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2014/2/7 ANOTHER TRIP SESSION vol.1 @ Liquidroom
2013年、沈黙の詩人、下田法晴ことSilent Poetsが8年ぶりの復活を果たした。Silent Poetsは日本に於けるダウンテンポの先駆者であり、ダブの音響やレゲエのリズムを駆使しそこに歌があろうが無かろうが、詩的な情感を生み出す寡黙なユニットである。今回はその復活に合わせてSilent Poetsがライブを行うのだが、同時にインストゥルメンタルロックバンドのtoe、日本各地のパーティーでフロアを沸かせているDJの井上薫、その他大勢のDJを集めてパーティーが開かれた。Silent Portsを知らない人もtoeを知らない人も、色々なジャンルからの人が集まって楽しめるパーティーになる事を期待し、「ANOTHER TRIP SESSION」と名付けられている。
久しぶりのリキッドルーム、toeのライブ時からしてフロアは人で埋まっていた。ギター2本、ベースにドラム、キーボードの5人体制。バントに対しての事前知識が全く無かったが、ボーカル無しのインストなおかげか曲そのものの良さを感じられ、初めて聴いても特に違和感を感じる事なくすんなりと耳に入ってくる。憂いを帯びたギター、手数が多く激しく躍動するドラム、そこにキーボードは彩りを添えて、ベースは全体に厚みを生み出す。ファンク・バンドのような血がたぎる熱さもあるが、それ以上にむせび泣くような湿っぽい郷愁は心に静かに響いてくる。バンドとしての一体感はありつつも、各々のプレイヤーが束縛から解き放たれるようにエネルギッシュなプレイを行い、静と動を切り替えながら高いテンションを保っていた。非常にエモーショナルなメロディーはSilet Peotsとも共通するものはあるだろうし、下田法晴が今回のパーティーに呼んだのも納得。変幻自在に展開しながら瞬発力のあるプレイを見せる激情型インストバンドだが、野郎臭さはなく何処かアーバンな佇まいもあり、酒を飲みながらしっぽり感傷的な気持ちに浸れた。

その後は井上薫による1時間程のDJプレイがあったが、普段のクラブパーティーとは少々異なる趣で、ロックファンなども意識したクラブのアフターアワーズ的な緩いプレイは本当に素晴らしかった。未開の地における祭事のようなトライバルな曲から始まり、"Electric Counterpoint"ネタの"Running Backwards"を挟みつつ緩い4つ打ちに移行し、バレアリックな多幸感溢れる展開を繰り広げる。色々な世代とジャンルから人が集まった事を意識してか、プレイする曲もアッパーなテクノ/ハウスではなく、より幅を持たせて音楽の坩堝と化すような目的が感じられた。Lord Echoの"Thinking of You"、坂本慎太郎の"まともがわからない"、Seawindの"Free"などレゲエもロックもダンクラも一つのラインに乗せてしまうそのオープンマインドな精神性は、普段クラブに来ない人にこそ聴いて欲しいプレイだった。緩いプレイではありながら人間の原始的な踊る欲求を呼び起こし、短い時間ではあったもののがっつりとパーティーピープルを惹き付け、ステージセットの合間を楽しませてくれた。

最後はSilent Poetsのライブ。下田法晴はPCとミキサー、エンジニアの渡辺省二郎は大型のミキシング・コンソールを担当した2人によるLive Dub Setだ。幕開けは"Another Trip From Sun"だったと思うが、初っ端からしていきなりの胸を締め付ける程のメランコリーが放出されていた。厳粛で美しいストリングスやシンセが静かに情熱を沸き起こし、淡々としたダブ/レゲエのマシンビートが地に根を張るが、そんな音の前では瞑想するかのように無心になって音に耳を集中させられてしまう。リアルタイムでリズムやメロディーにディレイやリバーブを掛けて立体的な音響を作っていくが、幾らエフェクトを掛けても一音一音が汚く混ざる事はなく、それぞれの音の粒が鮮明に浮かび上がっていて非常に音が綺麗なのだ。また以前からあるストリングスなども確かに美しいのだが、豪華に使い過ぎる事はなく必要な音だけになるように抑制され、その代わりにダブの空間が広がる音響が強調されていた。途中では過去のアルバム"Sun"に収録されていたボーカル入りの名曲"Dumb Girl"もプレイされたが、何物にも代えがたいメランコリーと美しさもSilent Poetsの魅力の一つだろう。最後の2曲ではLittle Tempoなどからギターとベースにホーンが加わって、よりぬるぬる有機的なレゲエを披露。それまでのマシンビートが通底する淡々としたライブと最後の2曲では、少々音の方向性が異なっているようにも感じたが、大人数でバンドを組んでプレイした事で和やかな雰囲気になって締め括る事が出来た。洗練された音の良さ、ダブの音響、レゲエのリズムなどそのどれもで耳を惹き付けられたが、まるで1時間の映画を見ていたようなシネマティックなライブは静かに心を熱くしたのだった。

■Silent Poets - Another Trip From Sun(過去レビュー)
Silent Poets - Another Trip From Sun
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