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Klauss & Craig - Momentum (Planet E:ple 653916)
Klauss & Craig - Momentum
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いまいち勢いに欠けるデトロイト・テクノのベテラン勢の中でも、時代に関係なくコンスタンスに作品を制作するCarl CraigはやはりDJではなくアーティストとして正当に評価出来る存在であり、ここに届けられた新作はアルゼンチンの電子音楽グループであるKlaussとのセッション作という事もあって興味深い。特にここ数年リバイバルしているモジュラーシンセにはCraigも興味を示しているようで、そんな電子楽器を用いつつKlaussとの突発的なセッションをする事で、よりイレギュラー的な創造性が活かされるのはとも考えられる。しかし実際に生まれた音を聞いてみるとそういった意外性よりはある意味ではテクノの模範的な反復を軸にした作風になっており、"Momentum"では特に毒々しく重苦しいモジュラーシンセのベースラインのループを軸にしつつ、そこに確かにセッション的ではあるラフな電子音の響きを自由に編み込みながらあてもなく彷徨うように被せており、サイケデリックかつディープな世界観はデトロイト・テクノというよりは完全にCraigのトラックとして成り立っているのは間違いない。裏面の"Repeat After Me"はつんのめったように引っかかりのあるリズムに対し、幻惑的な電子音のレイヤーが覆い被さってきてサイバーな世界観へと突入し、途中から更にどぎつい電子音がうねり無形に変化するなど独創的な動きを見せたりと面白い展開もあるが、またそこからモジュラーシンセの単調なループへ戻って軽く電子音するだけの流れは期待以上の物ではないだろう。どちらも10分越えの長尺セッションではあるものの、その長さを活かすように独創的な展開が作れている訳でもなく、幸か不幸かテクノのループを軸にした展開にセッション風な電子のラフスケッチを加えたようではあるので、確かにDJツールとして用いる事に違和感もないだろう。ただ敢えてモジュラーシンセを使った事、またセッションをした事というその両者の面白みが活かされているかと言うとそうでもなく、良くも悪くも非常にCraigらしい近未来的というかSF的な世界観もあるテクノの枠に落ち着いている。



Check Carl Craig
| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
D.K. / S.K. - D.K. / S.K. (Melody As Truth:MAT9)
D.K. S.K. - D.K. S.K
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近年のバレアリック・ミュージックの隆盛は目を見張るものがあるが、そのムーブメントを作る一つのレーベルとしてMelody As Truthを欠かす事は出来ない。元Discossessionのメンバーであり近年はGaussian Curveとしても一躍名を挙げたアーティストであるJonny Nashが主宰するレーベルだが、そのレーベルのもう一人の中心人物がオランダで活動するSuzanne Kraftで、同レーベルをベースに穏やかな静けさの中で夢遊する有機的なアンビエントをリリースしている。そしてまた別に静謐なバレアリック/アンビエント方面で評価を集めているDang-Khoa ChauことD.K.というアーティストがいるが、このS.K.とD.K.がコラボレーションした本作はその両者に期待する音楽性が見事に融和しており素晴らしい。鈍いスネアや優雅なハイハットは間を作りながらゆったりとしたビートを刻み、そこに波紋が広がっていくような零れ落ちる鍵盤のメロディーや美しいパッドが抽象画のようにぼやけて彩りを行う、物憂げなニューエイジ風の"Xerox"からして音の余韻が美しい。そして神秘的な鍵盤のフレーズから始まる"Burn"はそこにリバーブのかかったピアノやギターらしき音を導入しながら、その数を絞る事で繊細に音の間が美しく映えて白昼夢に浸るかのようなアンビエントだ。そしてタブラらしきパーカッションを用いて何処か寺院のようなスピリチュアルな響きもある"No Man's Ground"は、アジアンな打楽器も取り入れる事でエキゾチックな雰囲気を携えつつも、夢の中を彷徨うようなイマジネーションを刺激するニューエイジ色が強いか。"Hammond Blue"では透明感のあるシンセの粒が舞い踊る中で優雅なパッドがアクセントを作る事で豊かな色彩を伴うビートレスながらも動きのあるアンビエントで、そして"Bricks In White"において抽象的なサウンドコラージュに合わせて静謐なピアノのフレーズを被せてミステリアスに展開していくニューエイジな作風は神々しく、最後の"Fade"では何処までも伸びる美しいドローンの上にセンチメンタルなメロディを配して消え入るように静かに、しかし感情性を高めていく。全体を覆う軽くリバーブの効いたもやもやとした音響の中に、音と音の間の余白の美しさが際立つようなシンプルな構成が、すっきりとしながらも気怠い安眠を誘うようなアンビエント/バレアリックな世界は期待以上。寝起きのBGMとしても、昼下がりのうとうとする時間帯にも、夜中寝る前の時間帯にも適したアルバムだ。



Check D.K. & Suzanne Kraft
| ETC4 | 15:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
System 7 & Mirror System - Cafe Seven (A-Wave:AAWCD020)
System 7 & Mirror System - Cafe Seven
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ダンス・ミュージック界きってのオシドリ夫婦ユニット、Steve HillageとMiquette GiraudyによるSystem 7の最新作は、近年並行して活動を行っているアンビエント/バレアリック方面のMirror Systemとの活動が、今まで平行だったものが徐々に接近しながら遂にここで一つになったように同じアルバムの中で共存している。計10曲の内それぞれの名義で5曲ずつ制作を行っており、元々テクノからトランスにアンビエントやバレアリックまで網羅する幅広い音楽性があったものの、敢えて2つの名義を一枚のアルバムに収めた事で集大成的な意味合いがあるのではないか。実際に名義毎に作風は明確に分けられており、冒頭のMirror System名義の"First Wave"は透明感ある美しいシンセのレイヤーやかもめが鳴くようなディレイのかかったギターを用いて、ゆったりと波が広がっていくようなダウンテンポスタイルのバレアリック性の強い曲で、青い大空が広がる下で聞きたくなるような開放感がある。続くSystem 7名義の"Big Summit"は4つ打ちテクノの疾走するビート感に合わせ毒気のある電子のベースラインやサイケデリックなシンセがうねり、当然特徴的なディレイのかかったギターが高揚感を誘って、プログレッシヴ・ハウスとトランスの要素を含んだ快楽的な曲だ。また彼等の活動に於いて欠かせないコラボレーションは本作でも健在で、邦人ユニットであるSudoの曲を"Sensation (System 7 Remix)"としてリミックスしており、元のディープでテッキーな曲調に対しビート感はすっきりさせながらも快楽的なギターのフレーズ等を加える事で空間の広がりを感じさせる壮大さが増している。見逃せないのはMarcus Henrikssonとのコラボである"Million Suns"だろう、洗練されたミニマルなビート感に繊細でトリッピーな電子音を丁寧に編み込んだようなサイケデリックなテクノは、Henrikssonの音楽性が正しく反映されながらSystem 7の音としても鳴っており互いの音楽性が相乗効果として融合している。またJoujoukaによる"And Justice Killed (System 7 Remix)"は当然の如くサイケデリック・トランスな音だが、ロック風なギターリフが激しく咆哮したりハイエナジーな攻撃性が全く違和感無いのも、貪欲に色々なアーティストとコラボし音楽性を広げてきたSystem 7ならではだろう。そして終盤の"Cloudface (Mirror System Remix)"でぐっとテンションを落とし、ディレイが効果的なギターや電子音によって広がりを生む事で無重力空間の浮遊するようなドリーミーなアンビエントを聞かせ、熱狂的な曲調からチルアウトへの切り返すアルバムの流れはドラマチックでもある。見事にSystem 7らしくバリエーション豊かなアルバム構成で、65歳を越えたベテランながらも一向に衰える事のない創造力は今も尚新鮮なダンス・ミュージックを生み出している。



Check System 7
| TECHNO13 | 18:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Mike Dunn - My House From All Angles (Moreaboutmusic:MAMBB001)
Mike Dunn - My House From All Angles

何があったのか昨今のシカゴ・ハウスに於ける名作のリイシューラッシュの勢いは驚くべきもので、Dance ManiaやTraxにChiwax等含む多くのレーベルから数え切れない程に過去の作品の掘り起こしが行われている。そんなシカゴ・ハウスが賑わう状況で2018年にはそのレジェンドであるLarry HeardことMr.Fingers名義のアルバムが24年ぶりに発表された事は記憶に新しいが、それにも負けないのが2017年の年末にリリースされたMike Dunnによる2ndアルバムである本作で、こちらは何と1990年以来の27年ぶりのアルバムになる。Dunnはシカゴ・ハウスの黎明期から活動するDJでゲットー地区生まれと言う事も影響しているのか、そのTB-303やTR-808を用いたアシッド・ハウスは荒々しく正にジャッキンなもので、それだけに留まらず数々の変名を用いてガラージやディープ・ハウスにも取り組んでいたが、アルバムを制作しなかったのはやはりDJツール的な音楽性が故だったのだろうか。しかし本人曰くやる気とアイデアが湧いてきたそうでこのアルバムへと繋がったのか、そして久しぶりのアルバムと言う事もあるのか不穏なアシッド・ハウスだけではなくボーカル・ハウスや流麗なテック・ハウス気味の曲もあったりと、ベテランとしての集大成的な構成にはただ野蛮なけではなく完成されたベテランとしての貫禄が漂っている。出だしの"Acid Rush"はうねるアシッドのベースが古典的なアシッド・ハウスではあるものの、魔術的な呟きの導入もあってか激しいと言うよりは催眠的でアシッドの幻惑的な効果が打ち出されている。"Body Muzik"もファンキーなボーカル・サンプルや呟きが用いられており、こちらはよりラフなハイハットやリズムの鳴りがジャッキンに響いており、オールド・スクールでB-Boy的だ。だがアルバムは進む毎に多様な表情を見せるようになり、4曲目の"DJ Beat That Shhh"ではMD X-Spressをフィーチャーして野暮ったくもどこかメロウな歌とスカスカなリズムのヒップ・ハウスを聞かせ、"Have It 4U Babe"では切り刻んだようなサンプリングやディスコなベースラインを用いて熱量あるソウルフルなハウスを展開し、"Modulation"に至っては潜めるようなアシッドを混ぜながらも快楽的で美しいシンセのリフがモダンで洗練されたヨーロッパ的な雰囲気のテック・ハウスを匂わせており、Dunnに対する古典的なアシッド・ハウスのアーティストという間違ったイメージを正しく塗り替える。それでも尚安っぽくて垢抜けなくも狂気が滲むアシッド・ハウスの魔力は魅力的で、その後にも"Move It, Work It"のようにたどたどしいTR系のリズムとねちっこいTBのアシッドなベースの単純な構成のシカゴ・ハウス等も用意されており、長い経験から生まれた幅のある豊かなハウス・アルバムでありつつアシッド・ハウスというルーツは変わっていない。久しぶりのアルバムだからと言って甘い評価は必要なく、シカゴの重鎮としての力量が爆発したファンキーな一枚だ。



Check Mike Dunn
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Space Dimension Controller - Gaining Time (Dekmantel:DKMNTL054)
Space Dimension Controller - Gaining Time
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懐かしみのあるシンセ・ファンクを武器に、レトロ・フューチャーな感覚のあるサイエンス・フィクションを展開するJack HamillことSpace Dimension Controllerは、音楽で近未来の宇宙旅行へ誘うようなストーリーを語る。そのストーリー仕掛けの構成はデビューアルバムである『Welcome To Mikrosector-50』(過去レビュー)に於いて特に顕著だったが、それからNinja Tuneからリリースされた2ndアルバムである『Orange Melamine』(過去レビュー)は10代の頃に制作された音源を纏めた事もあって衝動的ながらやや纏まりはなく、今思うとらしくないなと思う点は否めない。がしかしどういった経緯でDekmantelからのリリースに至ったのかは不明にしても、この新作は非常にデビュー当時のSF感の強さとメランコリーが際立つテクノで、特に騒がしいダンスフロアとは別の聞かせる事を重視した構成によってSDCの世界観を存分に体感する事が出来る。13分越えの"Everything Is Better Now"はロボットボイス的な男女の会話から始まる如何にもレトロフューチャーな世界観で、そこからアタック感の強いスネアやキックを用いた何となく7〜80年代の空気があるシンセポップな感覚が広がり、アトモスフェリックに浮遊する電子音やポップで懐かしみのあるシンセサウンドで宇宙空間を遊泳するような世界へと引き込まれる。あてもなく悠々と無重力空間を散歩するようなコズミック感は、何処までも果ての見えない壮大な宇宙の景色を喚起させ、そして長尺で展開する事で時間の経過も忘れてしまうゆったりのんびりとした旅が待っている。これこそSDCだと断言出来るスペース・オペラ・テクノの大作だ。また15分にも及ぶ"NRG Intersect"は一転して全編ビートレスのアンビエント・スタイルで、薄いパッドがバックにドローンのように持続しつつシンセの音色が揺れながら浮遊感を伴いながら自由な旋律をなぞり、広大な宇宙空間にぽつりと放り出されて孤独な時間を過ごす感覚に陥る。そして最後の"(Still) Returning"もビートレスだがドリーミーな音の波が引いては寄せるように反復して、より穏やかに優しく揺りかごで揺らされて睡眠を誘うチルアウト感が強い。どれも文句なしにSDCに期待しているイメージそのものであり、このシンセ・ファンクやアンビエントの路線でまたアルバムが制作される事を願わずにはいられない。



Check Space Dimension Controller
| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |