DASCO - African Power (Local Talk:LT102)
DASCO - African Power
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ここ数年のクロスオーヴァーなハウスに於いては特に人気を博しているスウェーデンのLocal Talk。ベテランから若手まで多くの強力なタレントを抱えるレーベルに、また新星がカタログに名を連ねる事となった。現在はベルリンを拠点とし活動するイスラエルのDJ/プロデューサーであるDascoは、2017年にHousewaxからデビューしたばかり。バイオグラフィーを参照するとシカゴやデトロイトのレジェンドに影響を受けて、ディスコやテクノ、アフロにトライバル、アシッドなどをハウス・ミュージックに取り込んだ音楽性との事で、特に血の通った感情性を強く意識しているようだ。そしてこのEPである、本人の新曲と共に注目すべきはTrinidadian DeepとAnthony Nicholsonのディープ・ハウスの実力派2人がリミックスを提供している事で、こういった事からも周りからの彼女への期待や評価は大きい事は伺える。勿論彼女のオリジナルが素晴らしい事は言うまでもなく、そのタイトル通りにアフリカンなパーカッションを強調した"African Power"では生々しいベースラインも躍動し、そこに祝祭感のあるホーンや煌めきのあるシンセのリフを合わせて、生っぽさとエレクトロニックが自然と融合した陽気なアフロ・ハウスを聞かせる。"Keep Movin'"はよりざっくりとしたパーカッションが土着的なグルーヴを刻むトライバルな性質があり、小刻みに入ってくる乾いた太鼓の音は何処までも爽快に広がりつつ、そこに伸びやかなパッドが加わってくれば、土臭い風を吹きながらも重力から開放されたように浮かんでいく心地好いディープ・ハウスとなる。どちらもダンスフロアを刺激するグルーヴ感、そして揚々としたポジティブなエネルギーに溢れており、新人ながらも間違いのない才能が光る曲だ。リミックスの方もそれぞれ音楽性が正しく反映されており、"African Power (Trinidadian Deep Remix)"の方は原曲よりも滑らかなグルーヴ感と優美な鍵盤ワークを活かしたディープ・ハウスへと塗り替えられ、ベテランらしい円熟味のある大らかな作風だ。"Keep Movin' (Anthony Nicholson Mediterranian Disco Remix)"の方は芯のあるキックで4つ打ち感を強調しているがこちらも綺羅びやで繊細なピアノ等の鍵盤を配置して、希望の光が溢れ出すフュージョン・ハウスで、力強さとエモーショナル性が一つになっている。



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| HOUSE14 | 18:00 | comments(0) | - | |

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