Chromatic Filters - Lido Iride (Rebirth:REB121)
Chromatic Filters - Lido Iride
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イタリアのハウスレーベルであるRebirthで活動を続けるChromatic Filters。このユニットについては全く知らなかったものの、リミキサーにイタロ・ハウスの老舗であるIrmaを代表していたLTJ XperienceとDon Carlosの二人が名を連ねている点だけに興味を惹かれ購入を決めた次第だが、リミックスも勿論オリジナル音源もなかなかの質だ。Chromatic FiltersはLuca SannaとPierpaolo Sechiのロンドンを拠点に活動するイタリア人デュオで、自身の説明では「80年代初期のNYのディスコシーンからインスピレーションを得ている」そうだ。ディープ・ハウスを好むLuca、そしてベースやシンセを演奏するライブパフォーマンスに興味を持っているPierpaoloの二人の相乗効果によって、確かに本作でもそんな音楽性が結実しているのが確認出来る。"Eugene"は覚醒感のあるシンセベースのシーケンスとゴージャスで綺羅びやかなシンセの使い方が際立っており、そこにどっしり重厚感のあるキックのディスコ・ビートも合わせ、スローモーながらも粘りのあるグルーヴと鮮やかな音色によってぐいぐいと快楽的に引っ張っていく。それをジャズやラテンにも造詣のあるLTJ Xperienceがリミックスした"Eugene (LTJ Xperience Remix)"は、大きな手を加える事はないがラテン系の爽やかなパーカッションにギターのダビーな幻惑的エフェクトを加え、スローモーという点では同じ方向性なもののトリッピーでサイケデリックな雰囲気が強くなり、どちらかと言うとディープ・ハウスといったジャンルに当て嵌まるだろうか。もう一つのオリジナル曲である"First Impact"はディスコのリズムでは同じだがもう少し軽くブギーなノリが爽やかで、そこに綺麗めのピアノコードやパッドで優雅な情緒を演出し、そして陶酔感の強いエモーショナルなギターソロも加わってくると艷やかなフュージョンの味も出てきて、ファンキーなのにエレガントな世界観にうっとり。そして"First Impact (Don Carlos Remix)"、このリミックスも原曲の雰囲気を尊重しており、軽やかに大空へと広がっていくギターの爽快さ、透明感のある綺麗な音の用い方とアンビエンスな浮遊感を保ち非常に心地好い大らかな雰囲気で、そこにリズムはどっしりエレクトロニックな響きのキックによってディープ・ハウスへと塗り替えて、DJ使用性を高めた丁寧なお仕事をしている。ライブ感もあるディスコ寄りな原曲、エレクトロニックなディープ・ハウスのリミックス、どちらもアーティストの個性が反映されつつ古典的なイタロ・ハウスらしい忠実さに安心を覚える内容だ。



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| HOUSE15 | 12:00 | comments(0) | - | |

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