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2012/7/20 Mojuba Nacht -STEREOCiTI "Never Trust A DJ" Release Party- @ Eleven
ドイツのディープハウス/テクノで一際注目を集めているMojuba Records。古き良きデトロイト・テクノやシカゴ・ハウスをこよなく愛する若きDon Williamsが立ち上げたこのレーベルは、一貫したディープネスと曇りなき生真面目な音を追求しつつユーモアとDIY精神溢れるレコードへのデザインが賞賛を浴びている。そして遂にドイツはPanorama Barで開催されているレーベル・ナイト「Mojuba Nacht」が、Oracy a.k.a. Don Williamsを呼び日本でも開催される事となった。かつてDon Williams名義でのは来日はあるが今回は"Power House"と自ら称するDJをするOracyでの来日となり、そしてMojubaの日本支部代表であるSTEREOCiTIも参加して、Mojubaと言うレーベルを存分に体験出来る二人会のパーティーに遊びに行ってきた。
日が変わって比較的早めにフロアに入ると、その時点で既にOracyはプレイ中。Don Williams名義のDJを聴いた事はないのでどう異なるかは分からないが、確かにテクノと言うよりはハウスのピッチの規則正しいグルーヴを刻みながら、そしてゆったりと浮遊するようなテック系の音を発していた。ただ疾走するようなテックハウスとは何処か違っていて、例えば初期デトロイト・テクノやそれに影響を受けたUKのAIテクノの知的で懐かしい、そしてTR系リズムマシンの音も鳴っているオールド・スクールな乾いた質感が強い。強引に盛り上げる事なく淡々と気品と知性を保ちながら美しい世界感を繰り広げるプレイは、正に彼が主宰するMojuba Recordsの方向性を指し示していた。何処かドライで無機質な印象を受けながらも、しかし根底ではエモーションとソウルを感じさせ、デトロイト・テクノのクラシックも時折プレイしつつ地味にフロアにディープな世界を作っていた。途中からはピークタイムに向けてピッチも上げてシカゴ・ハウスに影響を受けた荒れ狂う力強さも聞かせ、3時間弱のプレイの中でデトロイト/シカゴを消化したドイツのディープ・ハウスと呼ばれるものを表現し切っていた。目新しさや派手なプレイは無いので一般的に盛り上がるとは言えない玄人受けのプレイではあるものの、特に序盤における情感の強いアート的に聴かせるプレイはMojubaらしく美しい音が広がっていて良かったと思う。

そしてピークタイム中にバトンタッチをされたSTEREOCiTIは、シカゴの野蛮さを持ったミニマルで簡素なテクノ/ハウスでフロアを沸き立たせた。滑らかなグルーヴのハウスを基調としながらもテクノの攻撃性もあり、オールド・スクールな懐かしさもありのOracyに負けず劣らずの脂の落ちた乾いた音で、しかし秘めたるエモーショナルがじわりと滲み出てくる激渋セット。殆どがアナログ中心のプレイなのも気分を奮い立たせ、優しく丁寧にソウルを織り込んでいくプレイに心が温まる。途中からは朝方に向かっていく時間帯に合わせてかNY系歌物ハウスや洗練されたテックハウスも混ぜて、徐々に張り詰めた緊張感も解きほぐされながら叙情感は逆に増し、フロアには弛緩した開放感も漂っていた。オールド・スクールだけじゃない、今のモダンな音だけじゃない、その両方を違和感無く自然と手繰り寄せるセンスは流石に長い経験の賜物。朝方のファンキーなエレクトロや優雅で繊細な歌物ハウスさえもスパイスとして使用し、長いプレイの中に華として際立たせていた。OracyもSTEREOCiTIも十分なプレイ時間があったのでその中で掴み所が無さそうでありながらバランスの良いプレイをしていて、長い長い一夜のパーティーを飽きさせる事なくMojuba Recordsらしいエモーショナルな音を体験させてくれた。

■STEREOCiTI - Never Trust A DJ(過去レビュー)
STEREOCiTI - Never Trust A DJ
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