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Emilie Nana - I Rise - The Francois K Remixes (Compost Records:CPT 527-1)
Emilie Nana - I Rise - The Francois K Remixes
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DJだけではなくアーティストとしても比類なきプロダクション能力を持ったFrancois KevorkianことFranocois K.も、近年は基本的にはDJ業へと専念しており、彼自身の素晴らしい音楽を聞ける機会が減っているのは本当に残念に思うばかり。とそんな所にFranocois K.による久しぶりのリミックス作品が届けられたが、こちらはカメルーン出身でフランスで活動するEmilie Nanaの『I Rise』のリミックス作品。Nanaは主にCompost Recordsで活動するアーティストで、ハウスを軸にしながらブロークン・ビーツやヒップ・ホップ、アフロやダウンテンポといった音楽性を含む幅広さがあり、その意味ではCompostらしいクロスオーヴァーな音楽性を継承している。『I Rise』の原曲も未来感あるエレクトロニックな響きに崩したリズム感のブロークン・ビーツを用いて、クールかつスペーシーな作風が魅力的なものではあるが、そこにFranocois K.の手が加われば完璧なまでのハウス・ミュージックに生まれ変わる。"Francois K Journey Vocal"は歌を残したリミックスで原曲のイメージを変えるというよりは更にスペーシーな世界観を強調した内容で、硬いキックや軽やかなパーカッションを用いた安定感のあるハウス・ミュージックの4つ打ちと透明感のある電子音のリフで引っ張っていくが、無駄な音が無くすっきりした間がより大きな空間性を生んでおり、この音の間を活かした構成がFranocois K.のダブ的空間処理に繋がっている。激しくもなければ緩くもない丁度良いグルーヴ感が走りながら、浮遊感のある音響処理によってまるで宇宙空間を遊泳するような世界観で、10分越えの大作ながらも全く冗長に感じずに何処まで行っても洗練されたエレクトリック・サウンドに魅了される。"Francois K Dub"はその名の通りボーカル無しのインストバージョンだが、そのおかげでパーカッションの心地好い響きや繊細な電子音のメロディーがもっと感じられるようになり、スペーシーなディープ・ハウスとしてミックス向きな印象だ。"Francois K Bonus Beats"はもう完全にツール特化型のリミックスで、ドラムやパーカッションを前面に打ち出したリズムトラックなのだが、骨太なキックのグルーヴ感や爽快なアフロ・パーカッションが弾けており、ダビーな音響空間がとても奥深い。以前に比べ制作面においてはペースは落ちているものの、やはり制作に於ける能力も超一流で流石のFranocois K.と言わざるを得ない。



Check Emilie Nana
| HOUSE14 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Dimitri From Paris & DJ Rocca - Works (Toy Tonics:TOYT 094)
Dimitri From Paris & DJ Rocca - Works
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2012年始動とまだそれ程歴史が長いわけではないが、既にカタログナンバー100に迫ろうとする程の勢いで量産体制を続けるドイツのToy Tonics。ディスコやイタロ、ファンクやバレアリックといった音楽性を包括し多くの次世代タレントによるフロア即戦力なダンス・ミュージックを送り出す人気レーベルの一つだが、こちらはその親レーベルであるGommaなどから素晴らしい相性を披露するパリジャン屈指のディスコDJなDimitri From ParisとイタリアのDJ Roccaのコンピが、過去にリリースした名作群を纏めたその名も正に『Works』。Gomma自体は既に活動を停止してしまったようだが、そこからリリースされていた古い作品は今になって新鮮に聞こえるからと敢えてサブレーベルであるToy Tonicsからそんな名作を纏めてリリースする事にしたそうで、事実ここに収録された曲はどれもキラートラックである事に異論はない。何と言っても目玉は2012年作の"Glad To Know You (Ray Mang's Flying Dub)"で、Chaz Jankelによる80年代ディスコ・クラシックをDimitri From Parisらがカバーした曲を更にRay Mangがリミックスしたものだが、どたどたしたドラムのリズムにゴージャスな響きのシンセコードやオルガン、ファンキーなギターカッティングや綺羅びやかなコーラスワーク、そしてブレイクでの懐かしさ溢れるピアノの展開など何処を切り取っても完全なディスコ・スタイル。一発で耳を魅了するキャッチーさは言うまでもないが、Ray Mangによるダビーな音響処理によってスケール感を増して気持ち良くノックアウトしてくれる。"Ero Disco Theme"は2011年作、こちらはよりアッパーでノリノリなグルーヴ感にスペーシーなシンセで爽快感を出しつつも、安定感のあるベースラインが底辺で主張し、ぐいぐいと力強く押し迫る骨太ブギー・ディスコだ。2012年のHard Tonの曲をリミックスした"In This Moment (Dimitri From Paris & DJ Rocca Erodiscomix)"は原曲はアシッドやシカゴを匂わせる曲調だったものの、リミックスではそんな雰囲気は一掃されディスコな煌めくピアノやシンセを前面に打ち出し、色っぽいファルセットボイスも合わせて随分と甘めのポップなディスコに様変わり。途中から入ってくる朗らかなフルートの旋律なんかも、古き良き時代のディスコを思い起こさせる。また配信のみ2011年作の"I Love New York"を収録しているが、こちらは90年代前後のニューヨーク系のヒップ・ハウスといった印象で、ずんずんと重心の低いグルーヴが揺れつつファンキーなボーカル・サンプルや熱くも妖艶なサックスが彩り、オールド・スクール感が爆発している。流石に名作を纏めただけに全曲素晴らしいディスコ〜ハウスばかりで、何ともお買い得な一枚だ。



Check Dimitri From Paris & DJ Rocca
| HOUSE14 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Gallo - Colori EP (Hell Yeah Recordings:HYR 7201)
Gallo - Colori EP
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イタリアからのモダン・ディスコ/バレアリック系レーベルであるHell Yeah Recordingsは例えば日本で活動するCalmやMax Essaの作品もリリースするなど、そういったグローバルなアーティスト性によって日本でもちょっとした注目を集める実力派レーベルだ。そのレーベルからリリースされたGalloなる聞き慣れないアーティストの新作が思いの外素晴らしいので、是非とも聞いて欲しい。Galloは2018年から同レーベルやSlow Motion Recordsから作品をリリースし始めたベルリンを拠点とするイタリア系アーティストのようだが、元々DJとして活動しつつBalearic Gabba Sound Systemのメンバーの一員でもあるなど、音楽家としては決して新人ではないようだ。さて、この新作だがバレアリック・クラシックとなってもおかしくはない位に開放感があり清涼な空気に満たされるバレアリックな世界観があり、キックレスの"Colori"はきれいめの艷やかなシンセのコードやフレーズと底辺で唸るようなベースラインのみでひたすら平穏な時間が続くアンビエントな感もある曲で、全く汚れの無いピュアな響きが体の隅々まで浄化するようだ。そしてゆったりとリラックスしたリズムを刻む"Sapori"は透明感のあるパッドを伸ばしながら和んだシンセのフレーズで何処までも広がる開放感を演出し、次第に入ってくる優美なピアノのコードが加わるとイタロ・ディスコ的な雰囲気も生まれて、90年代前後のオールド・スクールな時代を思い起こさせる。"Odori"は日本の踊りを指しているのだろうか、崩れたグルーヴィーなリズム感に揺さぶられ郷愁たっぷりなメランコリーなメロディーは、海辺の夕日が落ちてオレンジ色に染まっていく時の切なさを誘う。そして何とバレアリック・レジェンドの一人であるChris Cocoもリミキサーとして参加しており、"Colori (Chris Coco Deep Space Version)"は原曲のイメージを変えるのではなく、リバーブ系の残響を用いる事で視界が揺らぐ音響を作り、身も心も全てが自然の中に融解していくような心地好い白昼夢状態を生み出している。全曲見事にバレアリック仕様、特にイビサ系の自然を感じさせるバレアリック代表のMark Barrott辺りとも共鳴する音楽性で、これは要注目な存在だ。



Check Gallo
| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Specter - Built To Last (Sound Signature:SSCD13)
Specter - Built To Last
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近年は主宰のTheo Parrish以外のアーティストによる作品を積極的にリリースし、それによって音楽性の拡大を成し遂げているデトロイトの重要レーベルであるSound Signature。本作はそのレーベルから2018年8月にリリースされたアルバムで、手掛けているのはシカゴ出身のAndres OrdonezことSpecterだ。過去には同レーベルより2010年に『Pipe Bomb』や2012年作の『The Gooch EP』がリリースされており、Parrishの御眼鏡に適った人材である事は明白だ。2000年の初頭からリリースを開始しているもののそれは散発的であり、デトロイトという才能が集まる場所に於いてもその知名度は大きいものではなかったが、このキャリア20年にして初となるアルバムで(レーベルの後押しもあって)その存在感ははっきりとしたものになるに違いない。過去のEPは色味が無く錆び付いた音響のロウ・ハウスであったが、その流れは基本的に変わらずにシカゴ・ハウスの簡素なマシン・グルーヴに仄かに燻るようなデトロイトの叙情性が一つとなったダウンビートなハウスが中心で、レーベル性でもあるブラック・サイケデリアにも沿っている。アルバムは安っぽい音響の簡素なリズムマシンのロウなビート感に不気味なボーカル・サンプリングをループさせ、闇の中にくすんだような上モノが微かに持続する"What Else You Do"で始まる。続く"Under The Viaduct"ではチキチキとしたハイハットと金属的なパーカッションに鈍いベース音が目立つしっとり目のディープ・ハウスで、薄っすらと浮かび上がる幽玄なシンセには燻るように燃えるエモーショナル性が感じられ、剥き出し感あるシカゴのローファイな音響ながらもじんわりと肌に染み込む感情性がある。奇妙な電子音響とカチカチとしたシンプルなリズムの"0829 Fifty Fifty"は鈍くずぶずぶとしたアシッディーなベースも相まって、混沌からトリッピーかつサイケデリックな雰囲気が生まれているが、ピアノの和やかなコードによってディスコな感覚も伴っている。一方で"Not New To This"は彼の初期の作風を踏襲したクラシカルかつメロウなディープ・ハウス性が強く、コンガのからっと爽快な響きや滑らかなビート感に情緒的なシンセや闇夜に映えるピアノを被せて、エモーショナルな漆黒のデトロイト・ハウスそのものだ。しかしやはり近年のSpecterの音楽性を表すのは、例えば"Tamarindo"のようにドタドタとした辿々しいリズムマシンのビートと鋭利なハイハットが激しく刻まれ、オルガンのミニマルなフレーズを用いて混迷とした雰囲気の中を突き進む衝動剥き出しのロウ・ハウスのような曲ではないだろうか。シカゴ・ハウスの荒くもタフな音響を受け継ぎビートダウン・ハウスによって混沌としたサイケデリック性を見せるSpecterは、Parrishが確立させた音楽の継承者と呼んでも差し支えないだろう。



Check Specter
| HOUSE14 | 16:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Smallpeople - Afterglow (Smallville Records:SMALLVILLE CD 12)
Smallpeople - Afterglow
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それがテクノであれハウスであれ、情緒の深遠にいるようなムーディーでジャジーな音楽性を特に発揮するハンブルクのレコードショップ兼レーベルであるSmallville Records。Smallpeopleはその運営に関わる数人の内、Julius SteinhoffとDionneことJust von Ahlefeldから成るユニットで、そもそもどちらもソロで同レーベルより例えばデトロイトのエモーショナル性やシカゴ・ハウスのシンプルな作風と共鳴する作品をリリースしており、その両者が手を組めば派手ではなくともじんわりと心に染み込んでいくディープ・ハウスになるのは当然で、これこそSmallvilleの音そのものである事に異論は無いだろう。決して盛んではない活動のため2012年の1stアルバムである『Salty Days』(過去レビュー)から7年ぶりとなった本作は、しかしその長い時間が経過しても作風は大きく変化する事せずSmallpeopleらしさを貫いている。淡々とした乾いた4つ打ちのキックと退色した灰色の世界観の中から情緒的なピアノのコードが浮かび上がり、ダンスのグルーヴではあるが丁寧に聞かせるディープ・ハウスである"Magic Interference"でアルバムは始まり、すっきりとした間を残して硬めの跳ねるキックでシカゴ・ハウス風なグルーヴにうっとりするエモーショナルなシンセの上モノに心惹かれる"Hearts At Whole"、シャッフル調ながらもスムースなビート感で躍動し透明感のあるシンセで上品に彩る"All States Of Dawn"と、冒頭の3曲からして如何に無駄な音を削り落としながら洗練されたグルーヴと端正なメロディーやコードを用いて丁寧な作りをしているかは感じ取れる筈だ。アルバムの中ではやや癖がある"Beyond"はラテン風なパーカッションやベースラインが目立つが、それと共に催眠術のような幻惑的な上モノが酩酊感を生み、ダンスフロアでも上げ過ぎる事なくふらふらと揺らしてくれるであろうディープ・ハウスだ。そして力強いハウスのリズムを刻んでデトロイト・テクノ的な望郷の念が馳せる幽玄なパッドを配した"Sonic Winds"は、途中から希望に満ちた鍵盤のコードも加わって滑らかなグルーヴに乗って何処までもエモーショナル性が伸びていく。そして最後の落ち着きのある滑らかなリズムと静けささえも感じさせる静謐なシンセで包み込む"Afterglow"は、繊細さもあるダビーな音響によって深く潜っていくようだ。全体を見ても突出した真夜中を盛り上げるキラートラックらしき曲は一つもなく、ひたすら淡々と過剰になる事なくすっきりした音の構成で丁寧に聞かせるディープ・ハウスに忠実で、その洗練されたムーディーな世界観も決してスノッブではなく一歩引いた控えめな上品さこそ彼等の特徴だろう。



Check Smallpeople
| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Amp Fiddler - Amp Dog Knights (Mahogani Music:M.M 41 CD)
Amp Fiddler - Amp Dog Knights
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先日来日ライブを行ったばかりと近年精力的な活動を見せるデトロイトのベテランであるAmp Fiddler。2018年にはデトロイトのファンクバンドであるWill Sessionsとの共作である『The One』で、バンド演奏を中心としたライブ感溢れるソウルやファンクを披露していたが、元々はPファンク軍団でもキーボードを担当していただけありDJではなくプレイヤーとしての面からの音楽性で評価されるアーティストだ。しかしその前作でもある2017年にMoodymann率いるMahogani Musicからのリリースとなった本作は、当然クラブ・ミュージック寄りの内容とはなるがファンクだけでなくハウスにR&Bやヒップ・ホップなど、つまりはデトロイトの黒人音楽が息衝く内容で、そこには前述のWill Sessionsをはじめとしてデトロイトに根ざしたAndresや故James YanceyことJ Dillaに注目株のWaajeed、本作で多くの曲でボーカルを担当するNeco Redd、そして勿論Moodymann自身も制作に加わるなど多くのゲストを招いて、ソロ作品ながらも様々な表現を見せている。オープニングはラジオ番組を再現したようなサンプリングから始まるざっくりグルーヴィーなヒップ・ホップで、スモーキーな音像は正にデトロイトのビートダウン様式と言えよう。続く"Return Of The Ghetto Fly"は過去の作品のリメイクとなるが、ここではJ Dillaのトラックも用いてヒップ・ホップのリズムとPファンクの熱いゴージャス感があるコーラスが混じる熱量と粘性の高い曲となり、濃厚なブラック・ミュージックを展開する。"It's Alright (Waajeed Earl Flynn Mix)"は先行EPをWaajeedがリミックスした曲だが、かなりロービートでヒップ・ホップ寄りだった原曲よりも優しさに満ちたシルキーな響きのR&Bとなり、艷やかな官能に魅了される。勿論Mahogani直系な紫煙が揺らぐスモーキーで訝しくもソウルフルなハウスの"Good Vibes"もあれば、Will Sessionsも参加して舐め回すようなどぎつさがあるPファンク全開な"Put Me In Your Pocket"もありと、多くのアーティストを起用する事で多彩な音楽性に繋がっている。アルバムの後半も盛り上がり所は多く、メロウなコーラスを用いてしっとりと聞かせるざっくりと湿っぽいヒップ・ホップ"It's Alright"から、囁き声の色っぽい歌でMoodymannをフィーチャーしてアルバム中最もアダルトかつセクシーなR&Bとして聞かせる"I Get Moody Sometime"、そして何とNYハウスの大御所であるLouie Vegaが期待通りに力強くハウスの4つ打ちを刻みながらもエレピやシンセが華麗に彩るリミックスをした"So Sweet (Louie Vega Remix)"と、ダンス/リスニングといった区分けも関係なくこれぞMahoganiの熱くソウルフルなブラック・ミュージック節が全編貫いている。やはりキーボード奏者でジャズやファンクをルーツにするだけあって構成能力に長けたアーティストとしてどれも耳に残る魅力があり、ハウス・ミュージックという区分だけで聞くにはもったいない名作だ。



Check Amp Fiddler
| HOUSE14 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
D.K. - Mystic Warrior EP (Antinote:ATN046)
D.K. - Mystic Warrior EP
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Antinoteの主軸アーティストの一人、フランスはパリのDang-Khoa ChauことD.K.は同レーベルからニュー・エイジ/アンビエント/バレアリックという要素が一つになった作品をリリースしており、また近年はMelody As TruthからはSuzanne Kraftとの共作やMusic From Memory傘下のSecond Circleからも作品をリリースしていたりと、その流れを見れば基本的にはリスニング志向の強い音楽性である事は明白だ。(しかし45 ACP名義やSlack DJs名ではロウ・テクノやインダストリアルも披露しているが)。だからこそこのAntinoteからの新作がダンスへと向かった事にやや驚きは隠せないが、とは言っても単純にテクノやハウスという言葉で一括りにするのは難しいその音楽は、敢えて言うのであればニューエイジ・ハウスが適切だろうか。タイトル曲"Mystic Warrior"はロウでどたどたとした4つ打ちのリズムに金属的なパーカッションやジャングルを思わせるサンプリングを被せて、中盤以降になると鐘の幻惑的なフレーズやミステリアスなシンセによって更に異境の地を進んでいく訝しいハウスで、タイトル通りにミスティックな作風だ。"Elements"も同様に簡素でロウなドラムマシンの4つ打ちビートに不思議な打撃音のSEを合わせて随分とささくれだった響きだが、しかし尺八のような和テイストがある笛やエモーショナルなシンセのメロディーに引っ張られる中盤以降になると、途端にぐっと熱い感情性を増した瞑想感覚のあるハウスに成る。裏面の2曲はより奇抜な音楽性が発揮されており、詰まりのある変則的なリズムに深い森の中で鳴っているようなパーカッションが乱れ打ち、エキゾチックな笛や訝しいシンセが原始的な胎動を生み出す"Worries In The Dance"、奇妙なウォータードラムやベルに土着的なパーカッションが霊的な世界へと誘う何かの儀式のような"Earth People"と、D.K.のニュー・エイジ性が色濃く反映された作品と言えよう。フロアを意識しながらも単純なダンスでもない異形な世界観、これは非常に面白い変化だ。



Check D.K.
| HOUSE14 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Astral Walkers - Don't Fear The Sound (Needs Music:NE 020)
The Astral Walkers - Dont Fear The Sound

2017年末にリリースされた『Passage EP』(過去レビュー)で文句無しの相性を見せたAybeeとLars BartkuhnによるユニットであるThe Astral Walkers。テクノからハウスにダウンテンポに幅広くレフトフィールドな音楽性を持つAybee、そして元Needsとしてディープ・ハウスの素質は当然としてマルチプレイヤーでありフュージョン・テイストにまで才能を持つBartkuhn、その二人が組めばジャズやフュージョンにファンクといった要素を自然と融合させた壮大なハウスになるのは目に見えており、演奏家としての才能に裏打ちされたその音楽はクラブ・ミュージックが前提でありながらそれだけの枠で聞くのはもったいない位の魅力を放つ。さて、この新作はBartkuhn主宰のNeedsからのリリースという事もあり恐らく相当の自信作であろうが、本作でもギターやキーボードにパーカッションやドラム、そしてプログラミングまで彼等自身で全てをこなして、生演奏と電子音を用いながら豊潤な響きや壮大な世界観を持ったつまりはNeeds節全開のフュージョン・ハウスを展開している。15分にも及ぶ"Don't Fear The Sound (Full Expansion)"は正に全盛期のNeedsを思い起こさせる曲で、透明感のあるエモーショナルなパッドが舞い優美で繊細なピアノが滴るように被さるエレガントな幕開けから、ジャジー・ハウスなリズムが入ってきて走り出す瞬間に情熱爆発する泣くようなギター・ソロも加われば、それは壮大な宇宙空間が背景に広がっていくスケールの大きいフュージョン・ハウスと化す。自由で流麗なピアノ・ソロが気品を纏い爽やかなコーラスワークは情熱性を増し、生のパーカッションやリズムはざっくりとした響きで有機的なビートを刻み、長い曲構成ながらもそれを冗長と感じさせない豊かな展開が永遠と繰り広げられる。様々な響き、広がっていく展開を持ちながらもそれらがコテコテでやり過ぎに感じられる事はなく、寧ろ洗練されたアーバンな感覚へと昇華されているのはやはり二人の演奏家としての実力が本物である事を証明している。別バージョンとなる"Don't Fear The Sound (Astral Stroll)"はどちらかと言えばAybeeの音楽性がより強く出ているだろうか、弾けるパーカッションとハウスの4つ打ち感を強める事で大きく展開させるよりはミニマルな構成になり、Aybeeらしい奇妙な電子音の響きがギャラクティック感も秘めたよりクラブ・ミュージックらしい作風だ。"Full Expansion"が華やかさを纏い壮大な演出を繰り広げる一方、"Astral Stroll"はダンスへ視点を向けてディープに潜っていく作風で、表裏一体でそれぞれに各アーティストの個性が表現されている。これを聞けば二人の相性の良さはもう言う事無しなのだから、このままアルバム制作を期待したいものだ。



Check Aybee & Lars Bartkuhn
| HOUSE14 | 15:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Crackazat - Magic Touch (Crackazat Reworks) (Local Talk:LTCD012)
Crackazat - Magic Touch (Crackazat Reworks)
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スウェーディッシュ・ハウス代表格のLocal Talkはハウスをベースにしながらジャズやフュージョンにテクノ等を交錯させ、ハイペースな量産体制ながらも質も保ち続ける稀有な存在だ。お薦めのアーティストを誰か一人というのは難しいが、しかしBenjamin JacobsことCrackazatもレーベルを代表する一人である事は間違いない。ブリストル出身で現在はスウェーデンで活動する元ジャズ・ミュージシャンであるCrackazatは、前述のレーベル性を兼ね備えて実にアーティストらしく優美なキーボードワークで魅了しクロスオーヴァーなグルーヴで踊らせもする間違いのない才能を持っている。さてこの新作はタイトル通りに全てCrackazatによるリミックス集で、これに先駆けてLocal Talk傘下のBeerからアナログでリリースされていたLocal Talk面子をリミックスした『Reworks』に加え、更にDJ SpinnaやTerrence ParkerにLay-FarらがLocal Talkからリリースした曲の未発表リミックスまでも加えた豪華な内容で、配信のみで8曲に纏められている。元はそれぞれ異なるアーティストの曲なれどCrackazatが手を加える事で輝かしいシンセのフレーズによる優美な世界観で統一されており、例えばDJ Spinnaによる原曲はジャジーながらも比較的落ち着いたしっとり目の作風だったものが、"Tie It Up (Crackazat Rework)"では跳ねるような弾性のあるリズムに凛としてウキウキとしたシンセが躍動するフュージョン・ハウスにへと生まれ変わり、動きの多いメロディーを活かしながら笑顔に満たしてくれるハッピーな世界観が堪らない。Terrence Parkerが手掛けたNY系のソウルフルなハウスも、"Unconditional (Crackazat Rework)"ではCrackazatらしい豊潤な響きのシンセを多層に被せてゴージャス感を打ち出しながらもフルートらしく切ない笛の音も胸を締め付けるようで、力強いハウスの4つ打ちでディープかつエモーショナルなハウスへと昇華している。Lay-farの"Submerging (Crackazat Rework)"は原曲の優美なストリングスはそのまま用いて大きくいじった訳ではないが、ヒプノティックなアシッドも用いたエレクトロニック調から、スモーキーな音響によってビートダウン風なブラック・ミュージック色を強めた作風へと転換し、じわじわと熱くなる展開に魅了される。他にも艶のあるシンセコードとパーカッションが効いたジャジー・グルーヴが絡んで弾むビート感を生む"Electric Piano On The Run (Crackazat Rework)"や、溜めのあるリズムでぐっと抑えられながらも光沢感のあるシンセが伸びて明るいヴァイブスに包まれるフュージョン・ハウスな"Tears (Crackazat Rework)"など、やはりどの曲にも共通するのはライブ感のある豊かなキーボードの響きで、リミックスとは言えどもCrackazatの個性でしっかりと上塗りされているのだ。



Check Crackazat
| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Waajeed - From The Dirt (Dirt Tech Reck:DTR015)
Waajeed - From The Dirt

ヒップ・ホップやR&Bなどの音楽性をルーツに持ち、過去にはかのSlum Villageの制作にも加わった事もあるデトロイトのプロデューサー&ビートメイカーであるRobert O'BryantことWaajeed。しかし近年の活動はSound SignatureやPlanet Eからブラック・ミュージックを踏襲しながらもそれはハウス・ミュージックへと向かっており、特に自身で主宰するDirt Tech ReckからリリースしたEPはファンクやジャズも咀嚼したデトロイト・ハウスそのものになり、Waajeedの新たなる音楽性が開花された瞬間でもあった。そんな流れから完成したハウス・ミュージックに焦点を絞ったアルバムは、しかし勿論そこに様々な要素が秘められておりクロスオーヴァーな音楽性によって、豊潤な響きを奏でている。初っ端"From The Dirt"から驚きを隠さずにはいられないGalaxy 2 Galaxyスタイルのハイテック路線と呼ぶべきか、輝かしい未来を感じさせるピアノのコード展開と跳ねるようなリズム感によって飛翔しつつ、中盤からはコズミックなアシッド・ベースも大胆に躍動して、希望いっぱいに満たされるコズミック・ジャズだ。続く"After You Left"はガヤ声サンプリングやダークなベースを用いて訝しさを演出しており、その中に妖艶に伸びるシンセストリングスや繊細なエレピが黒光りするように美しく映えるデトロイト様式なディープ・ハウスだが、そこから一転AsanteとZo!をボーカルに起用した"Things About You"はストリングスが空高く輝きながら舞うハイテックなディスコ/ファンクで、デトロイトの逆境に立ち向かうポジティブなソウルに満ちている。そしてジャジーで官能的なピアノで惑わせられる艶のあるジャジー・ハウスな"Make It Happen"、どぎついアシッド・サウンドがうねり悪っぽさが滲み出るアシッド・ハウス調のロウなでダークな"Power In Numbers"、疾走感のある爽やかなテック・ハウスなトラックにIdeeyahのソウルフルな歌を載せた"I Ain't Safe"など、ハウス・ミュージックを軸にしながらそこに曲毎に異なる味付けをしているが、しかしどれにも共通するのはやはりポジティブな感情性だ。最後は先行EPでもあった"Strength (Radio Edit)"で、乾いたタム等を用い軽快に疾走するリズムを刻みそこに優雅なピアノのコードやコズミックなフレーズを絡ませながら、Ideeyahの歌が高らかに希望を歌い上げるようなハウス・ミュージックでアルバムを象徴する1曲だろう。まさかデトロイトから久しぶりにこんな希望のアルバムが、しかも元々ヒップ・ホップ方面のアーティストから出てくるとは予想も出来なかったが、こんなアルバムを待っていたというデトロイトオタクは決して少なくない筈だ。筆者にとっても2018年の年間ベストにも入れたかった一押しのアルバムである。



Check Waajeed
| HOUSE14 | 18:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |