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2013/12/14 WHITE Label Night @ Grassroots
とあるアーティストにEdward & Oskar Offermannが来日するから、是非聴いてみてと紹介されたものの、当方はその存在を全く知らなかった。調べてみるとドイツでWHITEと言うディープ・ハウスのレーベルを主宰し、またPanorama BarやRobert Johnsonでもレギュラーでプレイするなど、海を超えたドイツでは注目を集めているようだった。ただそんなネット情報だけでは実力は未知数だったものの、ドイツはテクノだけでなくハウスでも栄華を極めている状態である。また日本からはLAIRやCABARETで活躍しているKabutoらが出演する事もありパーティー自体は期待出来そうだったのに、ならばこの機会にEdward & Oskar Offermannを聴いてみよう思い立ってGrassrootsへと行く事にした。
長いパーティーになりそうだったのにでのんびりと25時半に現地入り。すると日本ではEdward & Oskar Offermannの知名度が高いわけでもないのに拘わらず、フロアは人でそれなりに埋まっており良い雰囲気に出来上がっていた。既にKabutoがDJブースに入ってプレイしていたが、穏やかで生温かいディープハウスを中心にしっぽりとフロアを温めている。バカでかい音は出せないGrassrootsではこんなしっぽりした音が上手くはまっていて、紳士的な優しいハウスの音はこの上なくこの場所に似合っている。次第に陶酔感のあるテックな音も強めて多少は上げ気味なテックハウスも増えてくるが、上げ下げを適度に抑えたグルーヴを継続させるように流れをコントロールし、慎ましい情緒を携えた陶酔した音へと深く潜り込んでいく。実に穏やかで紳士的とも言える包容力のあるプレイは、先月にageHaで聴いた時の硬質なテクノを獰猛にプレイするのとは全く異なっており、この相反するようなプレイが聴けるのも小箱と言う場所柄だろう。壮大で派手な瞬間は殆どなく丁寧に曲を紡ぎ合わせて、仄かにエモーショナルな空気を発しつつ穏やかなパーティーの雰囲気を作り上げていたKabutoのプレイは、お酒に酔った酩酊感と合わせて気持ち良く心身を浮遊させるようだった。

Edward & Oskar Offermannは3時から登場。Grassrootsの狭いDJブースでは身長の高いお二人にとっては少々窮屈そうだったが、両人とも機嫌良くプレイをしていた。事前情報としてベルリンのディープ・ハウス系のアーティストとは聞いていたが、いわゆるまっとうなディープ・ハウスと言うだけでもなくシカゴ・ハウスやエレクトロ調なもの、ミニマル系にポップなディスコ調まで網羅している。一曲一曲に派手なものはそれ程用いてはいなかったと思うが、他のDJがかけなそうな変異体ハウスの使用や、トラックの線の細さも活かした美的センスは目を見張るものがある。プレイ開始から低音に厚みを持たせつつ、どこか一部の音域を強調するのではなくバランス良く綺麗に音を出していて、抑圧的な重圧はなくとも自然と耳に馴染むプレイは実に柔和だ。Grassrootsと言う場所に合わせたプレイだったかまでは断定出来ないが、小さい箱に合わせたように上げ目のプレイは避けてリラックスして優雅なムードさえ発するように、丁寧にハウス中心のプレイを行っていた。闇雲に上げる事もなく派手な展開も演出するでもなく、跳ねるリズム感を含みつつ淡々とグルーヴを継続させながら淡い情緒に包まれるようなメロウな空気を放出して、どの時間帯でも深く精神世界に潜っていくような内向的な音が支配する。そのようなプレイはDJによっては味気無かったり単調に陥いる事は少なくないが、Edward & Oskar Offermannに関して言えばミニマル性がありながらも単調と感じる事も全くなく、そして常に控え目にエモーショナルな音があるからこそフロアを温かく保っていられたのだと思う。リラックスして包容力を感じさせながらも常に体を揺らし続けて、(朝方は眠りに落ちてしまったけど)7時頃まであっという間の時間が過ぎていた。

その後は再度Kabutoへとバトンタッチして、人が減ってきたフロアに合うようなアフターアワーズ系のハウスセットを開始。日が昇ってきて心身共にぐったりしている時にも、抑圧も無く闇も無く、疲れを洗い流すようにリラックスした軽い質感のディープ・ハウス〜テック・ハウスをプレイ。夢と現実の狭間を朧気に彷徨いつつゆらゆらと体を揺らして幻想的な音に浸りつつ、次第にメランコリーと黒い音が増長していく朝方。Theo Parrishの泥臭いビートダウンな"Long Walk In Your Sun"、Loosefingersの男泣きディープ・ハウスの”Deep Inside”、Horror Inc.の郷愁を誘うブレイク・ビーツの"Phowa"、Black Jazz Consortiumによる清々しい朝を迎える"New Horizon"などKabutoによるメランコリー大爆発のDJに、遊び倒したパーティーの朝方って最高だなとしみじみ思う。パーティーはまだ続いていた中で8時前にはフロアを出たが、Edward & Oskar Offermannの予想以上の素晴らしさとKabutoの穏やかなディープ・ハウスのプレイに満足した一夜だった。
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