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2012/9/28 TEDER PRESENTS R&S LABEL SHOWCASE @ Womb
2010年頃から再始動を果たしたベルギーの老舗テクノレーベルであるR&S Recordsは、閉鎖前は硬派なUKテクノやデトロイト・テクノに始まりドラムン・ベースやビッグ・ビートの波にも乗りつつ、近年の再始動後には今トレンドとなっているダブ・ステップも熱心に取り組んでいる。今回は目出度くR&Sのレーベルショーケースが開催される事になったのだが、そこに出演するのがテクノやダブ・ステップの新世代であるSpace Dimension Controller、Lone、The Chainだ。果たして彼らがどんな音を聴かせるのか、期待を胸にパーティーへと足を運んできた。
先ずはThe ChainのDJセットから聴く事になったのだが、時間が早かったせいかフロアは人が疎らでDJ自体も余り気合が入っていないのかそれ程盛り上がらない。がっつりダブ・ステップなプレイと言う事もなくテクノの4つ打ちを守りながら随分と硬質でクールな音で淡々とした音を流していて、そこにほんの少しだけUKベース的な横乗りのグルーヴもあったものの特段に目を見張る点は無かった。客も増えてきてからはセットも上げてきてアシッドベースが入ったりスピード感も出たりで踊りやすくなったものの、早い時間にもかかわらず"Can You Feel It"をプレイしたりと方向性がよく掴めなかった。

その後のLoneは客の期待度も高かったのかかなり盛り上がるDJセットを披露していた。テクノ、ダブ・ステップ、ブレイク・ビーツと兎に角勢いのあるグルーヴに目まぐるしく変わる展開やブレイクを度々作るなど、よく練られたDJセットとは言えないけれどあそこに居た客が望むような派手なセットを行なっていた。前のめり気味にぐいぐいと切り込んでくるようにやらたとテンションの高いリズムにキャッチーに躍動する美しいメロディーラインで忙しない程に展開させていて、あそこまで色々詰め込むと思考も間に合わなくなりただただ楽しく踊る事が出来た。途中で”Timeline”をプレイしてデトロイト・テクノもやっちゃうんだみたいな意外な流れもあり、若さ故のパワーはあったと思う。The ChainにしろLoneにしろまだまだ若さを感じさせる青臭いセットでベテラン的な貫禄は当然無いけれど、あの妄信的な勢いで楽しませるのもパーティーとしては有りだろうし、90年台に迷走していた時期のR&Sらしいレイヴ感みたいなゴチャゴチャ何でもありのプレイは確かにR&Sらしさも含んでいた。

そして最後に登場したのがまだ21歳と本当に若いJack HamillことSpace Dimension Controller。しかしその実力は折り紙付きでR&Sからリリースされているアナログは、デトロイト・テクノを意識した自らがギャラクティック・ファンクを称する音楽で高評価を得ている。そしてこの日は実はSDCの日本初のライブと言う事で彼の名作を存分に堪能出来ると思っていたのだが…蓋を開けてみると前回と同様にDJセットじゃないかぁ〜。ちょっと落胆しつつも直ぐに気を取り直してDJを楽しめば、前半30分以上は全く上げないデトロイト・ビートダウン〜ディープ・ハウスのセットでフロアに冷や水を浴びせる意外なプレイ。敢えて上げない、無理に上げない、地を這う粘りのあるグルーヴでエモーショナルにフロアを温めつつ、中盤からは疾走感と透明感のあるピュアなテックハウスや跳ねるようなファンキーなテクノで波に乗らせると、中盤のピークタイムは”Jupiter Jazz”から"Central Nervous Systems"へと繋ぐ悶絶デトロイトセットでフロアは大喝采。更に終盤に向けてミニマル色強めなざっくりした質感のハードな4つ打ちで攻めてきて、ラストは高いテンションを保ったまま"Donkey Rhubarb"の変態ブレイク・ビーツで楽しく終了。SDCに関してはR&Sらしい次世代テクノ/ダブ・ステップと言うレーベルカラーをそれ程意識していないのか、彼を育んできたデトロイト・テクノやファンクにUKテクノと言ったクラシカルな要素を愛情を持って表現しており、流行や俗世的なものに囚われずに求道的にエモーショナルな音を追求しているように感じられた。欲を言えば彼の名曲が並ぶライブを聴いてみたかったが、DJでも彼なりのソウルを体現して素晴らしいDJセットを聴く事が出来て満足である。

その後30分位The Chainがブースに戻ってDJを行い5時きっかりでパーティーは終了。パーティーはわりとあっさりと終わってしまったが、現在のテクノが完全にドイツ色に染められている中でのR&Sとテクノの次世代を担うアーティストの音(それが単なるトレンドだしても)を存分に体験出来て、良い機会になったと思うし無心になって踊って楽しめるパーティーだった。

■Space Dimension Controller - Temporary Thrillz(過去レビュー)
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