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Sassy J - Patchwork (Rush Hour:RHMC 004)
Sassy J - Patchwork
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オランダ屈指のレコード屋/レーベル/ディストリビューターであるRush Hourは、2018年から一アーティストが監修するコンピレーション・シリーズを立ち上げ、その第一弾にはレーベルを代表するDJであるHuneeによる『Hunchin' All Night』(過去レビュー)が抜擢され、アーティストのキャリアを垣間見せるような幅広いダンス・ミュージックを紹介していた。そしてその第二弾はスイスからSassy Jが担当しているが、地元スイスはベルンで14年にも渡りパーティーである「Patchwork」を主催し、その一方でDekmantelや日本のRainbow Disco Clubにも出演するなど、制作を殆どする事なくDJのみで評価を獲得している生粋のDJのようだ。アルバムには自身が主催するパーティー名が冠されている事からも分かる通り、そのパーティーも含めて彼女がセレクターとして紹介し続けてきた音楽の方向性が示されているようで、テクノやハウスにブロークン・ビーツやネオソウルにアフロ・トライバルなど、Hunneの前作に負けず劣らず幅の広さを持ちながらも、並んでいるアーティストを見る限りではブラック・ミュージック志向な統一感があるように思われる。最初の曲である"Mother Of Mantras"のみ、Farrah Bouleによる正に母の祈りのような呟きなのだが、これがアルバムの幕開けを告げる如くで良いアクセントになっている。続くWarmによる"Blue Sunrise"、実はRon Trentの変名による未発表曲なのだが、透明感や眩きを含む綺麗なシンセの流れとダビーなリズムによって甘い情熱を生むバレアリック寄りなハウスは素晴らしく、このコンピレーションの目玉と言っても過言ではない。続くDegoを含むユニット・2000Blackの"Plastic Jam"は、西ロンのブロークン・ビーツの流れを汲みながらもブギーな4つ打ちへと接近し、メロウ&ファンクなマシンソウルを奏でている。USハウスのベテランであるWarren HarrisことHannaの"Spaceland"はメランコリーな古典的なディープ・ハウスであるが、躍動するスラップベースもあって非常に艶かしい人間臭さを発している。また前述のように4 HeroからDegoが曲を提供していたが、4 Heroの片割れであるMarc MacによるNu-Eraも"Mirror Images"を提供しているが、これはアルバムの中では一番テクノやレイヴの雰囲気が強く、けたたましいローファイなリズムを刻みつつ流麗なピアノがエモーショナル性を加えている。そして終盤、Mr. Fingersによる初期名曲、余りにも慎み深く慈しみを感じずにはいられないジャジーなディープ・ハウスの"Survivor"から、Georgia Anne Muldrowのによる熱が込み上げるように感情を吐露するヒップ・ホップ〜ソウルな"Always"へと至り、気分を穏やかにさせるようにトーンを落としながらアルバムは締め括られる。Hunneの選曲に比べるとダンス・ミュージックの前提は変わらないものの、全体的にレイドバックしていて優しく包み込むような穏やかさが心地好く、特にリラックスして聞きたいリスニング系として最適だ。そして何よりも未発表曲が多いのには驚きだが、これも彼女が長年DJを行いパーティーを主催しながらアーティストや音楽を紹介する事で出来上がったアーティストとの絆によるもので、本アルバムが単なるコンピレーション以上の価値を持つ事になっている。



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| HOUSE15 | 12:00 | comments(0) | - | |
Satin Jackets - Solar Nights (Eskimo Recordings:ESK510720CD)
Satin Jackets - Solar Nights
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2016年の初アルバムである『Panorama Pacifico』(過去レビュー)で、都会のキラキラとしたネオンライトのような眩さに包まれる多幸感に満ち溢れたニューディスコを展開し、洗練された艶やかさを持つそのサウンドはバレアリックでもあり、そしてモダンなシンセ・ポップでもありと、何処かで聞いた事のあるような懐かしくロマンティックな世界観が素晴らしかったSatin Jackets。ドイツ人であるTim Bernhardtによるこのプロジェクトは2010年に開始したのだが、本記事を書くに当たって調べてみたところ実はBernhardt自身は90年代後半から複数のユニットでずっと活動を続けていたようで、ならば歴史の浅いSatin Jacketsの音楽が非常に円熟味があったのも当然の事だと今になって理解した。アンダーグラウンドな方面でも活動していたBernhardtが、しかし人生において愛し続けていたディスコを探求すべくChicやNile Rogersのような艷やかな音楽性を目指して立ち上げたプロジェクトがSatin Jacketsでそうで、それらを今という時代にアップデートさせる事に成功したこの音楽はモダン・ディスコを象徴している。アルバムは帰還を示すであろう"Welcome Back"で始まるが、哀愁たっぷりなピアノコードと切ないギターカッティングを用いた滑らかに溶けていくようなミッドテンポのディスコは、もうこの時点でアルバムが夢のようにロマンティックな世界観を示しており安心させられる。続く"Just Like You"はややR&B風というかしっとりしたリズムと愛らしい女性の歌を起用しつつ、クリアで光沢感のあるシンセを用いて色彩豊かなポップ性を表現したミッドテンポなシンセ・ポップ。そして爽やかかつ甘く誘うような男性ボーカルを起用した"Automatic"、滑らかな落ち着いた4つ打ちに流麗なピアノコードと美しく幻想的なシンセパッドを合わせて、うっとり陶酔させられるニューディスコはあまりにもスムースで心地好い。"Northern Lights"はDavid Harksをボーカルに起用して大ヒットした先行EPの一曲で、オーロラで知られるノルウェーの美しさに影響を受けて制作されたそうで、確かに爽やかなギターカッティングと共に美しい幻想的なシンセのパッドとほんわか温まるコードを重ねて、開放感あるバレアリックな作風と親近感のあるポップな雰囲気一つなった晴れ晴れしいニューディスコとなっている。大半の曲でボーカリストを起用し作風はおおよそ統一されているのだが、"All For You"のようにインスト曲だとエレクトロニックなシンセベースに対して耽美に染めるピアノや美しく伸びるシンセパッドがしっとり綺麗に装飾をするのが明確に分かり、より曲自体の情緒的でドラマティックな構成を感じ取れる事だろう。ゴージャスかつポップながらも淀みの無いクリアな響きのモダン・ディスコは、何処を切り取っても色鮮やかなドリーミーさとロマンスがあり、その人工的な甘味料たっぷりのような甘い世界に没入せずにはいられない。古いクラシカルなディスコのファンは本作についてどう感じるだろうか、しかし表面的な音に違いはあれどこれも間違いなくディスコであり、華やかで感情性豊かな音楽として聞いてみて欲しい。



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