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Ken Ishii presents Metropolitan Harmonic Formulas - Music For Daydreams (70Drums:FICS-2002)
Ken Ishii presents Metropolitan Harmonic Formulas - Music For Daydreams
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日本のテクノシーンを長きに渡り支え、そして早くから世界に飛び出したKen Ishii。目まぐるしく移り変わり激動の時代へと突入した近年の音楽シーンに、流石の彼もアルバムを作るモチベーションが保てなかったと発言していた。しかし2010年に"Tokyo Midtown Soundscape"と言うプロジェクトで東京ミッドタウンの館内BGMを選曲し、そこからダンスミュージックに依存しない音楽に活路を見出し、様々なアーティストとのコラボーレーションを行う事でより雑多な多様性を持つアルバムを創り上げた。真夜中の為のダンスミュージックではなく昼間でも楽しめる、そして聴く者を限定しない普遍的かつポピュラーな電子音楽は、セルアウトどころか既存の路線を越えていく野心に溢れている。とは言っても肩の力は抜けリラックスして制作された本作は、確かに"白昼夢の為の音楽"と言うタイトル通りに現実を忘れるようなラグジュアリーで色気のあるリスニング的な構成で統一されている。それは真夜中の何処か危険の香りのする色気ではなく、都会的な洗練されたポップな音の響き、オプティミスティックに透徹した空気から生まれたモノで、日常の生活の中で安らぎと和みを提供する。ボーカルとしてEmi Meyer、そしてダンスミュージック方面からはJazztronikやTokyoBlack Star、Masaki Sakamotoが、そして意外にもジャズミュージシャンである菊地成孔も制作に参加しているが、これらのコラボレートはKen Ishiiのサウンドに更にドラマティックな彩りを添える事に成功しリスニングとしての価値をより高めている。特に菊地がサクソフォンを吹くMr.Fingersのカヴァー"Can You Feel It"の出来映えは、原曲の切なさを全く損なう事なく現代にアップデートした傑作と言えるだろう。それ以外のトラックに関してもポップではありながら、Ken Ishiiにしか成し得ない未来的な音の奇才っぷりを発揮し想像力を刺激する点も忘れてはならない。ベテランだからこそ醸し出せた音楽的な成熟と、そして新たに生まれ変わったフレッシュな感覚を伴う、会心の出来と言えるアルバムだ。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
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Music for Daydreams
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