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Idjut Boys - By The Way.. You Idjut (OCTAVE-LAB:OTLCD5550)
Idjut Boys - By The Way.. You Idjut
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ディスコ・ダブの先駆者であり今も尚開拓を続けるDan Tyler & Conrad McDonnellによるIdjut Boysは、ディスコ・ミュージック等への深い愛情と造詣を元に、そこにハウスやサイケ・ロックにダブといった音楽の要素を持ち込み、更にダブ処理を加えた音楽によって新しいダンス・ミュージックを生み出したのが90年代前半の話。当然オリジナル作品のみならずディスコのリエディット作品やDJに対する評価も高いのは言うまでもないが、そんな彼等だからこそこのSalsoul Records音源縛りのMIXCDを制作したのも自然の流れと言うべきだろうか。1974年に設立されたニューヨークのSalsoulは文字通りサルサとソウルをかけ合わせたようなファンクやディスコを手掛け数々の名作を生み出し、その後はかのLarry LevanらのDJが積極的にプレイした事により、現在でもハウス系のパーティーではよくプレイされる定番レーベルの一つとなる程に強い影響力を持つ。そんなレーベルの音源の幾つかをIdjut Boysがエディットし、そして膨大な名作が存在するレーベルから音源を選び、更にリアルタイムでいじりながらミックスをするのだから興味が湧かないわけもないだろう。ライナーノーツに依れば「数多くのお気に入りの曲を敢えて入れなかった」と述べているが、"Let No Man Put Asunder"や"Ten Percent"に"My Love Is Free"といった人気曲は確かに用いられていない。であれば地味な作品なのかという疑問もあるが、やはりそこはIdjut Boysのセンスのなせる業で、幕開けから"You're Just The Right Size"と"Ooh I Love It (Love Break)"をマッシュアップしダブ処理を加えて、紫煙が揺らめくサイケデリックな演出を行いつつ、そこに奇妙な電子音が鳴りつつゴージャスなオーケストラやベースがファンキーにうねる熱量高いディスコの"Into The Milky Way"を繋ぎ、序盤からディスコのソウルフルな感情性や煌めくサウンドが発揮されている。"High"にしても強烈なダブ処理による快楽性にずっしりとした重い低音が力強いグルーヴを生み、また"(You've Got) That Something"ではエモーショナルなコーラスワークと凛としたピアノの響きに魅了されるソウルフルなディスコを聞かせ、"Be Mine Tonight"では光を放つようなシンセを前面に出したシンセ・ファンクで都会的な綺羅びやかさを体験させるなど、一言でディスコと言っても様々な表現があるのだ。ディスコの魅力を損なう事なくIdjut Boysが手を加える事でオリジナル以上の強いグルーヴを得て、そしてゴージャスな派手派手しい響きや美しいオーケストラ、汗が吹き出る熱いギターやベースのファンキーな鳴り、乱れ打つパーカッションやけたたましいドラミングといった要素を含むディスコが、感情性豊かに陽気でハッピーな世界観を作り出している。知名度のある名曲を集めただけのMIXCDとは一線を画しながらも、しかし例えばディスコに知識の無い人にとっても心躍らせるであろうディスコとディスコ・ダブの魅力がふんだんに詰まったDJプレイで、ディスコ好きな人にとっては勿論そうでない入門者にとってもお薦めな一枚だ。

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| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Fouk - Truffles EP (Heist:HEIST037)
Fouk - Truffles EP
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Detroit Swindleが主宰するHeistはブラック・フィーリング溢れるディスコ〜ビートダウン系を得意とするディープ・ハウスのレーベルでは頭一つ抜けており、事実これからを担う強力な新世代を多く抱えて素晴らしいハウス作品を多くリリースしている。Foukもそんなレーベルにおいて台頭する期待のアーティストだが、個別にも活動するDaniel LesemanとHans Peeman a.k.a. Junktionがタッグを組んだこのユニットは、HeistだけではなくRazor N Tape ReserveやHouse Of Disco等からもディスコやファンクを咀嚼したライブ感溢れるハウスを手掛けて注目すべき存在だ。タイトル曲の"Truffles"からしてパワフルさとエレガンスが共存しており、序盤こそからっとしたパーカッションが爽やかに響き太い低音が効いたビート重視のハウスかと思いきや、中盤からはレイヴ風なピアノコードが派手に展開し煌めくシンセソロが鮮やかに彩りながら、ファンキーさ爆発の黒いハウスとなる。"I'll Be Down"はややテンションを落としてざっくりラフなビート感に、耽美な鍵盤のコードやエモーショナルなシンセのメロディーを合わせ、ソウルフルな歌も入ってくるとぐっと感情性を増して艶めく。ジャジー・グルーヴな"Need My Space"では色っぽく官能的なエレピやシンセがムードを作り、艶めかしいベースラインの動きもあってしっとりとアダルトな夜の帳が下りてきて、生っぽく温かみのあるディープ・ハウスはFoukの真骨頂だろう。またヒップ・ホップから始まりディスコやハウスにまで長けたHugo LXがリミックスを行った"I'll Be Down (Hugo LX Meteor Mix)"も秀逸で、ややビート感を滑らかに均してフラットな心地好さを作りつつ、原曲よりも更にしっとり情緒的なエレピや咽び泣くようなトランペット風のメロディーも追加して、色っぽく仕上げたリミックスは上品な官能性に溢れたディープ・ハウスだ。パーティーに於けるピークタイムにも合う曲もあれば、早い時間帯の落ち着いた雰囲気の中でも、または朝方の微睡みにはまる曲まで、それぞれにシチュエーションに適合しながらモダンなハウスとして流石の内容だ。



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| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Silvestre - Girar (Diskotopia:DSK045)
Silvestre - Girar
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A Taut Line (Matt Lyne)とBD1982 (Brian Durr)によって2011年に東京に設立されたDiskotopiaは、自身らの作品とまた世界各地のちょっと変わった音楽性を持つアーティストを、配信のみでリリースしてきたレーベルだ。テクノやハウスのフォーマットに何処か異邦の地の要素を盛り込んだようなちょっと奇抜な作風であるが、そんなレーベルが遂に物理メディアになるアナログでのリリースを開始。その第一弾が本作で、ポルトガルはリスボン出身で現在はロンドンで活動するJoao Silvestreによるもの。Silvestreは2015年にDiskotopiaからデビューしこのEPが同レーベルからは3枚目となるなど、レーベルの一押しのアーティストとも読み取れる。実際に初のヴァイナル作品に抜擢されたのも納得な充実作で、公式サイトの説明では「デジ・トロピカルの人工的なタペストリ」と述べられており、トロピカルなりエキゾチックなりの雰囲気があるハウス・ミュージックながらも完全オーガニックでもない作風は正にその説明通り。密林の中の響きを思わせるコンガのリズムに誘われる"Ir A Sagres"は、ミステリアスなアルペジオとドラッギーなベース・サウンドの効果もあって、土着的ながらもしかし色彩豊かな大自然の中のダンス・ミュージックで緩くもトリップ感がある。"Deptford Bus"はもう少しディープ・ハウス寄りなゆったりと落ち着いたグルーヴに朧気なパッドが叙情を演出するが、しかし刺激的なハンド・クラップや爽やかなタムも加わると途端に訝しいエキゾチック性が強くなる。"RC Surfer"はレゲトン×ダブ×ハウスみたいな跳ねたブレイク・ビーツと重い低音が特徴の曲で、ダビーな残響さえもが怪しくも官能的に広がり、このEPの中では異色ながらも雑食性を示している。そして最後の"Everybody Is Happy"は淡々としたブレイク・ビーツなハウスが下地になっているが、東洋の雰囲気がある笛らしきメロディーに引っ張られ、和のニュー・エイジ風な響きが今風っぽい。曲毎に異なるスタイルを披露しつつ国境を跨ぎながら融和する個性があり、その雑食性が面白いダンス・ミュージックとして成立している。



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| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Prins Thomas - Ambitions (Smalltown Supersound:STS344CD)
Prins Thomas - Ambitions
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2017年にタイトル通りに5枚目となるアルバム『5』(過去レビュー)をリリースした後も、Bjorn TorskeやBugge Wesseltoftとも共同制作を行い2枚のアルバムをリリースと、多忙な活動を続けているノルウェー産ニュー・ディスコの立役者の一人であるPrins Thomas。2016年の『Principe Del Norte』(過去レビュー)ではKLFやThe Black Dogにインスパイアされたアンビエントに挑戦したかと思うと、その次の『5』ではクラウト・ロックどころかアシッドへも手を出して、ニュー・ディスコという枠組みを越えてそのアーティスト性は探求の旅へと出ているようだ。そしてこの最新作は公式アナウンスではJaki Liebezeitや細野晴臣にDaniel Lanois、Shinichi AtobeにRicardo Villalobosらにインスピレーションを受けて制作されたとの事で、それだけ聞くとアンビエントの雰囲気をクラウト・ロック調にミニマルで展開したのか?と少々謎な印象を受けなくもないが、蓋を開けてみればニュー・ディスコを軸にしながらも更にジャンルの折衷主義な音楽性でアーティストとして深化を果たしている。アルバムの冒頭3曲はコンパクトな作風で、鳥の囀りも用いつつ牧歌的な風景が広がる自然主義的なノンビートの"Foreplay"で始まり、生っぽいビート感と湿り気を帯びて切なさを誘うシンセとファンキーなベースにぐっと胸が締め付けられるダウンテンポの"XSB"と、緩んでリラックスした楽天的なムードが先行する。Thomasにとっては初のボーカル曲となる"Feel The Love"は、これぞニュー・ディスコなブイブイとした快楽的なシンセベースともたもたとしたリズムが効いていて、そして甘ったるくも霞のような歌と相まってブギーながらも実にドリーミーな多幸感に包まれる。中盤の2曲は10分超えの大作でここでこそ前述のアーティストに触発されたのも何となく感じられるというか、土着的で乾いた乱れ撃つパーカッションに奇怪でスペーシーな電子音が飛び交い、快楽性を伴いながら酩酊するクラウト・ロック風なバンド・サウンド的でもある"Ambitions"は、Villalobosの時空さえも捻じ曲げてしまうようなミニマルのサイケデリアがあり、アルバムに於けるハイライトだろう。一方"Fra Miami Til Chicago"はクラウト・ロックとアンビエントの邂逅で、幻夢のサイケデリックなギターのフレーズに濃霧のようなドローンを被せジャーマン・プログレがもう少しダンス化したらを具現化しており、ぼんやりとした夢の中を彷徨い続ける甘美なバレアリックな雰囲気に身も心も融けてしまう。ダンス・ミュージックとしての体は残っているが、ハイエナジーな興奮に溢れたダンスフロア向けの音楽ではなくもっと精神へと作用する中毒的なサイケデリアが強くなり、ダンス/リスニングの境界を埋めながらニュー・ディスコの更にその先へ、Thomasの音楽性は深化と拡張を続けている。



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| HOUSE14 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Coeo - Tonic Edits Vol. 6 (The Japan Reworks) (Toy Tonics:TOYT 096)
Coeo - Tonic Edits Vol. 6
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ディスコやファンクのみならずイタロやバレアリックまで咀嚼したモダン・ハウスを量産し、今やダンス・ミュージックの中枢でもあるベルリンに於いても快進撃を続けるレーベルがToy Tonics。ベテランから若手までタレントが揃っているが今やレーベルの主軸にもなっているのがミュンヘンの二人組ユニットであるCoeoで、2012年頃から作品をリリースし始めてからToy TonicsからLet's Play HouseにRazor N Tapeといったレーベルから15枚ものEPをリリースするなど、その勢いはとどまるところを知らない。リエディットやサンプリングによるディスコ/ファンクな作風は一貫しており、ブギーなダンス・グルーヴとキャッチーなメロディーを展開した分かりやすい作風は、ハウス・ミュージックのファンにとってはおおよそ苦手な人はいないだろうと思う程だ。そして本作に於いては80年代の日本の歌謡曲、いやポップスと呼んでもいいだろうが、そんな曲を原曲の和的な雰囲気を全く損なわずに骨太グルーヴィーなディスコティックな作風へとリエディットした話題性抜群な内容だ。ブレッド&バターによる原曲はスローモーなファンクだった"Japanese Woman"は、ここではややピッチを上げてリズムも太く跳ねて、太いベースラインもうねりながらファンクの要素をしっかり強調して、生演奏的な感覚はありながらも現代のエレクトロニック・ディスコへと見事に生まれ変わっている。"Matchbox"は角松敏生による"Girl In The Box"のエディットで、キックが強く打ち付ける4つ打ちにシンセベースもパワフルに躍動しながら、大胆な上モノのピアノや光沢感あるゴージャスなシンセ使いを活かして、肉体感溢れるシンセ・ファンクになっている。国分友里恵による"とばして Taxi Man"が元になった"Uber Man"は、元々はファンクとポップスが調和した曲だったが、ここではネオンライトが光り輝くようなシンセをばりばり用いて、光に溢れる都会の夜のディスコ的な仕上げ方が古き良き時代に夢見た未来の東京か。そしてEPOによるエキゾチックな雰囲気もあるシンセ・ポップの"Tibetan Dance"、Coeoの手に掛かればアタックの強いキックを活かして強固なビートを刻み、音圧を増したブギーでファンクな骨太ディスコへと変容する。元々選んでいる曲自体が素晴らしいのもあるのだろうが、捻りを加えるでもなく素直にリエディットをする事で原曲の持ち味を活かしたモダン・ディスコへと塗り替える手腕により、全てがフロア即戦力と言っても過言ではない。尚、原曲もこの際に聞いてみたが、どれもキャッチーなシンセ・ポップ/シンセ・ファンクで素晴らしく、世界中でシティポップの再燃が起こるのも何も不思議ではない。



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| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Studio Mule - BGM (Studio Mule:Studio Mule 18 CD)
Studio Mule - BGM
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今や世界レベルでの重要なレーベルとなった日本のMule Musiqが、ここ数年再燃する日本の音楽にターゲットを合わせて、クラブ・ミュージックからは少し距離を置いたStudio Muleを設立したのが2017年の暮れ。それ以降、日本のシティポップのコンピレーションや日本のジャズやフュージョンにアンビエントの名作を復刻してきたが、並行してレーベル名を冠したStudio Muleというプロジェクトも進めていた。これはレーベル主宰の川崎氏によれば「特定のメンバーを持たないユニット」による「オブスキュアな日本の名曲のリワーク」を目的としているそうで、今までにもDip in the Poolの甲田益也子をボーカルに起用しMule Musiq代表格のKuniyuki Takahashiがプロデュースを手掛けて、大貫妙子による"カーニバル"を含むカバーEPの3枚をリリースしていた。懐かしい時代感を含む国産ポップスはその空気を壊さずに現代版へと生まれ変わり、昔からそれらに魅了されていた人にとっても今新たにシティポップにはまっている人にとっても、それは新鮮な風が吹くシティポップとして新しい魅力となって聞こえるものだった。その流れからのアルバムは、前述の甲田に加え渋谷系元祖と呼ばれる佐藤奈々子やシンガー・ソング・ライターの寺尾紗穂も迎えて、全てが名作カバーと呼んでも差し支えない程に充足した内容になっている。小池玉緒による"鏡の中の十月"はなんとYMO名義では唯一のプロデュースだったそうだが、ここではそのときめきテクノポップな雰囲気は損なわずに滑らかなビート感と音の厚みを増しながらも洗練したクリアな響きとなり、確かに古き良き時代感覚はありながらも今風という表現が相応しいアレンジだ。また、甘美な囁きのウィスパーボイスが特徴的な佐藤の歌も胸キュンキュンで、テクノポップなトラックに上手くはまっている。近年再発が成された山口美央子の"夕顔"はオリジナルはアンビエント・テイストの強い歌だったが、ここではエレクトロニック性を強めつつダビーな音響で奥深さも生まれており、そこに寺尾の悲壮感さえもある歌が切なさを増幅させる。そしてなんとYMOの"バレエ"のカバーまで収録されているのはテクノファンにとっては嬉しい限りだが、こちらも原曲のアンニュイで陰鬱な空気はそのままにリズムはやや力強さを覚え跳ねており、シンセベースも太みを増してファンキーなうねりとなるなど、現在のダンス・ミュージックに長けたKuniyukiの手堅いプロダクションが見事だ。大沢誉志幸のヒット曲である"そして僕は、途方に暮れる"はインストカバーだが、そうした事で清々しくも甘酸っぱい青春を感じさせるシンセのメロディーやアタック感の強い打ち込みリズムが明確に打ち出され、現代的に言えばバレアリックとでも呼ぶべきなのか、都会のネオンに囲まれたクリスタルな気分の多幸感に溢れる曲になっている。勿論前述の先行EPである"カーニバル"に"心臓の扉"や"Face To Face"も収録と、全てが名曲以外の何物でもない素晴らしいリワークが並んでおり、ジャパニーズ・アンビエントやシティポップのリバイバルの流れに乗った見事なプロジェクトだ。リミックスのようにリミキサーの新たな個性で塗り潰す如く手を加えるでもなく、シティポップをそのままシティポップとして現代風に解釈しているが、それはオリジナルへの愛が故だろう。



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| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Antoine Kogut - Remixes (Versatile Records:VER125)
Antoine Kogut - Remixes
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フレンチ・ハウスと言ったら兎にも角にもVersatile Records、ストレンジな電子トラックから耽美なディープ・ハウスに、ダンスからリスニングとバランス感覚に優れた老舗レーベルは、ダンス・ミュージックという忙しない業界に於ける流行り廃りとは距離を置いて迷い無き道を突き進む。本作はフランス人アーティストであるAntoine Kogutが2018年にリリースしたアルバム『Sphere Of Existence』からのシングルカットで、レーベル主宰のGilb'RとI:CubeによるChateau Flight、そしてI:Cube単独、3人組のDJクルー&ライブバンドであるFlegon、そしてAntinoteからレフトフィールドなダンスをリリースしたRaphael Top Secretの4組がリミックスを提供している。アルバム自体はゆったり肩の力が抜けた切ないバレアリックなモードだったものの、このリミックスではそういった雰囲気を引き継ぎながらもクラブ感覚を増したダンス性も加わり、曲によっては興奮に包まれる真夜中のバレアリック・ダンスになっている。"Sphere Of Existence (Chateau Flight Remix)"は甘く囁くような歌を活かした90年代のイタロ系バレアリック・ハウス調で、メランコリーを誘うサックスの響きから覚醒的なアシッドのシーケンスへの転調を伴い、耽美な鍵盤のコード展開と疾走するビート感の流れも含んで、実に大らかで心地好く展開する。I:Cube単独のリミックスとなる"Sphere Of Existence (I:Cube Unexpected Dub)"では、そのダブミックスという通りに派手なメロディーは抑えられてその代わりにタム等のパーカッションを活かしたビート重視の作風となり、やや内向的で陰鬱さもあるディープ・ハウス仕様。"L'oeillet Noir (Flegon Remix)"はバンドらしく生っぽさを打ち出したざっくり質感で、ドラムやオルガンに鍵盤といった楽器を生演奏しているのだろうか、しみじみと情緒深く聞かせるスローモーなディスコ・スタイル。そして"Current Density (Raphael Top Secret Remix)"は繊細なフェンダー・ローズが優美さを奏でつつ、ヒップ・ハウス的な軽く跳ねるリズムで浮遊感を伴って、色っぽさや官能といった芳香もする大人びたハウスになっている。どのリミックスにも各アーティストの音楽性が繁栄されているが、流石Versatileらしく基本はダンスな作風ながらもメロディーやハーモニーも尊重した音楽的な豊かさが活きており、メランコリーな気分に浸れる事だろう。



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| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Giovanni Damico - The Boogie Tracks LP (Star Creature:SC1215)
Giovanni Damico - The Boogie Tracks LP
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トロピカル、レトロ・フューチャー、シンセ・ファンクといった言葉が思い浮かぶポップなジャケットが印象的な本作、内容もほぼそのまんまにイタロ・ディスコやシンセ・ファンクを含んだブギーなアルバムで、正に期待通り。手掛けているのはイタリアのGiovanni Damicoというアーティストで、経歴を調べてみると過去にはRondenion率いるRagrange Recordsからのリリース歴もあったりと、ファンキーな音楽性もあるのは納得だ。しかし過去の作品以上に本作はポップなシンセ・ファンクが打ち出されており、ネオンライトの眩しい光に照らし出されるようなシンセの使い方が快楽的でさえある。キッチュなシンセのアルペジオから始まる"Spazio E Tempo"は伸びやかなシンセの旋律やアタック感の強いキックを用いた緩んだイタロ・ディスコで、甘ったるい歌やうねるシンセもあって俗物的な感覚がありながらも、ポップな色彩感覚に彩られている。"Boogie Erogeno"はタイトルにブギーという言葉も含まれている通りブギーなグルーヴ感があり、朗らかな笛の旋律とうねるシンセの弾けた感もあって、フュージョン風な爽やかな一曲。"Puma Beat"もブイブイとうねるシンセが特徴的で、そこに鋭く切り込んでくるドラムや懐かしさもあるシンセのシーケンスも交えて、古き良き時代のライブ感溢れるディスコを思い起こさせる。躍動的なマシンドラムのビート感が快活な"Rise Up"では流麗なシンセのコード展開に合わせて、甘ったるく気怠い歌とボーコーダーを通したロボット・ボイスが交互に現れ、メロウながらもダンス性の強い曲で魅力的だ。対して最後の"Stream Of Souls"はアタック感の強いキックを用いながらも淡々とリズムを刻み、アンニュイで微睡みを匂わせるシンセのフレーズを掛け合わせて、大きく展開を繰り広げる事なくミニマル性の強い流れによって平穏へと向かって終焉を迎える。基本的にはどの曲も鮮やかで派手なシンセ使い、安っぽくも刺激的なドラムマシンのリズム、そしてポップで楽天的な響きや旋律で統一されたアルバムで、シンセ・ファンクやシンセ・ポップといったジャンルを好む人にとっては文句無しの内容だ。



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| HOUSE14 | 10:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Joey Negro - Distorted Dreams EP (Z Records:ZEDD12262)
Joey Negro - Distorted Dreams EP

購入してから放置しておいたらいつの間にか発売から1年経過していた本EP、ソウルやファンク、そして特にクラシカルなディスコの求道者であるJoey Negroによるものだが、これがすこぶる良いので紹介したい。2017年にリリースされたアルバムの『Produced With Love』に収録された曲を他アーティストがリミックスしたEPなのだが、Negroの音楽性が比較的熱心なディスコ信者らしいクラシカルなスタイルなのに対し、ここではCrackazatとLay-FarにFoukと現在形のハウスを提唱するアーティスト、そしてシカゴ・ハウスの巨匠であるRon Trentがリミックスを手掛けて、これぞモダン・ハウスと言わんばかりの内容でアップデートを掛けている。Trentによる"Distorting Space Time (Ron Trent Remix)"はここではレイドバックして肩の力が抜けたグルーヴとダビーな残響を活かした開放感のある生っぽいディスコ×ダブ・ハウスで、生演奏によるギターやベースの湿っぽさやオルガンやシンセのうっとり甘いメロディーに軽く陶酔させられ、大人の余裕さえ感じさせる包容力に満ちた作風だ。対して"Latican Boogie (Crackazat Remix)"は序盤からすっきりと、そして太いキックが地を固めつつ、美しいシンセのリフやピアノのコード展開をフィルターで変化させながら盛り上げていくポジティブなハウスで、若々しいエネルギーが溢れ出すピアノ・アンセム的な爆発力を伴い高揚感の中を突き抜ける。"In Search Of The Dream (Lay-Far Remix)"もフューチャー・ジャズやディスコにファンクなどの要素が混在するLay−Farらしい音楽性が発揮されたリミックスで、ざっくりとした生っぽい響きのブロークン・ビーツにエレクトロニックで豊かなシンセやベースサウンドによって色彩豊かな感覚に包み込んで、喜びや希望が溢れるブギー・ハウスは現在形のモダン・ディスコでもある。そしてJunktionとDaniel LesemanのユニットであるFoukの"Distorting Space Time (Fouk Remix)"、こちらはライブ感あるパーカッションとざっくり生っぽい荒さのあるブギーなビートを活かして、浮遊感のあるTrentのリミックスよりもどっしり重心を落としややツール性を強調したディスコ・ファンクな趣きか。参加アーティストの豪華さに惹かれながら、更に期待を越えてくる位の各アーティストの音楽性が自然と表現されたリミックスで、これはもう文句無しだろう。



Check Joey Negro
| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Bonobo - Fabric Presents Bonobo (Fabric:fabric201)
Bonobo - Fabric Presents Bonobo
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ロンドンの名門クラブ・Fabricがパーティーの雰囲気を再現すべく17年間に渡りリリースし続けてきた4つ打ちを軸とした『Fabric』とブレイク・ビーツを打ち出した『Fabric Live』のミックスシリーズは、しかしネット上に溢れるストリーミングの無料ミックスの台頭を前に、遂にそのリリースは終焉を迎えた。最早販売されるミックスに未来は無いのか…否、確固たるコンセプトやマネージメント力のあるレーベルをバックに制作されたミックスだからこそ、ある一定の品質が保たれ信頼を寄せる事が可能となる事だってある筈だ。一度はミックスのリリースを止めたFabricもクラブ/パーティーの現在形を表現するべく、再度その歩みを始動させて手掛けるのが『Fabric Presents』シリーズで、タイトルからして殆ど変わってないのはご愛嬌か。第一弾に抜擢されたのはトリップ・ホップやジャズにアンビエントやエレクトロニカと様々に音楽を横断するNinja Tuneの人気アーティストであるSimon GreenことBonoboで、その知名度や実力からしてシリーズ立ち上げに迎えられたのも納得だろう。さて、当方はBonoboのDJプレイを体験した事はないが、ここでのプレイは4つ打ちのテクノ/ハウスを主軸に用いて高揚感のあるパーティーの雰囲気で、そこにスパイスとしてジャズやアンビエントも盛り込むなど、思っていたよりもダンス性の強い内容ながらもBonoboの音楽性も表現されている。初っ端自身の未発表曲である"Flicker"はセンチメンタルモードなエレクトロニカ風で、そこからまたも自身のどっしり4つ打ちながらもエキゾチックな"Boston Common"、そしてブラジリアンなサンバのりながらも優雅な"Jacquot (Waters Of Praslin)"、森林の訝しいエキゾチック感溢れるハウスの"Hidden Tropics"と、音楽性は様々ながらも確実に序盤から踊らせにくる選曲だ。また"Nia"や"Maia"などヒプノティックなシンセを前面に出した覚醒的でメランコリックなディープ・ハウスで盛り上がりつつ、中盤は"TKOTN"や"By Your Side"など変化球的に崩した情緒的な雰囲気に包まれるブロークン・ビーツのリズムで揺らしつつ、同じブロークン・ビーツでも何処か刺々しく不穏でもある"Roach"や"Perpetrator"で攻撃的に攻める瞬間もあり山あり谷ありで大きく揺さぶる。そこからドラマティックにじわじわと盛り上がるテクノの"Mirapolis (Laurent Garnier Remix)"を通過し、終盤はフューチャー・ジャズやブロークン・ビーツのしなやかなリズムとメランコリーで空気で落ち着きを取り戻し、最後は微睡みに落ちていく有機的なアンビエントの"Collage Of Dreams"によって平穏を取り戻す。色々なリズムと温かく豊かな感情性でBonoboらしい幅広いクロスオーヴァーな音楽性ではあるが、しかし滑らかなグルーヴ感によって持続的なダンスな感覚に纏められており、これがDJミックスではあるがおおよそBonoboらしい音楽性が表現されている。この新シリーズにどういった意味が込められているのかまだ分からないものの、幸先が良いスタートを切っている。



Check Bonobo

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| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |