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2013/4/6 groundrhythm "deep house session" @ Air
井上薫を中心に据え置きパーティーの都度、実力派のベテランから期待の新人まで国内勢のアーティストをゲストに迎えて開催されるgroundrhythm。今回のゲストはDJ歴30年近くになろうとしているEMMAが遂にgroundrhythmに出演する事になった。過去にDJ EMMAが当パーティーに出演した事は恐らくない筈で、今回はなんと"deep house session"とコンセプトを用意し、井上薫とDJ EMMAの二人だけでメインフロアを担当する異色の一夜なのだ。
当日の夜は大雨と強風と言う悪天候で外に出るのも気が滅入る状態だったものの、なんとかAIRまで行ってフロアに入ってみると普段とそれ程変わらない集客でほっと一安心。特に外人がいつもより多かったが、一体何だったのだろう。それはさておき今回のgroundrhythmはパーティーの前半を井上薫が担当する非常に珍しい機会で、既にブースに入ってプレイ中だった。"deep house session"とは銘打っていたものの、鳴っている音は狭義の意味でのこてこてUS産ディープ・ハウスなわけでもなく、ハウスの真髄を表現する為の広義のディープ・ハウスと言う感じで、普段よりは民族的なリズムやパーカッションは抑えつつテック・ハウスやプログレッシヴ・ハウス、歌物ハウスから不気味なルーマニアン・ハウスまでハウスのグルーヴを主張しながら、アーバンな夜に相応しい洗練された音を鳴らしていた。パーティーの前半と言う事もあってかアッパーに振り切れる事もなく躍動感はありながらもテンションを飼い慣らすように制御し、クールな温度感でフロアの空気を作り上げていた。"E2-E4"ネタのハウスやDeetronのソウルフルな歌物"I Cling"、そして終盤のピークタイムにはArnold Jarvisの永遠不滅のクラシック"Inspiration"で身も心も聖なる歌で洗い流すように歌物もふんだんに使用され、その後の湿っぽく生っぽいディスコへも上手く繋いで深夜の盛り上がる時間帯を演出していた。

その後はラウンジへと移動し、もうそろそろSeeds And Groundより初のアナログリリースをするAwaneのDJを聴く事に。そちらのアナログはモダンさもある丁寧かつ綺麗に研磨されたテック・ハウスなのだが、DJの方も程良いファットな厚みのあるテック・ハウスを中心とした疾走感のプレイだった。ソウルフルだったり生音風だったりと手を加えるのではなく、あくまで電子音の鳴りをそのまま聴かせるようなテック系で、その意味では雑音を取り除いて滑らかに研磨された綺麗な印象だ。ちなみにAwaneによるMIXCD「point of view」シリーズの第1段であるアンビエントコレクションが、手売りされていたので買ってきた。ジャーマンプログレから90年代アンビエントに近年のリスニングまで収録されており、パーティー後のチルアウトには程良い緩さだ。

最後にメインフロアに戻りDJ EMMAのプレイを聴く事に。DJ EMMAと言えばGOLD時代からの大ベテランであり、日本のパーティーシーンを創り上げてきた一人でもある。とは言いながらも自分はろくに彼のDJプレイを聴いた事もなく、今回がもしかしたら初体験である可能性が高い。名物シリーズ”EMMA HOUSE”の選曲を見る限りではテクノもハウスも、古き良き時代のNYハウスも好んでいるようだし何でもアリな気はしていたが、実際に生でプレイを聴くと良い意味で猥雑としていて非常に汗臭く人間味のあるDJだと言う事を理解した。ブレイク・ビーツ気味にバタついたリズムのヒップ・ハウスから熱量の高い歌物ハウスや情熱豊かなテクノ、そして哀愁のディスコからニューウェーブまで兎に角急激な上げ下げも織り交ぜながら、汗をどっさりとかかせるプレイなのだ。彼の普段のプレイは知らないし、この日の"deep house session"が普段と異なるのかも分からないが、粗削りで過激なイコライジングを多用しながらソウルを感じさせるプレイは肉体を刺激するものだった。妖艶なジャジーハウス"Rose Rouge"では夜の深みを演出し、まさかの"Every Soul Needs a Guide"では澄んだ涼風を呼び込み、そして"I Feel Love"から"Blue Monday"ぐらいからは朝方の至福の時間帯へと突入。意外にもコズミックに弾けるデトロイトトラックの"King of Light"もプレイすれば、ハウスアンセムの"Sweetest Day Of May"ではフロアでも歌を口ずさむ人が出る程に。終盤はピアノやストリングスにホーン系など生音比率が高くなりNYハウスやディスコなどが多かったが、フロアの雰囲気から察するには恐らくクラシックと呼ばれる曲が多くプレイされていたようだ(自分はそこら辺に疎いので、分からなかった)。流石にベテランらしい酸いも甘いも知り尽くしたプレイで、フロアの盛り上げ方を熟知しているが玄人向けの小難しいプレイをするでもなく、ただただ血沸き肉踊る単純明快なソウルネスがあったと思う。普段井上薫が担当する温かい朝方とは異なるそれではあったが、この汗が止まらない湿度の高い朝方も最高だった。
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