2013.04.18 Thursday

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リミックスワークにおいては常に数多のアーティストから引っ張りダコであるHenrik Schwarzなのですっかり忘れてはいたが、自身のソロ活動としては暫く新作をリリースしていなかった。本作は実に3年ぶりとなる久しぶりのオリジナル作品なので注目を浴びるのは当然として、その上Carl Craigがリミキサーに起用されたと言う事では買い逃しは厳禁にならざるを得ない。Schwarz自身がボーカルも務める"Return Version"では、その悩ましげな暗い歌と共に異国情緒を匂わせるどす黒いサイケデリアが渦巻くディープ・ハウスを披露しており、軽目の酩酊が何処までも継続する。ピークタイムに持って行く迄にずぶずぶと泥臭い深みに嵌めるタイプの曲で、Schwarzらしい覚醒感はあるが比較的落ち着きのあるトラックだ。その一方でやはり才能を大爆発させたのが"C2 Vocal Rmx"を提供したCarl Craigで、キレのあるハイハットや精密に打たれる4つ打ちのファットなキックなどリズムトラックで洗練へと向かいつつ、ギラついた輝きを見せるシンセや未来的なインテリジェンスも感じさせるサウンドを被せて、エレクトロニックへと向かいながらも情緒豊かなデトロイト・テクノへと見事に昇華させている。やっている事はいつもそれ程変わらないのに、一聴してC2の音だと判断がつくその個性は貫禄さえ漂わせている。レコードは重量盤かつホワイト盤で存在感もバッチリなので、やはりアナログで所有するのがベターだろうが、配信ではトラックに特化した歌無しの"C2 Inst Rmx"も収録されている。
試聴
Check "Henrik Schwarz"