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L.I.E.S.やSkylaxにQuintessentialsなどその他多くのハウスレーベルから作品をリリースし、アンダーグラウンドの方面では引く手数多の存在となっているイタリア人のNick Anthony Simoncino。シカゴ・ハウスへの偏愛は狂信的な程に制作する音楽へと表れており、このご時世に於いてはシカゴ外からのオーセンティックなシカゴ・ハウスの第一人者と言っても過言ではない。昨年リリースした1stアルバムも古典的なアナログ機材を使用してLarry Heardばりの枯れた郷愁たっぷりのハウス作品となっていたが、この2ndアルバムもその流れから全くぶれずに踏襲したハウスアルバムで、もはや伝統芸能とも言える普遍的な空気が漂っている。ヴィンテージなマシンから生み出される安っぽくも素朴なリズムはジャッキンなシカゴらしさがありながら、それとは対照的な全身を優しく包み込むような温もりのあるシンセのメロディーは幻想的で、どうしようと古いマシンが人間臭く温かみのある音を鳴らしているのだ。一見淡々として俗世から距離を置いた乾いた世界観ながらも、内に燻る感情を静かに発露する控え目な叙情感はこの上ないもので、ハウスの抽象的な初期衝動が隠れて存在しているようだ。またリミキサーとしてRon TrentやDream 2 ScienceのGregg Foreが参加している事や、曲名でLarry Heardへの忠実な愛を示す"Fingers Theme"と言うのが付けられている事からも、本物のオールド・スクールなシカゴ・ハウスを現代に指し示そうとしている事に気付くだろう。流行り廃りでシカゴ・ハウスの復権に取り組んでいるのではない、Simoncinoはイタリア人ながらも心は完全にシカゴに染まりきっている。諸手を上げて大絶賛するハウスアルバムだ。

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| HOUSE9 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
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