて、ふわふわと揺らぐような心地良いダンス・トラックだ。アルバムというフォーマットを活かして中間には"Extreme SAT"のようにビートが消え去り、その代わりにIDMを思い起こさせるインテリジェンス・テクノ的な洗練された曲もあり、実に展開にそつがない。そこからも弾けるビートが連打されるツール的な"Flaf2"や、剥き出し感のあるリズムに叩かれながらもデトロイト・テクノ的なエモーション炸裂するシンセが展開する"Taken Effect"など、あの手この手で全く飽きさせる瞬間がない。他にもアンビエントやベース・ミュージックにレイヴ風まで、つまりは既存のShedやHead Highとしての音楽を踏襲するものであり、その意味ではファンが安心して聞けるアルバムになっている。4つ打ちではなく変則的なビートによる揺らぎ、感情を秘めるのではなく前面に押し出したメロディー、肉体を刺激するグルーヴなど、最早Shedの十八番と呼んでもよいくらいだ。しかし様々な名義を持つ彼にとって、WK7やHead HighとこのShedとの違いは一体何処にあるのかという疑問と、また作風がおおよそ確立された事で新鮮味は薄くなってきているのも事実だ。アーティストとして期待しているからこそ、もっと前進出来るのではという思いもある。



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Powder - H (CockTail d'Amore Music:CDA017)
Powder - H

日本から世界へ飛び立った若かりし、そして女性である事以外には詳細もあまり伝わってこないミステリアスな存在であるPowderは、日本に於ける次世代の期待の星だ。2015年にESP Instituteからデビューし、そこからBorn Free Recordsから2枚のEPもリリースして既に海外で高い評価を獲得しているが、テクノでもありハウスでもありポップかつ奇妙な雰囲気や豊かなメロディー感を持った多様性が彼女の武器だろう。勿論そんな風変わりな曲ではあっても、根底にはフロアに根ざした機能性を含んだダンス・ミュージックである事があり、単に奇抜なだけで評価をされているわけではない。さて、新作は何とも可愛らしくユーモア溢れたハート型お尻のジャケットが目を引くが、曲名も全て「H」で始まるなどややコンセプチュアルなように見受けられる。曲自体のユーモアと言うか奇天烈な印象もいつも通りで、乾いて無機質なパーカッションの連打やアシッド風なサウンドを中心に空虚ささえも漂うマシングルーヴを刻む"Hip"、何だか初期シカゴ・ハウスの安っぽくラフな感がありながらもトリッピーな鳴りをしている。逆に"Heart"はディスコ・テイスト溢れる豊かさがあり、印象的に耳を引き付けるベースラインが走りコズミックなSEや過剰なシンセも用いて、イタロ・ディスコ的なギラツキ感溢れるダンス・トラックがハイエナジーで快楽的である。B面は特に強烈なトラックが収録されており、インダストリアルな雰囲気を持つ"Hole"はドロドロしたベースラインと破壊的なリズムが硬質に響き、大きな変化を見せる事なく音の抜き差しでじわじわとハメていく不気味な曲だ。最後には変則的なリズムと膨れ上がったベースが押し寄せるようなハイエナジーなディスコ・ハウスらしき"Hair"が、しかしこれは非常にサイケデリックで意識をくらくら惑わせる。どれも異なるタイプの曲はPowderの多様性を示しているが、その上でどれもフロアで間違いなく受けるであろうダンス・ミュージックとして一貫し、本作によってPowderのトラックメーカーとしての実力が最早疑いようのないものである事を確信した。



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Various - Dreamy Harbor (Tresor Records:Tresor.291CD)
Various - Dreamy Harbor
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テクノ帝国ドイツにおける元祖ベルリン・テクノと言えば何を置いてもTresor Recordsである事に疑いようはなく、デトロイトとベルリンの交流を成功させ1991年以降浮き沈みの激しいダンス・ミュージックの流れの中を生き抜き、今もストイックな活動を続ける伝統的なレーベルかつクラブだ。流石にレーベルとしての活動の長さ故に確かにクラシックと呼ばれる作品を多くは残しつつも、最近はやや往年のテクノというイメージが拭えないものの、今も尚ベテランから新鋭まで抱え込み大量に作品をリリースするテクノの工場のような運営はなかなか他にはない。そして2016年はレーベルにとって25周年となる年だったが、その記念の一環としてリリースされたコンピレーションが本作だ。既発の曲から完全なる新曲まで、テクノの歴史に名を残すベテランから新世代まで、選曲から意図は読み取れないもののこれぞテクノだと誇らしげに紹介出来る曲ばかりを纏め上げている。例えば正に前述のデトロイト×ベルリン的なJuan Atkins & Moritz von Oswaldによる"Electric Dub"、デトロイトのコズミックな宇宙感とベルリンのダブ・テクノの融合は非常にTresorらしくある。こちらも生粋のTresor組のTV Victorによる"La Beff"は96年作で、何だかアフロで土着的にも聞こえるリズムの爽やかなダブ的処理が心地良く、ダンスではなくリスニングとして催眠的な効果が感じられる。元々は廃墟となったデパートを利用したクラブであったTresorの雰囲気は、例えばMarcelusによる凍てついた温度感と錆びついたような金属的な鳴りのするテクノな"Odawah Jam"からも匂ってくるようで、このようなダークなテクノがベルリンらしさの一部でもあったと思う。勿論本作には新世代も参加しており、Tresorとの関連性は余り無い筈だがイタリアの人気アーティストであるDonato Dozzyが暗くもトリッピーさを活かした覚醒感抜群の"The Night Rider"を提供し、コンピレーションに新しい息吹をもたらしている。他にもShaoやMonicなどTresor新世代、または70年代後半から活動するワールド・ミュージックのJon Hassellらが曲を提供しており、本コンピレーションの曲調に特に一貫性はないものの言われればTresorらしさは感じられなくもないか。Tresor世代の人にと言うよりは、これからテクノを聞く若い世代にテクノの入門としてお勧めしたくなるアルバムだ。



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| TECHNO13 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
R406 - Chiba Boy #3 (Select Kashiwa Recordings:SKR-03)
R406 - Chiba Boy #3

デトロイト・テクノ愛を公言するYonenegaとZarigani.Rec名義でも活動しているChick Tack Coreaによる千葉のユニット、それがR406。2015年にはYonenagaによってSelect Kashiwa Recordingsが始動され、その音源は来日した際にDerrick Mayに手渡される事によりDerrickがフロアでもプレイする事で少しずつ認知されつつあるが、それは単に有名なDJがプレイしたからと言うだけで評価されるべきではなく、R406のデトロイト・テクノへの敬意とそこからの未来への眼差しがある事を理解した上で評価すべきだろう。本作はレーベルにとって3作目となるが、当初はデトロイト・テクノに固執するが故にやや古臭さもあったの否めないが、リリースを重ねるに連れて徐々にモダンなダンス・ミュージック性も兼ね備えて進化しており、この新作も今という時代にもしっくりとハマるエモーショナル性抜群のテクノになっている。"Twilight and Shadow"は音の数を絞りながらも抜けの良いタムや重低音が強調され、すっきりとしたキレのあるリズムが明瞭に浮かび上がる軽快なテクノで、近未来感のあるシンセのフレーズを用いてじわじわと持続感のある展開で引っ張っていく。ゴリゴリっと躍動感溢れる強いグルーヴが走る"Life"は、しかし美しいコードや繊細な電子音が散りばめられてディープな雰囲気はありながら、熱狂的なフロアの中で鳴るような劇的なエモーショナル性もある。B面にまるまる収録された"Walking On The Cloud"は8分にも及ぶ大作で、フロアでの機能性とデトロイト・テクノの叙情感を上手く取り込んだ曲で、やや荒々しいキックや鋭いハイハットによる滑らかなビートが走っており、そこに流麗で幻惑的なシンセのフレーズやSF感のあるパッドを用いてゆっくりと焦らずにドラマティックな流れを生んでいく。ビートの抜き差しも用いて動静/緩急も入れる事でより一層盛り上がりは強くなり、まるで暗闇が広がるフロアの中で星の瞬きのような美しい鳴りをした曲だ。作品を出す毎に着実にステップアップを重ね、最早デトロイト・テクノのフォロワーという以上に、R406の音楽性が確立されてきているように思う。尚、レーベルの4作目としてなんとHiroshi WatanabeとYonenagaのスプリット盤が予定されているそうで、アーティスト・レーベル共々期待すべき存在だ。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ryo Murakami - Esto (Bedouin Records:BDNLP 002)
Ryo Murakami - Esto

孤高の存在、いや隠棲的と呼んでもよいか、もはや踊らせる事を前提としたダンス・ミュージックに執着する事もなく我道を突き進むRyo Murakami。覚えているだろうか、かつてはPoker Flat RecordingsやQuintessentialsなどから洗練されたミニマルなディープ・ハウスをリリースしていた事を。しかしそれももはや忘却の彼方、2013年作の『Depth Of Decay』から突如ダンスビートからの脱却を図り、インダストリアルやドローンを含む抽象的な音響テクノへと転換した事で完全なるオリジナティーを確立し、音楽に対して自由である事を謳歌している。本作は2015年にリリースされたアルバムに続いて同様にアラブ首長国連邦のBedouin Recordsからリリースされた2016年作であり、彼にとって3枚目のアルバムとなる。RAの記事によれば「本人によると、タイトルの『Esto』はエスペラント語で「存在」を意味し、全11曲の曲名は、今思うことや感じたこと、願いや希望、絶望などを断片的に切り取った単語で構成」されているそうで、つまりはよりパーソナルな作品と考えられるだろうか。勿論音楽的に大きな変化があるわけではないが、しかし闇が支配しながらも前作よりは音の響きが生っぽいというかよりライブ感を得ているように思われる。始まりの"Pray"、祈りというタイトルにしては呻き声のような電子音から始まり不気味で宗教的な重苦しさがあり、不協和音のような音響が空間を捻じ曲げていく。膨れ上がる低音、闇を切り裂くメタルパーカッションによるヘビーでドローンな"Divisive"は静かに始まったかと思えば、途中から金切声のような電子音が雄叫びを挙げてインダストリアルな世界へと突入する。しかし続く"Thirst"はディストーションを効かせたギター風な電子音のノイズが持続するも、音の密度が減る事で途端に開放感へと向かい闇から這い出たような雰囲気さえも。が"Fanatical"では潰れたような生々しいドラムに錆びたメタルパーカッションが入ってきて、テンポを更に極限まで落としたドゥーム・メタルのようなダウナーさだ。B面に移るとより表現は豊かになり、痺れるような電子音の持続にピアノが滴り落ちてきて悲哀のムードになる"Doom"、意外にも小刻みに動き回る電子音が用いられて躍動的な動きのある(それでも尚重苦しくはあるが)"Sun"、グリッチ音のような音を用いつつも弦楽器風な音や錆びた電子音など様々な音を用いてエレクトロニカ的でありながら殺伐とした荒野が広がる"They Know"など、確かに感情表現が今までよりも前面に出ているように思われる。決して軽々しく聞き流せるような音楽ではなく非常に神経質的ではあるが、ノイズやフィードバックには繊細さもあり、この重圧を含む音楽は全身で音を浴びる事の出来るライブでこそ真価を体感出来る筈だ。音源を聞いて興味を持った方は、是非とも現場に足を運ぶべきだろう。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Miruga - Atmospheric EP (Foureal Records:FOR001)
Miruga - Atmospheric EP.

デジタルのみで、そしてベテランから新鋭まで日本人のみに焦点を当ててリリースを行ってきたShinya Okamoto主宰によるFoureal Recordsが、遂にヴァイナルでの制作を始動させた。デジタル配信が拡大する時代の中で、一部のレーベルは逆にヴァイナルのみのリリースに拘るなどこれは制作側にとってはある種の憧れにも近いのだろうが、当然リスナーにとってもヴァイナルで出す事の意味はそれなりの期待や品質の保証と捉えており、Foureal Recordsにとってはここからが新たなるステージの始まりを示唆しているようだ。ヴァイナルの第一弾には過去に同レーベルからもリリース歴のあるMiguraが抜擢されており、Ethereal SoundやBalance MusicにRough House Rosie等著名なレーベルにも作品を提供した経歴がある実力者である。ややエレクトロニックでハード目のテクノから情緒的なディープ・ハウスにジャジーなグルーヴまで作品毎にややスタイルを変えるが、基本的にはどの曲にもエモーショナルな響きを込められている。本作はややテクノ寄りな質が強いだろうか、"Predic"は硬めでダビーなパーカッションが空間を切り裂くような刺激があり変則的なビートで揺れる曲だが、浮遊感を伴い薄く伸びるようなパッドや美しいシンセのサウンドはひんやりとしながらも情緒的で、胸の内にソウルを秘めたように慎ましくもある。"Nature Drop"もダビーなパーカッションが奥深い空間の広がりとハードな響きを感じさせるが、キックはどっしりと地面に食い込むような安定の4つ打ちを刻んでおり、音響系のダブ・テクノと叙情性のディープ・ハウスが混ざりあったような爽快な曲だ。膨らみのあるキックと激しく打ち鳴らされるパーカッションによって疾走感を得る"Circle"、これももやもやとした幻想的なパッドが淡い情感を感じさせ、激しさの中にもMirugaらしいエモーショナル性が込められたテクノだ。レーベルの紹介ではオープンエアの朝方からクラブパーティーの早い時間帯向けとなっているが、確かにピークタイムの狂騒の中でと言うよりは成る程じっくりと耳を傾けて聞いて欲しい音楽性がある。



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| TECHNO13 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Esteban Adame - Descendants EP ( Epm Music:EPM15V)
Esteban Adame - Descendants EP
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Galaxy 2 GalaxyやLos Hermanosなど伝説的なユニットの一員として、また自身が手掛けるプロジェクトのIcanやThee After Darkとして、鍵盤奏者の力量を発揮し活動を続けるEsteban Adame。当然彼が手掛ける作品も単なるツール的な音楽と言うよりは、鍵盤奏者としての才能を感じさせる展開の広さや流麗なメロディーを活かした作風が多く、テクノにしてもハウスにしても、またはフュージョン性を打ち出した音楽でもデトロイトのエモーショナル性を前面に出たものが多い。久しぶりとなる新作の"Descendants"も彼の作品にしては随分と弾けるようなキックやキレのあるパーカッションが疾走するテクノ色の強い曲だが、そこに入ってくる伸びのあるシンセやコズミックな電子音の煌めきが感情性豊かに広がり、デトロイト・テクノらしい希望に満ちた世界観を作り上げている。全く情報が見つからないTresilloなる新鋭による"Tresillo Remix"は、原曲の飛翔していくような感覚に比べるとしっかりと地に根を張るように重心は低く安定感があり、切り刻まれるような規則的なハイハットの下ではうねるベースラインが躍動し、ややダークな空気を纏った夜のテクノを匂わせる。しかし本作で多くの人が注目するであろうのはデトロイト・テクノの始まりであるJuan Atkinsによる"(Juan Atkins Remix)"であるのは間違いない。これこそ正にAtkinsが得意とするエレクトロ・スタイルであり、痺れるような重低音のベースに鋭利なキックやハイハットのリズム帯が強調された攻撃性があり、しかしそこには広大な宇宙の深さが広がるコズミックかつエレクトロなピコピコサウンドも大胆に導入され、古き良き時代のデトロイト・テクノの現在形としての形も成している。言われなければ分からない程に完全にAtkinsの作風に染まっており、近年の活発な音楽活動が実っているいる証拠だ。



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| TECHNO13 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |