Booshank - Operating With A Blown Mind (Butter Sessions:BSR023)
Booshank - Operating With A Blown Mind
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オーストラリアはメルボンを拠点として活動するPaul GrahamことBooshank、まだこの名義では本作で3作目と決してアーティストとしてベテランではなく初々しさが残るものの、過去にはFirecracker傘下のUnthankからロウな響きとアシッディーな音楽性による快楽的なテクノをリリースしていたりと、なかなかに新鮮なエネルギーと強い個性を放っている。そしてこの最新作も大きな変化があるわけではないが、曲毎にアシッド〜アンビエント〜ディープといった豊かな性質を持たせて耳を惹き付けるが、また今では世界的評価を獲得したGonnoが素晴らしいリミックスを提供している点にも注目だ。9分にも及ぶ"F.T.H."がリードトラック的だろうか、ロウで切れ味のある4つ打ちのリズムに覚醒感のあるアシッド風なシーケンスと滑らかなビート感を生んでいるが、そこにアンビエント的でもありメランコリーさもある艷やかなシンセのメロディーがうっとりとした情感に包んでいく。中盤以降には潰れたようなスネアも強くなり徐々にビルドアップしていく持続性の強い曲で、そんな流れにおいてシンセのメロディーに陶酔させられながら深みにハマっていく。そんなシンセの陶酔感を前面に出したのが"Andys"でこれはビートレスなアンビエント・スタイルで、金属的な電子音を背景にダビーな音響やぼんやりとした電子音をセッション的に構成して、ただただ意味もなく夢想空間が広がるベッドルーム・ミュージックだ。一方でハウスの弾力のある跳ねたグルーヴ感にメランコリーなピアノコードを重ねた"Come On Honey"は、ラフな音質のリズムも肉感的でライブ・フィーリング溢れるシンセの聞かせ方など、EPの中で最も熱狂的なクラブのグルーヴ感に満ちている。がそれ以上に驚かされたのはGonnoによって新たに生まれ変わった"Andys (Gonno Remix)"で、テクノからアシッドにバレアリックやブレイク・ビーツと何でも上手く用いる彼がここではそれらを一纏めに、骨太でゴリゴリとした荒々しいブレイク・ビーツを下地にしながら控えめにトリッピーなアシッド・ベースも導入しながら、叙情的な上モノを微かに被せながらエモーショナル性も打ち出した攻撃的なレイヴ・トラックへとGonnoという音楽性に塗り替えている。太く脈動するグルーヴ感による攻撃的な勢い、アシッドの快楽性と完全にフロアを狂乱へと突入させるピークタイム仕様な曲調で、原曲からこんなリミックスを想像出来ない上にダンス・トラックとしてしっかりと盛り上がれる曲になってしまうのだから、Gonnoのアイデアとフロアを掴む感覚には感嘆せずにはいられない。そのような内容なので、本EPはアンビエントからダンスまで上手く収録されているナイスな一枚。



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| TECHNO14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |

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