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Ian O'Brien - Understanding is Everything (Octave Lab.:OTLCD1965)
Ian O'Brien - Understanding is Everything
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UK屈指のデトロイト・フォロワーであり、そしてフュージョンやジャズをこよなく愛するIan O'Brien。テクノと呼ばれるダンス・ミュージックから始まり、遂には本物のジャズにも匹敵するエモーショナルなクラブ・ジャズやフュージョンのスタイルを確立し、00年代前半には音楽家として春を迎えていた。しかしそこから長い沈黙の期間が続く事となり、その間にMIXCDやコンピレーションの制作、他のアーティストとの共作などで時折表舞台には現れたものの、このニューアルバムのリリースまでに12年もの時間を要す事となった。その間にもクラブシーンは目まぐるしく変わり新しいジャンルが生まれては消え…しかしIan O'Brienは全くブレる事なくルーツに対して正直に、彼にとっての代表作とも言える"A History Of Things To Come"(過去レビュー)を継ぐ作品として新たなるマスターピースにも成り得る素晴らしいアルバムを完成させた。本人が述べるように若かりし頃に影響を受けたデトロイト・テクノ的な作風は封印され、エモーショナルな要素を長く熟成させ豊潤な音色を打ち出した、つまりは前作のジャズ/フュージョン路線を更に推し進めている。何と言ってもHerbie HancockやLonnie Liston Smithと言ったスピリチュアル・ジャズの巨匠の作品を臆する事なくカヴァーし、Innerzone Orchestraの"Bug In the Bassbin"をリミックスするなど、自分のルーツを隠さずに誠実かつ真摯な思いで音楽と向き合っている事から、Ianがどれだけ本気なのかも伝わる事だろう。DJではなくアーティストとして才能を持つ彼らしく、ヴィンテージなアナログ・シンセやローズ・ピアノ、ギターやパーカッションにドラムまで殆どの楽器を彼が演奏しているのだが、電子音と生音の選び方がとても自然でゴージャスなのに嫌らしさが全く無く、温かく豊かな感情のみが強調される事に成功している。少しだけ足が地面から浮くような心地良い浮揚感にピュアな気持ちだけが残った透明感、最初から最後までエモーショナルでポジティヴな感情で満たされており、安らぎの世界が地平の先まで広がっている。この新作までに随分と待たされてしまったが、その空白期間を埋めるには十分過ぎる名作である。

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