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Hugo Mari - Change Ur Ways (Heist:HEIST 035)
Hugo Mari - Change Ur Ways
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Max GraefにNachtbrakerやNebraskaら強力な新世代アーティストを擁するハウス系レーベルのHeistから見知らぬアーティスト名であるHugo Mariの初の作品がリリースされたが、ネット上で調べてみるとどうやらOmenaやXVI Recordsから作品をリリースしているロンドンの新鋭・Booksの本人名義での活動のようだ。前述のレーベルからの作品ではサンプリングを用いながら生っぽさも残してディスコティックな雰囲気のあるハウスを聞かせており、一聴して耳を惹き付けるキャッチーなメロディーの魅力もあって、既に人気DJからもサポートされているという。そして新作はHeistからとなれば、このレーベルが既に実力ある多数DJを輩出しているのだから、もはやHugo Mariの実力もお墨付きというものだろう。レーベルとしてはブギーでブラック・ミュージック性も強い音楽性もあってか、この新作は以前にも増して生々しく黒さが発せられている。特にそれが顕著なのは"Get Loose"で生っぽくざらついた4つ打ちのリズムに大きくうねるベースラインを強調したトラックに、艶めかしいソウルフルな歌や官能的なトランペットやピアノも加わってジャジーでブラック・ミュージックらしく展開するこの曲は、例えばMoodymann辺りが好きな人にも響くに違いない。"Change Ur Ways"はもっと分かりやすいハウス・ミュージックで骨太で硬いキックが地面に突き刺さりつつ、同じく薄っすら繊細なピアノやトランペットが色気を滲ませ、強いグルーヴで跳ねながらもエモーショナルな芳香が沸き立っている。"Can You Feel Your Senses?"はやや湿り気を帯びた音質のビートと感傷的なシンセのコード展開を用いて、そこに入ってくるダビーな呟きが儚さを演出し、EPの中でも最もメランコリーでソウル性の強い曲調になっている。そして特筆すべきはデトロイト・ハウス方面でアンダーグラウンドな活動を行っているKai Alceがリミキサーとして参加している事で、"Get Loose ft. Zodiac (Kai Alce NDATL Mix)"は原曲の雰囲気を殆どいじってはいないものの、原曲が多少ディスコやファンク寄りだとしたらリミックスはより滑らかな流れや質感を持ったディープ・ハウスとして丁寧に磨きをかけられており、デトロイト・ハウスとしての情熱的な温かみが増している。どれもソウルフルで心に訴えかけてくる感情性の強さがあり、アーティストとして一目置くべき存在だ。



Check Hugo Mari
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
&Me - In Your Eyes (Pampa Records:PAMPA 032)
&Me - In Your Eyes
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フロアに寄り添いながらもユニークな音楽性があり、そして独創的な奇才が集結するPampa Recordsの新作は、近年知名度を高めているベルリンのアーティストであるAndre Boaduこと&Meによるもの。最近特に&Me名義で名を見かけるように感じるが、元々TerranovaやNR&などのユニットでも活動するベテランでありそれを考慮すると才能は疑うべくもないが、&Me名義ではミニマル性の強いドラッギーなテック・ハウスを手掛けて更に人気を獲得しているようだ。そしてPampaからは初となる本作はその奇妙なレーベル性に対しては意外にも大箱受けするのは間違いなしの壮大なテック・ハウス仕様で、例えばInnervisionsを思わせる荘厳な美しさも含む深遠な曲調が素晴らしい。すっきりとしたハウスの4つ打ちから始まり徐々に闇の中に浮かび上がってくる繊細なピアノが特徴的な"In Your Eyes"は、ダークで快楽的なシンセも螺旋階段を上り詰めるようにループし、その2つの旋律が絡み合いながら妖艶かつドラッギーな世界を創り上げる。壮大ではあるが激しく揺さぶるでもなくミニマルな流れが基調となり、ずぶずぶと闇の中に埋もれていくような快楽性は、間違いなくパーティーのピークタイムにも最適な曲だ。一方でシャリシャリとした粗いハイハットが際立ちしっとりしたキックが安定したグルーヴを作る"As Above So Below"は、点描の如く妖艶な電子音を配置しながらトリッピーな電子音響も織り交ぜて、そして鈍い電子音のリフも加わってくるとサイケデリック性を増してよりディープに潜っていく。ミニマルな流れは変わらないものの、空間に音が幻想的に消失していくブレイクもあり、静かにドラマティックな演出がある構成もフロアで映えるだろう。どちらも8分越えのスケール感が大きい作品、激しいビート感で踊らすのではなくヒプノティックな音の響きによる表現で魅了する豊かな曲で、流石Pampaからのリリースといった内容だ。



Check &Me
| HOUSE13 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Trinidadian Deep - Native Revolution (Visions Inc:Visio019)
Trinidadian Deep - Native Revolution

Alex Attias主宰のVisions Incの新作はUSからフュージョン・ハウス/ディープ・ハウスを一心に追求するTrinidadian Deepによるもの。Visions Incの音楽性は90年代のBeatless名義での活動、そして00年代に入ってからも西ロンのブロークン・ビーツやフューチャー・ジャズの隆盛に貢献したAttiasの音楽性そのもので、つまりはオーガニックとエレクトロニックの調和、そしてテクノやハウスにジャズやソウルにファンクなど様々な要素が詰め込められており、音の響きやリズムのフォームの豊かさが秀でている。そんなレーベルに対しTrinidadian Deepはアフロパーカッシヴなグルーヴにアンビエントな感覚もあるディープ・ハウスを全くぶれる事なく手掛けており、その意味ではVisions Incの広範囲な音楽性の中に収まっている点での相性の良さはおおよそ想像されるが、しかしやはりTrinidadian Deepの作品はどこのレーベルからリリースされようともTrinidadian Deepとしか呼びようのない音楽になってしまうのは、もはや職人芸か。アフロで抜けの良いパーカッションのリズムから始まる"Native Revolution"、そして直ぐに透明感のあるシンセの麗しきコード展開も加わり、艷やかなシンセソロやエモーショナルなオルガンのソロも入ってくれば、それは完全にTrinidadian Deepの豊かな情感が溢れる土着的なアフロ&フュージョンなディープ・ハウス。ドスドスと地面を揺らす力強いグルーヴに支えられ、優雅に舞い踊るシンセの旋律は美しく、果てしない大空を飛翔するように疾走するハウスはフロア志向ながらも機能性だけでなく感情に訴えかける要素も含んでいる。よりリズム感が強調されているのが"Native Tribe"で、カラッと乾いたパーカッションがリズムを構成し、そこにダビーな声のサンプルやミニマルなシンセのリフで引っ張っていくよりオーガニック性が打ち出たアフロ・ハウスは、しかし土着的でありながら浮遊感伴う軽さによってアンビエントな空気も含んでいる。ディープ・ハウス、トライバルといった音楽性にふんわりとしたアンビエンス性も持ち込んだ作風はTrinidadian Deepの特徴であり、そういった点から見れば本EPの2曲も正にTrinidadian Deepの典型的な作風だろう。毎度金太郎飴的な作品と紹介するのは申し訳なさもありつつ、しかしそれだけ自身の音楽性を築き上げていると考えれば、その意味では信頼に足るアーティストなのだ。



Check Trinidadian Deep
| HOUSE13 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Project Pablo - Come To Canada You Will Like It (Verdicchio Music Publishing:VMP 001)
Project Pablo - Come To Canada You Will Like It
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淡い色彩の水彩画は長閑な田舎の風景か童話の中の世界か、兎にも角にもそのジャケットからして牧歌的な雰囲気が伝わってくるアルバムを手掛けたのはカナダはモントリオールのPatrick HollandことProject Pabloだ。2014年頃からリリースを開始し1080pやTechnicolourにLet's Play Houseと早くから人気レーベルのカタログに名を連ね、作品によってグルーヴィーなディープ・ハウスから粗さの残したロウ・ハウスにメロウなフュージョン風までありどれが軸なのか掴めない所もあるが、レトロな雰囲気は昨今の懐かしさが満ちたシンセウェイヴの一環と考えても良いだろう。そして本作、田舎のスローライフな生活にインスパイアされて制作したそうで、確かに以前よりも更に真夜中の力強いダンス性から離れて、ジャケットの世界観からおおよそ想像出来るような素朴でリラックスしたリスニング志向の曲が中心になっている。アルバムは淡い水彩画をぼかしたようなシンセのメロディーのみが朗らかな風景を描く1分弱の"Intro"で始まり、続く"No Interest"では生っぽいざっくりとしたドラムが優しくリズムを刻む上に柔らかいピアノやシンセが非常に簡素なメロディーを被せて、忙しない都会から遠く離れた地の長閑な田舎風景を描き出す。"Rent Day"ではメリハリのあるジャジーなリズムが躍動しながら透明感のあるシンセも動きを作り、小洒落たフュージョン風かジャジー・ハウスかといった趣きだ。"Tunstall"になるとややリズムは軽快に跳ね出しハウス寄りなビートを刻むが決して強迫的な雰囲気はなく、やはり遠い風景に溶け込むようなシンセや素朴なホーンの音色に色彩がぼかされて、昼間の心地好いうたた寝を誘う。"Nanana"も更にからっと硬いキックが安定したハウスのグルーヴを刻み切ないシンセでぐっと情感を強めて、Project Pabloの以前から見受けられるダンス性とメロウ性が率直に伝わるであろう曲だ。ハウス調に寄ったかと思えば、また終盤では変則ビートにダブワイズな音響で空の広がりを感じさせる"It's Okay That It's Like This"や、まったりとした温かみのあるベースラインと牧歌的な鍵盤にしっとりさせられるダウンテンポの"Fine Match"で、切なさが心身に染みていくようなメランコリーを強めてアルバムは幕を閉じる。全くクラブ・ミュージックとしてのビートや雰囲気が無いというわけでもないが、しかしやはり日が照る日中の時間帯、そして緑の木々が生い茂る田舎でののんびりした生活を喚起させるのは、Pabloが触発された世界が見事に投影されている事を示す。忙しない日常の中でほっと一息つく事を約束するリラクシング・ミュージック、あっという間の40分。



Check Project Pablo
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Mildlife - Mildlife Remixed (Research Records:RREP01)
Mildlife - Mildlife Remixed
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オーストラリアはメルボルンから2018年にデビューしたばかりの4人組バンドであるMildlifeは、ジャズやファンクにディスコといったジャンルを咀嚼した新世代バンドで、既にデビューアルバム『Phase』が高い評価を獲得しているようだ。そんな作品からクラブ・ミュージック側からのアプローチとしてリミックスEPがリリースされているが、同郷であるオーストラリアからはTornado WallaceにSleep D、そしてスウェーデンのMount Liberation Unlimitedがリミックスを提供しているのだから、もしMildlifeというバンド自体に知識は無くともダンス・ミュージック側からすれば少なからず興味を惹くような作品だろう。注目はWallaceによる"The Magnificent Moon (Tornado Wallace Remix)"だろうか、普段は比較的トリッピーでバレアリックな作風もある彼だが、ここではブレイク・ビーツを用いながらも原曲のメロウな雰囲気を忠実に引き継いでいる。しなやかでグルーヴィーなキックやパーカッションが持続し大海原を揺蕩うようにリラックスしながら、そこに叙情性のあるシンセのメロディーやコズミックな電子音を展開して、永続的な心地好いムードに浸るディープ・ハウスは見事なりミックスだ。Sleep Dによる"Im Blau (Sleep D Remix)"はスローモーながらも強烈なサイケデリアを発する怪作で、毒々しく快楽的なベースラインのシーケンスに浮遊感や残響のある効果音を散りばめてひたすら中毒的な恍惚状態へと導いていくトランシーなハウスは、パーティーに深い時間帯にもはまるであろう。そしてリエディットと冠された"The Gloves Don't Bite (Mount Liberation Unlimited's Re-Edit for the Dancefloor)"は正にその通りで原曲の雰囲気を損なう事はなく、生っぽさを残したディスコ・ダブ調にダンスフロアの4つ打ち色を強めて全体を綺麗に整えたような曲調で、しかしながらよりメロウネスは際立って11分もの大作は全く間延びしていない。三者三様、それぞれのアーティストの個性が発揮されながらどれもダンストラックとして機能しており、これならばもしMildlife自体を知らなくても十分に楽しめるリミックス盤なのだから、何はともあれ先ずは聞いてみて欲しい。



Check Mildlife
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Yuri Shulgin - Animal Planet (CockTail d'Amore Music:CDA024)
Yuri Shulgin - Animal Planet

かつてMistanomistaを名乗っていたロシア系アーティストのYuri Shulginは、多数の楽器演奏も行うマルチプレイヤーらしく生っぽくライブ感あるディープ・ハウス/ビートダウンな作風で注目を集めていたが、近年はYuri Shulgin名義においてジャズっぽさは残しつつもヒプノティックな電子化を強めて、アシッドやオールド・スクールな感覚も持ち込んだ作風でより現代的なダンス・トラックの方向へと進んでいたように思う。その音楽性が決して間違っているとは思っていないが初期の作風に思いがあった当方としては、またMistanomista路線は復活してくれないものかという思いもあった。そんな中でベルリンの独創的な新世代テクノ/ハウスを送り出すCocktail D'Amoreからリリースされた新作は、彼らしいライブ感と共に確かにレーベル性の変異体ディスコを継承した奇抜な音楽性に溢れており、アーティストとして一皮剥けた成長を果たしている。タイトル曲となる"Animal Planet (Main Mix)"は近年の作風通りにアシッドのベースラインやカタカタとしたTR系のリズムを用いているが、それによって懐古的なオールド・スクールに向かう事もなく、爽快に響くタムと共にトリッピーな効果音や自由に躍動するフュージョン風なシンセのメロディーが鮮やかな色彩感覚を生み出して、ヒプノティックなモダン・ディスコとでも呼ぶべき作風を確立させている。"Boogie Space"もドタドタとしたドラムやアタック感の強いシンセタムが辿々しくもライブ感溢れるグルーヴを生んでおり、そこに捻れるアシッド・サウンドや奇抜な電子音が飛び交い、古き良き時代がアップデートされたシンセ・ファンクな作風はShulginの演奏力に裏打ちされているようだ。"Walking"になるとギターや管楽器も有機的な絡み合いながらよりジャズやファンクの要素が打ち出され、Mistanomista名義の作風を思い起こさせたりもする。"Dubby Body"はキックが入らずにスネアやハイハットで軽いビート感に合わせ、ヒプノティックな電子音響が続き抽象的な展開でただただディープな世界観を構築する異色な曲だが、その分だけ深い音響によって酔わせられるようだ。CockTail d'Amoreからリリースされただけあってそのトリッピーなディスコ/ファンクな作風は、なかなかな個性を放っている。



Check Yuri Shulgin
| HOUSE13 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Obas Nenor - Warm Yellow Stickers EP (Nenorion Music:NEN 003)
Obas Nenor - Warm Yellow Stickers EP
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2015年にStrictly RhythmやMahogani Musicから鮮烈なデビューを果たしてから既に3年、その間にHeistやWhiskey Disco等からも作品をリリースして人気アーティストの仲間入りを果たしているイスラエルのObas Nenor。新作は自身で運営するNenorion Musicからとなるが、本作は過去の作品とは異なりサンプリングに頼らずに制作を行ったようで、そのおかげかハウスが軸にありながらも以前よりもディスコやブギーの要素が強く打ち出たブラック・ミュージック色濃厚な作品になっている。"Everybody"は陽気なコーラスにファンクなギターカッティングやうねるベースラインの生っぽい質感がディスコ色を強めるハウスで、遊び心溢れるシンセや電子音も随所に挿入されて、肩の力が抜けたビート感ながらも嬉々としたポジティブなノリはパーティーの朝方にはまりそうだ。"Movin'"もムーヴィンという歌をループさせながらずんずんとしたブギーなグルーヴ感に、イタロ・ディスコ的な派手でゴージャスなシンセ使いで、ディスコ寄りながらも現代的な作風はニューディスコと呼ぶべきか。ガヤガヤした声のループから始まる"Warm Yellow Stickers (Part I&II)"の雰囲気はややMahogani Musicのハウストラックを思い起こさせる点もあるが、そこからブギーに主張のあるベースラインや艶のあるシンセのメロディー、そしてボコーダーを通した呟きも導入してくるとP-Funkのゴージャスながらも雑然とした曲調を思い起こさせ、9分にも渡って終始ノリの良い展開を行いDJツールとしての以上の豊かな作風が成立している。Jenny Penkinをフィーチャーした"Wrapped In Plastic"はベーシックな歌モノハウスといった様式だが、やはりファンキーなギタや麗しいシンセの使い方にはディスコの要素も見受けられ、本EPでは原点回帰ともとれるディスコへの愛情がはっきりと感じ取れる。



Check Obas Nenor
| HOUSE13 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
S3A - Mountain Charr (Eureka!:ERK003)
S3A - Mountain Charr
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ハウス・ミュージックのパーティーとして台頭しているEureka!は、特にスウェーデンを代表するハウス・レーベルのLocal TalkのDJ/アーティストを積極的に日本において紹介し、更にはEureka!はレーベルへと進化して曲のリリースをするようにまで躍進を果たしている。中にはLocal Talkからのライセンス商品もあるが、Eureka!の為に制作された曲のリリースも行っており、このレーベル最新作もその一つだ。手掛けているのはSampling As An Artを名乗る通りサンプリング・ハウスを武器とするS3Aで、Local Talkを始めとして多くのレーベルからファンキーでメロウなモダン・ハウスを送り出している人気アーティスト。クラブパーティーの賑やかさや華々しさを思い起こさせるダンストラックは即戦力で、そんな音楽性が最も表現されているのは"Doop Doop"だ。ベースはハウス・ミュージックだが、歓声の入ったサンプリングから始まりポジティブなコーラスと気品のあるピアノコードが被さっていき、更には希望を高らかに歌い上げるようなホーンのメロディーと疾走する4つ打ちが加わって気分は完全にダンスフロアの騒ぎの中。途中ではファンキーなギターソロも爽快に躍動したりと、サンプリングであろうが生の音をふんだんに用いて正にS3Aらしい作風で、底抜けに明るく優雅なハウス。対して"Emotional M1"は少々内向的でしっとりしたムードで、ビート感は抑えられてビートダウン・ハウス的な黒さが現れており、エレガントなピアノ使いと色っぽい女性の歌と共に徐々に盛り上がっていくモダンなディープ・ハウスか。そして最後はサンプリングの妙技かブレイク・ビーツかヒップ・ホップの影響が強い"Denials"で、ざっくりした響きのジャジーなグルーヴと共に控えめに甘美なエレピを合わせて、心に染みるメロウな空気に満たされる。それぞれタイプは異なれどサンプリング主体で一聴して耳を惹き付ける分かりやすさもあり、誰がプレイしても自然とフロアが盛り上げるのではないかと思う程だ。



Check S3A
| HOUSE13 | 20:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Hunee - Hunchin' All Night (Rush Hour Recordings:RHMC 001)
Hunee - Hunchin All Night
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ダンス・ミュージックの業界に於いてレコード屋としてレーベルとして、そしてディストリビューションも行うRush Hour Recordingsの功績は非常に大きいが、特にタイムレスな作品のリイシューやそういった作品のコンパイルという点でもそのレーベル性は信頼に足るものだ。そのレーベルの2018年の話題作と言えば現在のレーベルを代表するアーティストの一人、Huneeがコンパイルを手掛けた本作で、主に8〜90年代に生まれたテクノやディープ・ハウスにディスコ、ファンクやアフロ等が選曲されている。ご存知の通りこのダンス・ミュージックの界隈では例えば普段DJがプレイするジャンルではなく、例えば影響を受けたルーツ系を纏めたコンピレーションも少なくはないが、ここではジャンルに幅はあっても基本的にはダンス・フロアに即している点で好感が持てる。そして本作で特に普段ダンス・ミュージックを聞く者にとって自然なのは、Ron Trentがリミックスを行った"Ritual Of Love (Ron's Vocal Beat Down Mix)"と、Larry Heardによる"Burning 4 You"だろう。どちらも希少性が高い事を抜きにしても曲そのものの魅力は当然格別で、Ronらしいダビーな残響を用いながら甘い呟きのボーカルの反復に陶酔させられる前者、ソウルフルな女性ボーカルに透明感のあるパッドや耽美なピアノを被せて仄かな情緒を生む無駄の無いシンプルな後者、どちらもディープ・ハウスが何たるかを証明するような作品だ。Don Lakaによる"Stages Of Love"は1986年の作品、甲高い女性ボーカルとアタック感の強いドラムが印象的なシンセ・ポップ/ファンクといった趣きで、現在のパーティーの朝方でかかっても全く違和感はないしんみり感情的なダンス・トラックだ。Villa Aboの1997年作"Made On Coffee & Wine"は今で言うロウ・ハウス/テクノ的なチージーで粗い音質が印象的で、適度にアシッド・ベースも鈍くうねってDJツール的な風合いが強い。1990年にアルバムを一枚残しただけのMappa Mundiによる"Trance Fusion"は、そのタイトル通りにサイケデリックな酩酊感のあるアンビエント・ハウス寄りな曲で、そのレイヴの空気感を含んだ快楽的な曲調はその時代感がありながらも今でも違和感の無いタイムレスな性質もある。それら以外の曲は対してエキゾチックなりアフロなりの要素が強く現れており、例えばCarlos Maria Trindade & Nuno Canavarroによる"Blu Terra"はタブラ等のパーカッションやパンパイプ等の民族楽器らの有機的な響きを用いてミニマリズムも取り入れたような実験的な曲で、キックは入っていないものの人力トランスのような高揚感もある。セネガルの口承音楽であるタスも収録されており、そのパフォーマーであるAby Ngana Diopによる"Liital (Michael Ozone's Liital Rhythm)"は、土着的で切れのあるパーカッションやリズムに乗せてラップというか喋りみたいな歌を被せた曲で、何か原始的なエネルギーが体を衝き動かすようだ。収録された曲群は国もジャンルもそれぞれ異なっていて一見コンピレーションとしての体裁を成してないようにも思われるかもしれないが、通して聞いてみれば決してそんな事はなく、例えばDJが長い持ち時間の中で音楽の変遷を見せるのをここでは一時間に圧縮したような雰囲気もあり、特にその中でも印象的な曲を抽出したようにも思われる。それは何度でも聞いていられる、クラシカルな佇まいも。



Check Hunee

Tracklistは続きで。
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| HOUSE13 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Bell Towers - My Body is a Temple (Unknown To The Unknown:UTTU 090)
Bell Towers - My Body is a Temple
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元々のお目当てはオーストラリアはメルボルンを代表するまでのアーティストとして評価を獲得しているAndras FoxことAndrew Wilsonのリミックスで気になっていたのだが、話題のDJ Hausが主宰しているUnknown To The Unknownの新作であり、そして本作を手掛けているBell Towersの作品自体も面白いダンス・トラックなので是非紹介したい。Towersは現在はベルリンで活動しているもののAndrasと同じくメルボルン出身だそうで、過去の作品を聞く限りでは快楽的なイタロ・ディスコや肉体感溢れるエレクトロニック・ボディ・ミュージックの音楽性が強く、一歩間違えれば今ではダサいと認定されるスレスレを行くような印象を受ける。本作もやはりその路線と言うべきか、しかし"My Body Is A Temple"のブイブイとした魅惑的なベースラインと辿々しい質素なキックが疾走りイケイケなグルーヴを生み出すこの曲はダサくもハイエナジー、そして何か無機質でしゃがれたような歌い方はEBMのそれである。しかし、薄っすらと浮かび上がってくる叙情的なパッドが入ってくる瞬間はぐっとエモーショナルな雰囲気に変化したりと、けばけばしく快楽的なイタロ・ディスコの中にもコズミックな感覚があるというか。似たようなタイトルをした"My Body Is A Tempo"は別バージョンと思われ、よりニューウェーブやEBMを意識したように音の隙間が目立ちながらよりリズムは重厚で攻撃的、ノイズや電子音を用いたダンサンブルなグルーヴなのに汗臭ささえも感じられるような肉体感に迫力が感じられる。そして注目すべきはAndrasによる"My Body Is A Tempo (Andras Remix)"、様々なスタイルや表情を持つAndrasがここではダンスの機能性に磨きを掛けており、原曲を研磨したように滑らかなキックに差し替えつつ上モノの動きも抑え目にミニマルな流れを生み出し、そしてキックが消えた瞬間に現れるアンビエント感溢れるメロディーのブレイクでぐっと情感を高める流れはドラマティック。Andrasによるリミックスはイタロな雰囲気もありながらよりモダンに洗練されており、こちらは硬派なテクノセットの中に組み込んでも違和感は無い出来だ。勿論Towersの野暮ったいディスコな作風も愛着があり、収録曲全てそれぞれ魅力的である。



Check Bell Towers
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |