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KiNK & Fabrice Lig - Charleroi DC (Melodymathics:MMOS003)
KiNK & Fabrice Lig - Charleroi DC
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リリースしているアーティストだけを見れば比較的デトロイト系を意識しているであろうベルギーの新興レーベルのMelodymathics。その新作を聞けば予想は確信へと変わるに違いない。なんとベルギーからデトロイトフォロワーの前線にいるFabrice Ligとブルガリアから一躍有名になったKiNKによる共同で作品を手掛けているのだが、その上リミキサーにはブギーなディープ・ハウスで人気を博すDetroit Swindle、これまたデトロイト愛は随一のIan O'Brien、そしてレーベル主宰のMelodymannが迎えられており、話題性も抜群の内容となっている。先ずはオリジナルである"House Version"、メロディアスなシンセの旋律や多幸感溢れる電子音の散りばめ方は確かに両者のエモーショナルな個性が発揮されており、そこに黒くはなくともデトロイトのそれとも共振する爽快なファンキーさも持ち込んで、実にオプティミスティックなテクノになっている。"Detroit Swindle Remix"はパーカッシヴな打楽器を加えつつもビートはざらついており、やや鈍いリズムトラックや荒削りな音質によって派手さを抑えてシカゴ・フィーリングな仕上げ方をしているが、中盤では原曲のエモーショナルな旋律を浮かび上がらせて感動的な瞬間を作っている。そして久しぶりに作品を手掛けた事になる"Ian O'brien Remix"、この手の音楽との相性は当然抜群であり、パワフルで地響きのような4つ打ちに輝きを帯びたコズミック感が炸裂するシンセのフレーズを追加して、宇宙の果てまでも突き抜けていく濃密なハイテック・テクノなリミックスが素晴らしい。対して"Melodymann Remix"は逆にすっきりと情報量を減らした事でビートにキレが出ており、疾走感のあるビート感が目立つデトロイト・テクノ風になっている。元々の原曲がポジティブな希望溢れるものを更に各アーティストが自身の個性を上塗りして、どれも心が晴れ晴れしくなるテクノな作風だ。



Check "KiNK" & "Fabrice Lig"
| TECHNO12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sleazy Mcqueen & The Solid Gold Band - Huit Etoiles (LPH WHITE:LPHWHTX)
Sleazy Mcqueen & the Solid Gold Band - Huit Etoiles
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リエディットやニュー・ディスコ/ブギー系の音楽では一頭地を抜くWhiskey Disco、それを主宰するSleazy Mcqueenの新作が同じくリエディット系では定評のあるLet’s Play HouseのオフシュートであるLPH WHITEから到着。普段はこのアーティストの作品を追い求めているわけではない筆者が本作を手にしたきっかけは、リミキサーに瀧見憲司&神田朋樹、つまりはBeing Boringsや、Running BackのオーナーであるGerd Jansonが参加しているからであり、音楽的な共通点もあるSleazyに期待を込めて購入をしてみたのだ。先ずはオリジナルである"Huit Etoiles"、どっしりもっさりとした4つ打ちグルーヴに合わせてファンキーなギターカッティングを被せ、そこからしとやかなピアノソロも交えてブギー&ファンキーに安定感を持って突き進むニュー・ディスコは、この手の音楽では王道にも聞こえる程だ。何か目新しさがあるわけではないが、低い重心と煌めく上モノが奇を衒う事なくニュー・ディスコの魅力を存分に発揮している。Being Boringsによる"Huit Etoiles (Kenji Takimi & Tomoki Kanda Remix)"は原曲より武骨で厳ついキックへと変化させる事で野太く野性的な荒さを身に纏い、更には原始的な雄叫びも加える事でシカゴ・ハウス的な方向へと振れたサイケデリックかつハードな作風へと予想外のリミックスを披露し、このパワフルさはピークタイムへも嵌るのではと思わせる。対してGerd Jansonによる"Huit Etoiles (Gerd Janson Remix)"はよりディスコ的と呼ぶべきか、生っぽく湿ったキックを活用しつつもエレクトロニックに輝くシーケンスによってモダンさも兼ね備えたドンシャリ系ディスコで、オリジナルよりドライヴィング感を増している。三者三様の作風だが、やはりその強烈さで言えば瀧見&神田のリミックスが印象に残るだろう。Sleazyによるもう一つの新作である"Galway Jam"もうねり脈動するベースラインやディスコでよく聞かれるコズミックなSEの挿入により、古き良き時代の感覚を今に蘇らせたようなクラシカルなディスコで、うきうきと気分が上がるトラックで良い出来になっている。



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| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Marcel Dettmann - DJ-Kicks (Studio !K7:K7340CD)
Marcel Dettmann - DJ-Kicks
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長きに渡りテクノ/ハウスに限らずダンス・ミュージックのリスナーを楽しませてきているMIXCDシリーズ『DJ-Kicks』、その最新作には遂にベルリンはBerghainでレジデントを務め、日本に於いてもその知名度を高めるのに貢献したMarcel Dettmannが登場。過去には『Berghain 02』(過去レビュー)、『Fabric 77』(過去レビュー)、『Conducted』(過去レビュー)とまた人気を博すMIXCDシリーズも手掛けているが、やはりこのDJ-Kicksシリーズはそれらとは異なり真夜中のダンスフロアを意識するよりはアーティストの個人的な好みを反映させたものが特色だろう。そう言った意味ではDettmannによる本作は比較的ダンスフロアにも適応しつつ、他アーティストのシリーズに比べると果敢なチャレンジ精神は少ないかもしれないが、オールド・スクールなテクノからエレクトロやニューウェーブまで取り込んでホームリスニングにも適した構成は、確かにピークタイムのダンスフロア的ではないが彼のパーソナリティーは如実に反映されている。スタートは90年代の古いテクノであるCybersonikをDettmannがリミックスしたバージョンで開始するが、ビートの無くなったリミックスによって静謐な立ち上がりとなっている。そこにOrlando VoornやDettmann自身の硬質でロウなテクノを繋げていき、更にはInfinitiによる古き良きテクノを自らリミックスした"Skyway (Marcel Dettmann Remix)"もセットする事で激しさだけではなく不思議なムードを纏ってリスニング性を保っている。しかし彼のミックスにしては意外にも展開の振れ幅は大きいだろうか、中盤までのMystic BillによるバウンシーなハウスやDas Kombinatによる鞭で打つようなエレクトロ、Clarence Gによるラップ等の流れはDJ-Kicksの特性を意識しているようだ。そこからも闇の陰鬱なムードを保ちながらもハードさを回避し、リズムやグルーヴを常に変容させながら普段の持続感とは異なる展開の多さによって耳を惹きつけ、終盤にはThe Residentsのユーモア溢れるニューウェーブから最後はデトロイトの叙情性もある"Let's Do It (Rolando Remix)"によってエモーショナルなラストを作り上げている。彼が今までに手掛けたMIXCDに比べると本作がベストであるとは言えないものの、しかし普段はプレイしない選曲や自身の特別なエディット/リミックスも多用した点にも興味深さはあり、DJ-Kicksらしさは十分にあるだろう。



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| TECHNO12 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Claes Rosen - Kvasten I Hornet (Local Talk:LT073)
Claes Rosen - Kvasten I Hornet
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スウェーデンを代表するハウスレーベルにまで成長したLocal Talkというある種のブランドが背景にあるとしても、本作はディープ・ハウス好きならば注視せずにはいられないだろう。L-WIZと言うユニットではダブ・ステップをルーツ・レゲエも取り込んだダブ・ステップを披露し、そしてこのClaes Rosenのソロ活動ではデジタル配信を軸にギラついたプログレッシヴ・ハウスから近年は洗練された優雅なディープ・ハウスへと移行しているアーティストの新作で、特筆すべきは2000年代のディープ・ハウスのシーンを席巻したドイツのNeedsが久しぶりにリミックスを提供している事だ。近年はNeedsの一人であるLars Bartkuhnの活動ばかりが目立っていたが、Needs名義がその実Larsによるものかどうかは抜きにしても期待せずにはいられないものだ。それはさておきClaesによる"Kvasten I Hornet"もLocal Talkの名に恥じぬ明るく親和性の高いディープ・ハウスで、フュージョンを思わせる躍動感あるシンセのメロディーとブギーな4つ打ちでどっしり安定したグルーヴを生み、そこに開放感に繋がる広がりのあるコーラスや青々しいサウンドも被せて新鮮な爽快感が満ちる作風は正にレーベル性に沿っている。プログレッシヴ・ハウスを手掛けていたアーティストがこうもモダンに様変わりするのは意外だが、メロディアスな部分では以前からそう変わっていないのかもしれない。さて、本作の目玉である"Kvasten I Hornet (Needs Remix)"は原曲よりも派手さを抑えておしとやかなエレピのコード展開で控え目なエレガンスを展開しつつ、しかし弾けて空気感溢れるパーカッションを大胆に用いるのはNeedsの十八番と呼ぶべきか、この繊細で精密な構成と上品な耽美な世界観は確かにNeeds以外の何物でもないだろう。酔いしれて白昼夢に溺れるような快適性に優れており流石のディープ・ハウスだが、今になってNeeds名義を用いた事に今後の活動が何かあるのかと期待せずにはいられない。



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| HOUSE12 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Harvey Sutherland & Bermuda - Priestess / Bravado (Clarity Recordings:CRC-01)
Harvey Sutherland & Bermuda - Priestess Bravado

メルボルンからの昇り龍、Mike KatzことHarvey Sutherlandの実力をもはや疑う者はいないだろう。特にMCDEからリリースされた『Bermuda』(過去レビュー)でそれは決定的となり確かな知名度を経ているが、Juno 60等の温かいアナログシンセを多用したメロディーやライブ感のあるベースやドラムを用いて表現したセッション性の高いディープ・ハウスは、ハウスだけに括るにはもったいないブギーでフュージョンな音楽性で評価されるべきだ。アーティストとしての歩みは留まる事を知らず、最近ではドラマーや弦楽器奏者とのセッションへと果敢にも挑戦し(その動画はこちら)、その成果はリリースされる作品へも影響を及ぼしている。それが最新作である本作で、ここでも前述の奏者を起用しつつ更には9人のハンドクラップも導入するなど、クラブのダンス・ミュージックという枠を越えてより音楽的な旨味を成熟させる方向を推し進めている。"Priestess"は9分にも及ぶ大作で優雅に舞うストリングスや華麗なピアノの響きが前面に出て、そこに爽やかな響きを生むハンドクラップやざらついて生き生きとしたドラムのリズムが躍動感を生んでいく。既にハウスと言うよりは古典的でさえもあるディスコやファンクの要素の方が強いだろうが、それは懐古的なのではなくルーツへの理解を自信を持って表現した様に思われ、古臭く感じる事はない。もう一方の"Bravado"は振動するような図太いシンセサウンドやベースが特徴的で、ブギーでのどかなグルーヴを刻む4つ打ちの前半から中盤までは大人しめに引っ張りつつ、終盤に向かって渾然一体と様々な音色が煌めくような色彩の響きとなりドラムはけたたましくビートを叩き出して、一気にゴージャスなディスコ・ファンクへと突入する流れに誰しも盛り上がるに違いない。クラブのダンス・ミュージックの枠を越えてと述べたものの、しかしそれでも尚肉体を刺激するダンス・ミュージックである前提もあり、豊かな表現力を持ったDJではないアーティストである事を証明している。



Check "Harvey Sutherland"
| HOUSE12 | 18:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |