2013.06.23 Sunday

数年前からUKロックなどをネタにしたDJ仕様なホワイト盤をリリースしている覆面ユニットが、今度はまさかの"Power To The People"と言う特大ネタを使用したホワイト盤を制作した。2011年3月の東日本大震災に感化され制作したと言う本作は、実は2011年の半ばから今までに本人がパーティーの際に頻度にプレイしており、耳にした事がある人も多いのではないだろか。リリース自体も本来であれば昨年の予定であったが、制作から2年を経て紆余曲折の末にリリースとなったのだ。タイトル曲は2バージョン収録しており、どちらもオリジナルのボーカルの一部をサンプリングしたものを反復させたコーラスが印象的で、トラック自体はスペーシーなSEも組み込みつつもカツカツとした鋭利なパーカッションが乱れ撃つトライバル仕様だ。"120BPM Ver."では直球テクノと言うべきか、クラブトラックらしい力を溜めるブレイクも中盤に挟んで、そして再度リズムが入って加速する展開が有り安定感のある仕様。"BPM126 no break Ver."は若干テンポを上げた事で気持ち少々ミニマル化したような印象も受けるが、ブレイクではまさかのオリジナルが挿入されてがらっと印象を変える面白い展開となっている。そしてもう一曲、これまた同じアーティストの"Gimme Some Truth"をエディットしたバージョンは、彼らしい開放感のあるぶっ飛ぶ音響を施したダブ・ハウス仕様。リズムが強調されカチッとした4つ打ちの上を、酩酊感のあるダブな音が放出されとても心地良い。このロックネタシリーズは本人が影響を受けたロックのルーツも明らかにされ、とても興味深いシリーズなので今後とも継続して欲しいものだ。
試聴