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デトロイト・テクノ/ハウスの新生代を担うだけでなく、今では世界中から注目を浴びるまでに急成長を遂げたKyle Hall。2007年に僅か15歳でOmar-Sが主宰するFXHE Recordsからデビューを果たしていたが、その時点でどれだけの人が原石に気付けていたのだろうか(当方も全く知らなかった)。明らかに状況が変わり始めていたのは2010年にThird Ear Recordings、Hyperdub、Moods & Groovesなどのレーベルから作品をリリースした頃で、何だかとんでもない新人が出てきていると話題に上がる事が多くなっていた。もうそれ以降の説明は不要であろう、今では知る人ぞ知る…ではなく22歳にしてアンダーグラウンドな活動でありながらその著名度はデトロイトのベテラン勢に匹敵している。本作はそんな彼による初のアルバムで、元々アナログでリリースされていたのが幸運にもCD化された。テクノと言うよりはハウスに近い作品集ではあるが、まだ若いだけあって荒削りな印象は拭えない。例えばTheo Parrishにも通じるような粗雑で歪んだ音質と共に、厳ついアシッド風なテクノに無機的に冷えたエレクトロ、そしてデトロイトの過去を踏襲した感情的なハウスから狂ったゲットー・テックまで、何でも咀嚼するように手を出している。そのジャンルとして統一感の無さは今尚成長過程にある状態を示しているのだろうが、かと言って本作がムード的に散漫になっているかと言うとそうでもない。特に際立っているのがデトロイトと言う寂れた街のムードを音に投影させたかのようなマシン・ビートで、剥き出しにも思える荒削りなビートは決して整ってはいないが、しかしそれは理性ではなく衝動から生まれたファンクを鳴らしている。それは初期のシカゴ・ハウスにも通じるものがあり、若さ故のパワフルなビートは今流行のロウハウスに含める事も不可能ではないが、それにしたってKyleの野性的で粗暴なサウンドは余りに個性的で、良い意味で周りから浮いているのだ。これが天然なのか狙った上での結果なのかは分からないが、今までのデトロイト世代には無い貪欲なスタイルの吸収と、ラフなマシン・ビートの組み合わせが、デトロイト・ソウルの光を鈍く放っている。



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