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2014/2/22 secretsundaze @ Air
2002年、UKはロンドンで隠れ家のようなロフトで日曜の昼間に開催していた事から名付けられたパーティー"secretsundaze"。Giles SmithとJames Priestleyらによって立ち上げられたパーティーは、当初は口コミのみの周知でウェアハウス・パーティーとして開催されていたそうだが、いつしか評判は広まりビルの屋上など屋外にも場所を移しながらUK屈指のテクノ/ハウス・パーティーに成長している。アンダーグラウンドがその性質を失う事なく、世に認められたパーティーと言えるかもしれない。現在ではレーベルとしてのSecretsundaze、DJマネージメントとしてのThe Secret Agencyも運営するなどその活動の場は広がっており、その動向は注目すべき存在だ。
フロアに入るとメインフロアは可愛らしいバルーンデコなどで装飾されており、いつものAIRよりも和やかでホームパーティー感があり、これもsecretsundaze流と言う事なのだろうか。DJはKikiorixはだったが思っていたよりもアッパーなテクノをプレイしていて、少々意外な印象を受ける。テクノらしい角張ったグルーヴが猛々しく序盤からダンスモードだったが、徐々に滑らなグルーヴで陶酔感のあるディープハウスや綺麗目のメロディーが乗るテックハウスも織り交ぜながら、安定感のある流れでフロアを温めながらパーティー序盤の空気を作っていた。そんな中でも時折アシッドなトラックもプレイして、清涼感のあるフロアに毒気を盛りつつ、再度流麗なテック・ハウスで疾走しつつどっしりしたリズム中心のテクノで攻めたりと、どちらかと言うとテクノ色強めのプレイを楽しむ事が出来た。

それを引き継いだJames Priestley、こちらも思っていたよりもBPMが早めのプレイ。音自体は穏やかなディープハウスらしい上モノがありつつ、そこにゴツゴツした硬い質感のテクノやファンキーでパーカッシヴなハウスも混ぜてはいるが、やはりピークタイムという事もあってか上げている印象。と言ってもバカ騒ぎして楽しむような音でもなく、UKのモダン感覚に溢れた綺麗さと滑らかなのに力強く脈打つ荒々しいグルーヴを掛け合わせ、フロアでは各々が一身に上質なトラックに耳を傾け和やかに穏やかに盛り上がっていた。テクノのザクザクと切り刻むようなグルーヴにも揉まれてピークタイムを演出しつつ、その勢いに引っ張られながら黙々と踊っていたが、欲を言えばジャンルレスな選曲と緩いプレイからウォームアップ的に盛り上がっていくと言うsecretsundazeらしさも聴いてみたかった。ただ選曲自体は単に盛り上がれば良いと言うだけの派手な物は殆ど使用せずに、質実剛健な世界に統一されたテクノ/ハウスが中心で無駄の無いクールなプレイはピークタイムとして十分に踊らされる時間帯だった。

そしてもう一人のsecretsundazeであるGiles Smith。プレイ1曲目から音の雰囲気が変わり穏やかな地平が広がるディープ・ハウスらしさ前面に出てくるが、それでも結構BPMは早い。そして特に耳に残ったのがリズムの積み重ねから生まれるハウスのグルーヴ感の継続で、テック・ハウスやディープ・ハウスにミニマルなどどんなスタイルの音楽でもすっきりとしながらも骨太な芯のあるリズムを打ち出して、大きな上げ下げの展開ではなく殆ど水平な流れのスムースなミックスで色彩を付けていく玄人的なプレイが際立っていた。James Priestleyの方が音自体がパワフルでリズムも肉体に重く響くプレイなのに対し、Giles Smithの方はBPMが早くても音の隙間にリラックスしたムードもあり、重くなり過ぎずにファンキーかつミニマルな4つ打ちの陶酔感を高めていたように思う。secretsundazeと言うパーティーの特性上仄かにエモーショナルながらも感情を詰め込み過ぎる事なく無駄のないシンプルなプレイだが、その分だけ時折プレイされるクラシックの響きが尚更感動的で、どこまでも増長し高みに上り詰める高揚感が凄い"Speechless Feat Carl Craig"、朝方にプレイされたデトロイト・ハウスのメランコリーが炸裂する"Quetzal"、甘い吐息の様な歌が優しく染み入るシカゴ・ハウスの名作"Never No More Lonely"など、そんな曲がプレイされるとはっと息を飲む瞬間も何回かやってきた。デトロイトやシカゴがルーツであると言うGilesの一面も垣間見せつつ、時代を越える普遍的な音楽性を披露するsecretsundaze。特に旬な流行や目立った時流の音を感じる事は少ないが、アンダーグラウンドな視点からテクノ/ハウスの純度を高めたようなぶれのない一貫性が感じられるのだ。満員御礼のパーティーではなかったものの常にフロアには音に身を委ね自然と揺れる客が溢れていて、特に朝方になっても人が減らずにパーティーフリークの多さを感じさせる点でも質の高さが伺え、それに気を良くしたのかGilesも予定よりも大幅に時間を越えてプレイをしていたのは微笑ましかった。前述したように全体的に想像以上にアッパーな流れだったので、落ち着いたパーティー序盤から徐々に盛り上がっていくサンデーアフタヌーン的なsecretsundazeも体験してみたいが、十分に良質なテクノ/ハウスで踊る事が出来た気持ちの良い一夜であった。
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