2011.12.04 Sunday
のんびりとフロアに到着すると既にJebskiがライブの準備をしており、直ぐにライブが開始されました。最初はノンビートのゆったりと幽玄なメロディーがじわじわと空間を侵食しつつ、景色の色が滑らかに移り変わるように音も徐々に静から動へと変様し、そして高らかに強烈なエネルギーが迸るシンセ音が振り下ろされました。幕開けはアッパーでトランシーなダンストラック"Vision"、一気にピークタイムへと突入する曲。続いてゴリゴリと図太いグルーヴにSF的スペーシーな音が絡む"Hakuba"では迸るエネルギーを、そして井上薫の曲をJebskiがリミックスしたミニマルでテックな新曲では美しくもディープな世界を聞かせて、美しさと凶暴さを兼ね備えたライブを披露しておりました。一曲一曲が長尺でその中で壮大な展開が繰り広げられるライブは、本当に大きな盛り上がりを体験出来る音楽のジャーニーとでも呼ぶべきで、楽曲の良さが直に伝わって来ます。ラストにはチョッパーストリングスが印象的な"Still"、涙腺を刺激するエモーショナルなこの曲は感動的なラストを飾るにはぴったりでした。
そして井上薫の短いDJを挟みつつ、お次はHiroshi Watanabeのライブへ突入します。こちらも出だしからしてかなりグイグイと力強いグルーヴで引っ張っていくライブで、Kaito名義とはもう完全に別物。特に序盤は展開を抑えてジワジワと単純なループで引っ張りつつ、リアルタイムでエフェクトをかけダビーな音を飛ばしたりと、直感的なメロディーよりも抽象的かつ重厚な音の鳴りで深みに嵌らせておりました。途中からお得意の流麗なシンセが溢れ出して美しく幻想的な空間を描き出しつつも、その下では流れるようにグルーヴを走らせ、一向に緊張を途切らせる事無くフロアを熱狂的に盛り上げてピークタイムを演出。そして終盤ではメロウネスを増しながらしっとりとしたシンセ音を聞かせて、美しい音に酔いしれてしまう程にドラマティックな"Happiness Sadness"でライブは終了。一時間もあっという間に過ぎてしまうワタナベさんの鬼気迫るライブ、素晴らしかったです。
そして夜も深まった時間に遂にレジデントの井上薫が登場。一番最初に彼がプレイする曲は…お約束の"The Invisible Eclipse"、兎に角この曲のカラフルな多幸感はもう桃源郷の世界。これ一発でフロアの心を鷲掴みにし、そのまま序盤はJebski、DJ Yougrt & Koyas、The Backwoodsら敢えて日本人の楽曲を中心にプレイしておりました。キラキラと眩ばかりの光に包まれるハイテックな曲で疾走感と覚醒感を伴いながら、徹底的にポジティブな音を鳴らし先へ先へと突き進む井上薫のプレイ。そしてレジデントであるからこそ自由に出来るgroundrhythmでは、井上薫のオープンマインドなプレイが聴ける場所でもあり、途中からはジャンルレスにクラシックも混ぜつつ世界を渡り歩くプレイへと突入。ディープハウス傑作の"I'm Your Brother"からの自身最大のヒット曲"Aurora"の繋ぎにはもう言葉を失う程に感動的で、まさにこのパーティーが祝祭である事を感じさせました。そこからはディスコ、ファンク、アコースティック、テクノ、ハウス、サンバ、山下達郎までなんでもござれの井上薫の郷愁と慈愛に満ちた、朝方と言う時間帯に相応しいしっとり湿り気のある音に移行し、踊り狂った後の喪失感を埋めておりました。終盤では"Agora E Seu Tempo"もプレイしていましたが、やはり彼が好きな音には何処かスピリチュアルな空気もあり、単に踊る以上のメッセージ性を打ち出すgroundrhythmに於けるプレイは格別のものです。9周年らしい多岐に渡る総決算な井上薫の世界観を体験出来たパーティーで、これこそがgroundrhythmの醍醐味なのでした。
■Jebski - Pad(過去レビュー)
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■Hiroshi Watanabe - Sync Positive(過去レビュー)
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そして井上薫の短いDJを挟みつつ、お次はHiroshi Watanabeのライブへ突入します。こちらも出だしからしてかなりグイグイと力強いグルーヴで引っ張っていくライブで、Kaito名義とはもう完全に別物。特に序盤は展開を抑えてジワジワと単純なループで引っ張りつつ、リアルタイムでエフェクトをかけダビーな音を飛ばしたりと、直感的なメロディーよりも抽象的かつ重厚な音の鳴りで深みに嵌らせておりました。途中からお得意の流麗なシンセが溢れ出して美しく幻想的な空間を描き出しつつも、その下では流れるようにグルーヴを走らせ、一向に緊張を途切らせる事無くフロアを熱狂的に盛り上げてピークタイムを演出。そして終盤ではメロウネスを増しながらしっとりとしたシンセ音を聞かせて、美しい音に酔いしれてしまう程にドラマティックな"Happiness Sadness"でライブは終了。一時間もあっという間に過ぎてしまうワタナベさんの鬼気迫るライブ、素晴らしかったです。
そして夜も深まった時間に遂にレジデントの井上薫が登場。一番最初に彼がプレイする曲は…お約束の"The Invisible Eclipse"、兎に角この曲のカラフルな多幸感はもう桃源郷の世界。これ一発でフロアの心を鷲掴みにし、そのまま序盤はJebski、DJ Yougrt & Koyas、The Backwoodsら敢えて日本人の楽曲を中心にプレイしておりました。キラキラと眩ばかりの光に包まれるハイテックな曲で疾走感と覚醒感を伴いながら、徹底的にポジティブな音を鳴らし先へ先へと突き進む井上薫のプレイ。そしてレジデントであるからこそ自由に出来るgroundrhythmでは、井上薫のオープンマインドなプレイが聴ける場所でもあり、途中からはジャンルレスにクラシックも混ぜつつ世界を渡り歩くプレイへと突入。ディープハウス傑作の"I'm Your Brother"からの自身最大のヒット曲"Aurora"の繋ぎにはもう言葉を失う程に感動的で、まさにこのパーティーが祝祭である事を感じさせました。そこからはディスコ、ファンク、アコースティック、テクノ、ハウス、サンバ、山下達郎までなんでもござれの井上薫の郷愁と慈愛に満ちた、朝方と言う時間帯に相応しいしっとり湿り気のある音に移行し、踊り狂った後の喪失感を埋めておりました。終盤では"Agora E Seu Tempo"もプレイしていましたが、やはり彼が好きな音には何処かスピリチュアルな空気もあり、単に踊る以上のメッセージ性を打ち出すgroundrhythmに於けるプレイは格別のものです。9周年らしい多岐に渡る総決算な井上薫の世界観を体験出来たパーティーで、これこそがgroundrhythmの醍醐味なのでした。
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