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Anton Zap - Water (Apollo Records:AMB1311LP)
Anton Zap - Water
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ここ1~2年だろうか、VakulaをはじめAlex Danilovらロシアン・ディープハウス勢の台頭が著しいが、その代表格とも言えるのがモスクワ発のAnton Zapだろう。USのUnderground Quality、UKのQuintessentialsやUzuriなどディープ・ハウスでは確かな質を誇るレーベルに曲を提供し、そして自身が主宰するEthereal Soundもディープ・ハウスを中心に才能ある若手にフォーカスしながら成長を遂げている。本作は2007年頃にトラックメーカーとしてデビューしてからようやく初のアルバムになるが、過去の作品と新曲を組み合わせながらZapの音楽性を十二分に伝える作品となっている。何と言っても素晴らしいのが"Water"だろう。アンビエントやディープ・ハウスの要素をダウンテンポに落とし込んだ余りにも包容力が豊かな曲で、それは何処までも平たく静かな水面が広がる大海原を喚起させる。ふんわりと柔らかなパッドが引いては寄せて、実際に海の音をサンプリングしたような持続音も入り、足元がすっと浮かび上がる浮遊感が終始継続する。よりハウスのグルーヴ感にこだわった"Road Trip Song"でも空間の広さを生み出すダビーな音響を用いながら、なだらかな地平が遠くまで続くような柔和な流れを持続させ、決して大きな緩急を付ける事なくただただゆったりとしたサウンドスケープを描き出している。また発信音のような淡々とした反復する音とアンビエンスなパッドをぼんやりと浮かび上がらせた"Miles And More"は、抑揚を抑えてミニマル性を強調したアンビエント的トラックの快楽性があり、一方"Funky Man"ではZapらしい優美なピアノの旋律と共に鋭角的なブレイク・ビーツが強調され、タイトル通りにファンキーなリズムに自然と腰が揺れてしまう。少々残念なのはアルバムの半分が既発曲なので新鮮味は少ないのだが、それを差し引いても本作での繊細なアンビエンスと慎ましい深遠なディープ・ハウスの融解具合は素晴らしく、リスニングとしても安息効果の高い音楽として充実している。

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| HOUSE9 | 07:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
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