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2013/7/14 Prins Thomas Japan Tour 2013 supported by RESPONSE @ Amate-raxi
北欧のニューディスコ大使だかディスコ王子だか呼ばれているPrins Thomasが来日。それをサポートするのが吉祥寺で長らくパーティーを開催しているRESPONSEクルーやGuidanceクルーで、アーティストの招集のみならずAmate-raxiのメインフロアからラウンジまでフロア内のデコーレーションやライティング、フードやシーシャバーまで用意して楽しみ盛り沢山のパーティーを開催した。
とにかく好きなDJが沢山出ていたので早くから現地入りしてみると、いきなり視覚的に驚かせるデコにわくわくさせられた。ラウンジのDJブースも野外フェスを意識したようなブースに装飾されていたり、横になって休憩出来る休憩所も作られていたり、流石の手の込みようだなと思いつつ地下のメインフロアへと移動。すると更に驚くべき事にメインフロアのステージ上には木造民家の玄関が立てられており、開いた窓から家の中でDJをしているのが見えるようになっていた。またVJもその民家やフロアに釣らされた投影物に対して投影するプロジェクション・マッピング仕様になっており、小さなクラブ内でまさかそんなVJが体験出来るパーティーはそう多くはないだろう。この拘りの手仕事、パーティーをパーティーらしく彩ろうとする意気込みには大変感心させられた。

でメインフロアではSTEREOCiTIがプレイをしていたのだが、本人も初であると言っていたサイケセットを披露していた。普段は枯れたディープ・ハウスやシカゴ・ハウスをプレイするSTEREOCiTIが提唱するサイケとは?いや、確かにハウスなのだがブルージーなギターが咆哮していたり奇妙な笛系のメロディーが浮遊していたり、グルーヴも4つ打ちだけでなく変化球に富んでいたりと普段とは異なる新鮮味がありつつ、しかし彼らしい枯れた味わいもそこにはあった。サイケと言ってもドラッギーだったり目を回すような覚醒的なものではなく、非常に老獪な渋さのあるハウシーな音がじわじわと体に染み込み、スルメの如く出汁を煮出して堪能する渋さがあったと思う。後半は徐々にハウス色を強めながらAltz.Pのアシッドファンクな"Dodop"で沸騰して、フロアも熱く盛り上がっていた。

本日はメインフロアもラウンジも盛り沢山でDJがブッキングされていた為、今度はラウンジへと移動してDJ Yogurtのプレイを聴く事に。ラウンジでのプレイなので直球テクノはかなり少な目に、ロック風やジャズにダウンテンポにイタロ・ディスコなど色々織り交ぜたリスニング向けにも丁度良い選曲だった。とは言っても単なるロービート垂れ流しなわけはなく、しっかりと体が横にぐいぐいと揺れるグルーヴ感と生っぽい爽やかな音が強い開放感のある音で、DJ Yogurtらしい雑食性が体験出来るものだった。"Groove On & On & On (Tetsu Remix)"などもプレイして自身の夏らしさを感じさせる瞬間もあり、更にはこちらでもアシッドな"Dodop"がプレイされ、大きくもゆったりとした波に揺られる心地良さがラウンジに合っていたと思う。その合間にも瀧見憲司のプレイも聴きたかったのでメインフロアを覗きに行ったところ人でいっぱいに埋め尽くされていたので、結局DJ Yogurtのラウンジで2時間のんびりと踊りながら過ごしていた。勿論ラウンジにしても人がいっぱいで、ラウンジらしい穏やかな賑わいを見せていて良い雰囲気が出来上がっていた。

そして遂に3時からはメインフロアのDJブースにPrins Thomasが登壇。期待の高さはフロア内に充満した人の数に表れており、十分にフロアの空気は出来上がっていた。しかしPrinsの生DJを聴くのは初めてだったものの、MIXCDで聴いて想定したよりもアッパーなプレイで驚いた。いや、それは全く嫌ではなくてニュー・ディスコやディスコと行ったキラキラとした光沢のある音がこれでもかと降り注ぐプレイは、一点の陰りもなくポジティブな空気で満たされていて正に多幸感と言う言葉が相応しい。そしてPrinsもこの日3度目となる"Dodop"をプレイしていて、人気のある曲だなぁと苦笑する場面もあった。

少々メインフロアは混み過ぎていたので一旦でラウンジへと戻り、井上薫のプレイを一時間程聴いていた。ラウンジではあるもののこちらは普段通りのハイテックなテクノ/ハウスセットを披露していて、コスモポリタンな野性味と都会の洗練された性質を持ち合わせた音楽は何度聴いても格好良いものだ。逞しい野生や大地の響きを感じさせる肉体的なグルーヴ感、それとは対極的なアーバンテイストかつ仄かに夜のセクシャリティーもある上質なテックサウンドは、正に真夜中に踊るためのダンス・ミュージックだ。最もハイテックだった"Groove La Chord"から"Ground Rhythm (The Backwoods Remix)"へと繋がった瞬間は、心の中でガッツポーズ。

朝になってようやくメインフロアも踊りやすくなったので、朝方のPrins Thomasへと移動するもまだまだ上げてる最中で多幸感は止まらない。ビートなんかはテクノやハウスとは違ってどこかどたどたと芋臭い北欧ニューディスコな感じではあるものの、馬力があると言うよりは回転数が早いタイプで、リズムも重くはないけれどぐいぐいと吸引力のあるビートで引っ張っていく。ニューディスコだけではなく脳髄を直撃するアシッド・ハウスや荒くれ者のシカゴ・ハウス、そして生演奏を打ち出しているクラウトロックまで、そして全体的にはオーガニックで生の質感を重視した音使いで温かくてポジティブな空気でフロアを眩い光で包んでいた。ざらついたギターサウンドや奇妙なSEがピュンピュンと差し込んだり、イタロのデケデケなケベース・ラインが走っていたり、底抜けに明るくてある時はトランシーにも感じられたりとぶっ飛んでいたのだ。6時半頃からはようやくテンションも落としてきて朝方のほっこり温かい音が増えてきて、クラウトロックやポスト・パンクにファンクなどの生演奏系の曲に移りつつ一旦7時には終了。そこから瀧見憲司とPrins ThomasのB2Bが始まると、それまで以上にジャンルレスな選曲へと突入し北欧 vs Crue-Lのようなトリッキーな合戦となっていたが、当方は疲れも溜まっていたので7時半にはフロアを後にした。Prins ThomasのDJが快楽的かつ享楽的で気持ち良かったのは当然として、それを更に盛り上げる為のデコレーションやライティングの拘りもお世辞抜きに素晴らしく、こんなパーティーなら何度でも足を運びたくなると言うものだ。

■Prins Thomas Presents Cosmo Galactic Prism(過去レビュー)
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