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Boards Of Canada - Tomorrow's Harvest (Warp Records:WARPCD257)
Boards Of Canada - Tomorrows Harvest
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レコード店に隠すように置かれたアナログ、TVのCMやラジオ番組、そしてyoutubeまであらゆるメディアを利用して、新作についての壮大なプロモーションを行ったBoards Of Canada(以下BOC)。情報網が発達したせいで新作に対するドキドキ感が失われつつある現状に対し、豊かな情報網を逆手に取った謎解きでファンの心を昂らせる事に成功したが、その期待は全く裏切られる事なく8年ぶりのサウンドもBOCそのものであった。エレクトロニカと呼ばれるダンスフロアからベッドルームへと閉じ籠もった電子音楽がトレンドとなっていた時代から、決してBOCの音に目新しさを感じる事は無かったが、この新作ではより初期の頃に作風へと回帰しているように思える。生音が大量に取り入れられポスト・ロック的な印象も受けた前作の"The Campfire Headphase"に比べると、本作は古いアナログシンセーサイザーを大幅に導入した影響か、エレクトロニックなビートを基調にした”Music Has the Right to Children”に近くも感じるが、しかしあそこにあった無邪気で多幸感に満ちたサイケデリアは希薄化している。CDに収録された荒野のアートワークは失われる運命にある終末的未来を予感させるが、本作には未来から過去に対するそんなた陰鬱なノスタルジーが聞こえてくるのだ。確かに体重が軽くなったような浮遊感はあるのだが、それも足元がふらふらするようなもっさりしたビートと何処か心も晴れない不安気なメロディーが軸となっており、初期の頃にあった牧歌的なアンビエンスとは向いている視線が異なっている。不安も混在する素朴なノスタルジーは正にベッドルームに籠もってじっくりと耳を傾けたい音楽ではあるが、ただ単に夢の世界に逃避するだけの時代は終わったのか、現実から目を背けずに立ち向かうような強靭な精神力が感じられるのだ。前作から8年も経過し時代の音が目まぐるしく変化した中で、BOCは全くその存在感を失う事なく見事に表舞台に返り咲いた。

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