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霊泉寺温泉 中屋旅館
霊泉寺温泉1

たまには家族一同で団欒をするべく久しぶりに温泉旅行に行ってきた。しかし飼っているヨークシャテリアを家に置きっぱなしにするわけにも行かず、ペット同伴可かつ鄙びた温泉宿を探し当てた結果、長野県上田市の山あいにある霊泉寺温泉の中屋旅館へと宿泊する事になった。霊泉寺温泉には旅館が6軒程あるらしいが、町自体にはコンビニなども無くとても閑静で鄙びた湯治場と言うべき場所だ。この温泉街は明治10年の火事で大半が消失し、記録が残っていないので確実な事は分からないが、968年から霊泉寺の傍から温泉が湧出したとされていて歴史はかなり長い。
霊泉寺温泉2

中屋旅館も明治10年の火事により一旦は建物が焼失したが、そこから再建されたと言う事は現在の建物も既に130年以上の歴史がある。なので年季のはいった建物自体はさすがにくたびれている印象は拭えないが、それも歴史の重みと言う味わいの一つとして受け止めれば良いのだろう。部屋は普通の旅館と同様に机やTVがあり、広縁からは川を眺める事が出来る。川のせせらぎのみが響き渡る閑静な旅館は、温泉好きには適している。

霊泉寺温泉3

休憩所と書かれた間には小説やマンガに温泉雑誌などが大量に備えられているので、湯治で何泊かする人にとってももってこいだろう。都会の喧騒から離れて静かに過ごす際に必要なのは、TVでもなくインターネットでもなくも、やはり書物が一番だと私は思っている。

霊泉寺温泉4

夕食前に時間があったので、旅館の目の前にある霊泉寺共同浴場へと行ってきた。この温泉街に宿泊している人は無料で入浴出来るが、日帰りでも200円で入浴可能と非常にリーズナブルなのはありがたい。

霊泉寺温泉5

浴場へと入るとカランが2つ、2mx6m程のタイル状の浴槽が1つ。それ以外には何もない、何も足さない、何も引かない、ただただシンプルな温泉だ。加水・加温・循環はしていないが、残念ながら長野県の指導により塩素系薬剤による殺菌はしているようだ。それでも源泉の湯量が潤沢なおかげか、掛け流しをしているせいで塩素の臭いは全くしないし、浴槽より常に湯がオーバーフローしているのを見ると嬉しくなる。湯は40℃位だろうか、適度に体がポカポカと温まる温度で長く浸かっていてものぼせる事もなく、溢れる湯が悠久の時を刻んでいた。アルカリ性単純温泉、成分的には石膏・芒硝系に属すそうで強い個性はないものの、その分だけ肌への当たりは優しいのだ。夕食前の夕方には地元と思われる人が多く入浴して来ていて、町の癒やしの場となっている事を感じられた。塩素投入のみが非常に残念であったが、このような小さな町と密接な関係にある温泉のシンプルかつ温かい雰囲気はとても素晴らしい。

霊泉寺温泉6

ぽかぽかと温泉で温まった後は夕食が待っていた。鯉のあらいや旅館が所有している山で採れたキノコの酢の物、野沢菜や栃尾揚げなど、無理に豪華にせずに地の食材を活かした素朴な料理だ。山まで行って高い金を費やして高価な肉や魚を用意する旅館には呆れるので、派手ではなくとも無理をせずに地産地消に徹している旅館には好感が持てた。鯉のあらいは泥臭さも全くなく、これなら鯉が苦手だった人も食べられるに違いない。

霊泉寺温泉7

そして当館の目玉料理である虹鱒のソーメン揚げ。その名の通り、虹鱒の周りをソーメンで包んで、低温の油でじっくり揚げているそうだ。ソーメンはカリカリ、虹鱒はフワフワと頭から尻尾まで全て食べられるのだが、これが実に旨かった。淡白な虹鱒の身は日本酒と合わせると最高だし、ソーメンの食感も新鮮だ。これは是非とも家でも真似して作ってみたいものである。

霊泉寺温泉8

こちらは鯉の旨煮。甘く煮付けてあり、生だと淡白な鯉もしっかりと味が染みこんで、こちらも酒がぐいぐいと進んでしまった。

霊泉寺温泉9

極め付きは松茸の土瓶蒸しだ。旅館が所有している山で松茸が採れるそうで、新鮮なおかげか松茸の優雅な香りがふんわりと鼻の中に広がって来た。純国産の松茸と言うだけでも嬉しいが、銀杏やお麩も入っていて色とりどりに目にも楽しませてくれ、思ってもいないご馳走に感動した。

霊泉寺温泉10

お腹いっぱいになって一休みした後は、旅館内にある家族風呂の「笹舟の湯」へ。武者小路実篤に命名され、入口上にある看板は実篤直筆によるものだそうだ。

霊泉寺温泉11

中に入ると家族風呂とは言うものの、二人入ればいっぱいになってしまう程に小さい笹型の湯船が一つだけ。しかしここの湯は実に素晴らしかった。新しい源泉を使っている共同浴場とは異なり、こちらは昔からある旧源泉を使っている。単純温泉(弱アルカリ性低張性温泉)と湯自体の個性は感じられないが、この小さな浴槽に対しとくとくと豊富な湯が投入され、新鮮な湯使いが堪らない。また加温・加水・循環は一切しておらず、35〜6℃の熱くもなく冷たくもない湯にはいつまでも浸かっていたくなる。湯が流れる音のみが鳴っていて、都会の喧騒から離れて静かに悠久の時を刻む温泉は、時間を忘れてしまう。湯船の底には排水口が設けられ、そこから湯船脇の穴へと湯がぶくぶくと溢れだしていて、簡素な湯船に対し贅沢な湯量を見ると質実剛健だなと思わせられた。

霊泉寺温泉12

朝は大浴場に入ったが、カランとシャワーは一つ。シャンプーやボディーソープも備え付けだが、ホテルのような豪華な浴場と言う印象は全くない。それどころかやはり鄙びていて簡素な味わいだ。家族風呂とは違って加温はされているが、源泉掛け流しなのは同様で、飲んでみると微妙に塩の味と苦味があるかなと思うが癖は無く飲みやすい。加温されているので体の芯までじんわりと温まり、身も心もすっきりと覚醒。

霊泉寺温泉13

朝食は川魚、漬物、キノコの煮物、半熟卵になめこ汁、そして朝から松茸ご飯。ここでも地産地消の内容で、素朴な和食料理にはほっと心が安らぐものだ。そして朝から国産の松茸を食べられると言うこの上ない幸せ、秋の時期に訪れたのは正解だ。鄙びて長閑な温泉宿を選んだ結果として、料理も温泉も大満足であった中屋旅館、また是非とも訪れたい。

HP:霊泉寺温泉 中屋旅館
住所:長野県上田市平井2514
電話番号:0268-44-2216
| FOOD,TRAVEL,HOT SPRING,ETC3 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
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