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2013/5/24 eleven Closing Party with Joaquin Joe Claussell @ eleven
別れは突然だ。惜しまれつつもクローズしたYellowのスタッフが2010年2月18日に改めて始動させたelevenが、なんと5月25日を以ってクローズする事になった。発表からクローズまで一ヶ月もなく本当に急に決まったように思われるが、そこにYellow時代から縁のあるJoe Claussellが急遽駆け付けてクロージングパーティーの初日に出演してくれる事になった。Facebook上でもelevenに対して熱いコメントを捧げる男である、当然elevenへの思いは人一倍強いのだから、箱の幕引きには適任と言えるだろう。そして日本からもこれまでelevenへと出演してきた国内のDJが集結し、ハウス中心であるクロージングパーティーの初日の舞台は整った。
気合を入れていつもよりも早く日が変わる前に入店。Dazzle Drumsがオープニングを務めるメインフロアは早くも人が溢れており、きっと閉店を惜しむ人が駆け付けていたのだろう。対してDazzle Drumsもこの日は出し惜しみする事なく所謂クラシックと呼ばれるハウスをプレイし、フロアはハウスが熱かった頃のYellowを思わせる熱量の高い空気に包まれていた。何となく感傷的な気持ちにさせられる"Here Comes The Sun (Francois K. Remix)"はフロアの空気を間違いなく切なさで満たしていたし、鼓舞するように高らかに歌い上げる"Inspiration"には希望のソウルが漲っていた。かと思えば"Beau Mot Plage"などの掴み所のない妖艶なディープ・ハウスも回したりこてこてなNYハウス一辺倒にもならず、またEarth Peopleの"Dance"のようにファンキーなハウスから琴線を震わすシカゴ・ハウスまでも織り交ぜて、柔軟な展開かつメロウな空気でパーティー序盤から既にハウスリスナーの気持ちを掴んでいた。特に盛り上がっていたのはやはり歌物だろうか、Frankie Knucklesの余りにもセンチメンタルな"Keep On Movin'"ではその美しさに涙が出そうになったし、Hardsoulの胸を締め上げる程にソウルフルな"Back Together"に心打たれるなど、ハウスにとって歌がどれ程重要かを認識させられた瞬間もあった。そして昔のYellowのように一部の客が曲に合わせて合唱する瞬間もあったりと、これがYellow時代から続くこの箱の醍醐味なんだと思わせられる。素晴らしいハウスの曲群を小難しい事抜きにして気持ち良く聞かせてくれたDazzle Drums、パーティー序盤からしてとても感慨深い気持ちになっていた。

その後はSTEREOCiTIのプレイを聴く為にラウンジへと移動。ラウンジも多くの人で溢れており、流石にクロージングパーティーらしい良い賑わいだった。また話ではSTEREOCiTI自身が持ち込んだらしいUreiがブースにセットされており、その巨大なミキサーがブース上で異様な存在感を放っていた。恐らく最初の曲はRomanthonyの"Let Me Show You Love"だったと思う。先日急逝した彼への追悼の意も込めているのだろう、心憎い演出だ。続いて序盤には珍しくディスコっぽい要素もあるファンキーなハウスもプレイしていたが、しかしSTEREOCiTIはクロージングパーティーに於いてもこれ見よがしに派手な音を聞かせる事もなく、普段通りのいぶし銀的なじわじわとスルメのように味が染み出してくるプレイを継続していた。少々テクノ的な硬さもありつつのラフで簡素なハウスを淡々と繋げていくが、メインフロアが外部から蒸せる程の熱量で包まれるハウスだったのに対し、STEREOCiTIは内側から低音で保温するように継続する温かいエモーションがあった。多少の黒さとミニマルの要素に仄かなソウルを乗せて、ラウンジの和やかさを壊さないように丁寧かつ落ち着いたプレイをやり遂げた。

その後4時頃メインフロアに戻るとまだDJ EMMAがプレイしていたが、4時半も近くなってようやくJoaquin Joe Claussellに交代したようだ。普通のクラブならメインのアーティストが1〜2時頃にはプレイを開始していてもおかしくないが、elevenではそんな普通と言うスタイルは通用しない。昼過ぎまでの長いパーティーが可能な為に、必ずしも早い時間帯にゲストが出てくるわけでもないと言う媚びないスタイルを最後まで貫いていた。さて、久しぶりに聴くJoeの音楽だが新しいだけの流行り廃りのハウスをプレイするいうよりは、古臭くてもJoeが心から好きなんだろうなと思わせられるハウスが中心であった。ある意味ではベタと言うか古典と言うか、プログラミングされたパーカッシヴなビートの上をピアノやオルガンが彩る陽気で力強いハウスがメインで、音自体は時代も感じさせる懐古的な印象が強かったかなと思う。しかし情熱を胸の奥に隠す事なく全て曝け出し、汗が飛び散る程に熱狂的で、そして何よりもフロアが至福に包まれる程に底抜けにポジティブなプレイだ。プレイ自体は直感的で繋ぎはラフだし、アイソレーションの使い方はド派手で過度にも思われる時もあるが、それでも尚客と向き合い真摯な魂を込めてプレイするJoeの前では心を打たれ自然と体が動いてしまう。雷鳴が轟くSFから始まり聖なる雨によって浄化される"Gentle Rain (Rain Forest Version)”のスピリチュアルな世界に溺れ、ディスコ古典の"I Feel Love"では闇から抜け出す朝方の多幸感に包まれ、歌物のNYハウスから哀愁のディスコに陽気なラテン・ハウスまで如何にもJoeらしいプレイをしていた。自分にとって朝方のクライマックスはElements Of Lifeの”Most Beautiful"をプレイした時だったと思う。5分程度の曲なので一度では飽きたらずにリピートしてプレイしていたが、あの時の幸せな愛に包まれたフロアでelevenが終わらなければと切ない気持ちになってしまった。

朝方になってもフロアから一向に人が減る事もなくポジティブなヴァイブスに突き動かされ各人が踊っていたが、自分は7時過ぎに撤退。何だか昔のYellowを思い出すような熱狂的ながらも優しさに包まれるハウスの一夜で、その後も残っていれば更に幅広い曲も聴けて楽しむ事が出来たのだろう。翌日のクロージングパーティーを考慮して早めにフロアを出たが、Joaquin Joe Claussellだけでなく他の出演者も含めてハウス愛が伝わってきたパーティーに感謝している。

■Joaquin Joe Claussell Presents The World Of Sacred Rhythm Music Part One(過去レビュー)
Joaquin Joe Claussell Presents The World Of Sacred Rhythm Music Part One
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