2011.01.24 Monday
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寡黙な活動ながらも一曲一曲に対する丁寧な制作を行い、そして多数のアーティストとのコラボレートにより幅広い音楽性も得て、そして2010年は溜まっていたエネルギーを発散するかの様に新作を披露してきたJebski。そして2011年、遂に待ちに待っていた1stアルバムがリリースされた。フロアでの大音量でも耐えうる綺麗な音質、豊かな情感を持ったメロディー、曲の隅々まで張り巡らされた細やかな音の配置、山あり谷ありのドラマティックな構成、霊験あらたかなアルバムジャケットとEPの素晴らしいアートワークも収録したパッケージとしての価値など、褒め称えるべき点は幾らでもある。しかしそんな説明などJebskiの音楽の前では最早不要とさえも思えてしまう、それ程まで流行や時代とは無縁で絶対的かつ普遍的な魅力を持ったベスト的アルバムとなっている。オープンニングのGerald Mitchellも制作に参加した"Still"から一気に魂を鷲掴みし、次の"Flame"では圧倒的な音の洪水でトライバルの波に引きずり込む。中盤の"Field"では光輝く至福の世界が広がり、次の祈りにも似た感情を呼び起こすダウンテンポ"September"でそっと癒される。そこからはラストまではエモーションが深みを重ね、徐々に落ち着きと切ないドラマを展開しながら、またもGerald Mitchellが参加した儚いブレイクビーツの"Breeze"で壮大な夢が終わるかの様に一大叙事詩の終焉を迎える。アルバムの隅々にはJebskiの喜怒哀楽の感情が詰め込まれ、電子から生まれながらも血の通った音と言う媒介を通してJebskiの内なるソウルを伝えきっている。言葉は要らない、ただ彼の音に魂にそっと耳を傾ければ良い。
JEBSKI by Panoramic Audio Domain
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