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2013/11/23 Future Terror 12th Anniversary @ Unit
12年に渡って千葉と言う場所だけに限って開催され続けていた、正に地元密着型の叩き上げパーティーがFuture Terrorだ。DJ Nobuを中心に音楽もメンバーも変化を遂げながら、しかし千葉と言うローカル性を守りながらファンを増やし続けてきた。今年の3月にも千葉でパーティーがあったものの、既にキャパオーバー状態であったのが実情で、12周年はそんな問題も考慮して遂に東京はUnitへの初進出となった。そんな12周年のゲストにはまだそれ程知名度は高くないのだろうが、DJ Nobuが惚れ込んだMetaspliceとVrilを招致している。当方もこの2アーティストについては情報を持ち合わせていないものの、有名無名に限らずDJ Nobuが惚れ込み自信を持って勧めるアーティストなのだから、期待せずにはいられない。
24時に過ぎにメインフロアのドアが開き、Haruka + DJ Yazin = Twin Peaksのライブ+DJセットが開始。なんでもこのセットは初公開だそうで、HarukaがPCとコントローラーを、DJ Yaziがターンテーブルを担当し、セッションをするように並んでいる。まだ人も少ない静かなフロアには、重苦しいアンビエントなドローンサウンドがゆっくりと降り注ぎ、肉体を刺激する事なく音に包んでいく。環境音やノイズが混じりながら生命が生まれる瞬間の用にゆっくりとした胎動を刻み、そこにヒプノティックなシンセ音や地響きのようなマシンビートが徐々に積み重なり、ひんやりと冷えたインダストリアルな世界が構築されていく。常に変化をし続けるプレイは、いつのまにか土着的なパーカッションも加わり密林の奥地へと誘われるようなミステリアスな展開もあるが、決してビートを上げずにゆっくりと静かに胎動を続けている。常に空間にはノイズや効果音などが満たされ、闇の中から様々なビートが浮かび上がっては消え、定型を成さない退廃的なドローン音響を創出するのだ。終盤では四つ打ちへと変遷しスローなハードミニマルの状態もあれば、変則的なビートによって体を揺さぶられる瞬間もあったが、ビートの有無に拘わらず常に脈打つようにグルーヴィーなのはやはりライブの影響が大きいのだろう。ライブ+DJセットは一体何処で切り替わっていたのか全く分からない程に自然に融合していたが、結果としてミュージック・コンクレートにも感じられる音響ライブは、終始踊らせる事が無かったにも拘わらず刺激的な内容であった。

Twin Peaksのプレイで静かにウォームアップされたフロアに登場したのはMetaspliceの二人組。Twin Peaksと同じようにいきなり踊らせる事はなく、ミステリアスな音が浮かび上がり、インダストリアルな質感もある変則的なリズムが重く降り注ぐ。踊らせる事を拒否するかのようなエクスペリメンタルな要素が強いが、ジャズ的なリズム感から徐々にびりびりと痺れる神経質な四つ打ちも入りつつ、延髄を刺激する強烈な発信音が鳴り響き、音の洪水に乗り込まれるようにノイズまみれのカオス状態へと突入する瞬間は圧巻。その後も規則的なビートを保つ時間帯はあったが無機質で無感情な冷たい機械音に終始支配され、再度ノイズのシャワーが降り注ぐ常軌を逸脱した音響は、正に生きている音と言う表現が相応しいライブだった。そしてTwin PeaksとMetaspliceのライブでオープンから既に2時間半が経過し、この時点で殆ど踊らせる事がないパーティーと言うのは、かなり挑戦的と言えるだろう。

ようやく普通のパーティーらしく踊れるようになったのは、Vrilのライブからだ。どんなライブなのか全く知らなかったのだが、飛び出てきた音はBasic ChannelかDeepChordか、ダンスバージョンのダブテクノ。規則的で太い四つ打ちでフロアを揺らしながら、その上を層になるようにダビーな残響が広がっていく。ダブテクノのスタイルを守り抜くように正確な四つ打ちを刻み、反復による執拗なミニマル性を徹底的に貫いている。その点ではアブストラクトな方面よりも踊らせる事に重点を置いているようで、それまでが踊らせない音が続いてた為、痺れを切らしたように客もステップを踏み出していた。リズムに重厚感はあるのだが、対照的に残響音は奥深い空間を創出し微かな浮遊感が心地良い。しかしダブテクノのスタイル自体が確立されているせいもあってか、その枠組を外れる事もなく、良くも悪くも一本調子な感は否めなかったか。また90分の予定であったライブも60分で終わってしまい、あれ?っと言う印象だった。

最後に登場したのはFuture Terrorの中心人物であるDJ Nobu。最近の彼のプレイやMIXCDを聴くと変化が訪れているようで、ただハードなだけのプレイでない事は予感していたが、やはりこの夜もハードなテクノと実験的なサウンドが混在する面白いプレイだった。単に4つ打ちだけで押しまくるのではなく、引き算の美学も見せるように音の密度が低いロウなテクノ、逆に空間にノイズも満ちる刺激的に密度の高いテクノ、強迫観念的なビートの鉄槌が振り下ろされるハードミニマル、変則的でつんのめるようなリズムのテクノ、色々なテクノが寄せては返す波のように連続しながら波状攻撃を繰り返す。動と静の展開、剛と柔のリズム、鈍さとキレの音質、圧倒的なグルーヴ感を保ちながら振れ幅を大きくし、フロアを興奮の坩堝へと誘い込んでいた。ただ突っ走るだけでなく溜めを用いてからの再度爆発する流れや、サイケデリックな音響空間の演出は、機械的で無機質なテクノの鳴りにも拘わらず実に人間臭いドラマティックなプレイである。ピークタイムには外国勢二組がプレイしていたが、何だかんだ一番盛り上がって楽しめたのがDJ Nobuだったのは重要な事だ。

人も多くて疲れたので6時半には帰宅したが、Saloonの方では昼過ぎまでパーティーは続いていたようで、流石ストイックなFuture Terror。ただ今年千葉で体験したFuture Terrorと、今回東京で体験したFuture Terrorは、何となくだが違った雰囲気だった。今回は東京で開催した事で幾分かローカル色は薄れ、千葉に存在した不良っぽい悪っぽさや荒ぶれた空気感が無かったのは、やはり東京の人が多く遊びに来ていたからなのかもしれない。その意味ではもし千葉のFuture Terrorに行った事が無い人は、一度千葉の方へ行ってみると更に面白い体験が出来るだろう。勿論今回のパーティーにより新たなファンを獲得した事だろうし、前進すると言う意味も含めてまた東京でもFuture Terrorは開催して欲しいと思う。

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