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2014/3/1 DOMINO @ Air
dj masdaとDenがレジデントを務めElevenで開催されていたDOMINO。Elevenの閉鎖と共に暫くは開催がなかったが,2014年になり場所をAirに移しての初開催となった。ゲストにはウクライナからの女性DJであるNastiaを迎えている。2005年にDJキャリアを開始して今では東欧で高い評価を得ているテクノDJではあるそうだが、私自身が彼女の作品やDJプレイを聞いた事がないのでどうしようか迷いつつ、しかしdj masdaやDenも出演するなら間違いないと確信しDOMINOへと遊びに行く事にした。
長いパーティーになる事は事前に分かっていたので終電でのんびり現地入りすると、フロアは満員御礼とは言わないが程良い人の入りで低音と低温のアンダーグラウンドな空気に包まれていた。Denはミニマルやテックハウス中心に滑らかなビート感をキープして心地良さを持続させている。低音から中音まで、そして高音までバランス良く膨らみを持たせる事で綺麗に音を出しつつ、安定感のあるハウシーなグルーヴで踊らせる。ひんやりとはしているが色っぽい妖艶な香りを発する陶酔の深い上物が伸びていき、しっとりとフロアを湿らせて抑揚を保ちつつも単調にはならない。ゲスト前のプレイは目立ち過ぎる事なくパーティーの雰囲気を作っていく事も求められるが、Den自身のミニマルの陶酔感という持ち味を主張しつつ、大袈裟に盛り上げるでもなく厳かに粛々と踊らせるプレイはパーティーに上手くはまっていた。後半からは荒々しい質感を打ち出したテクノが多くなる流れと、正確無比かつ無機的なマシンクルーヴの中にも仄かに叙情的な温かみが含ませる流れがあり、決して淡白に陥る事はない。終盤は足をもたつかせるような沼っぽいミニマルへと引き込み、フロアに冷や水を浴びせつつゆったりとリラックスした展開でNastiaへと交代。

Nastiaについては東欧のDJと言う背景からルーマニアン系のDJをするのかと思って線の細いプレイかと予想していたが、DJが交代した途端に随分と低音と高音の厚みが強調されどっしりと重くなった。隙間のあるミニマル・テクノ中心のプレイではあるが、パーカッシヴなリズムと相まってうねりを生みながらもピークタイムに合わせてか獰猛なビートを強めた攻めのプレイだったと思う。予想していたよりもBPMは早く畳みかけるような勢いで、随分と厳つくタフなテクノをプレイするのだと少々驚いた。音はごつくて硬くローファイな剥き出し感があり、無味乾燥としたリズム重視のテクノセットは陶酔感を生むのではなく肉体的に刺激のあるファンキーな音だ。中盤以降は変化球的に崩れたビートのハウスも盛り込みつつミニマル・ハウスのドープな深みも添加したりと、幅が広くなってからの方がより楽しめるプレイだった記憶もあるが、終盤は酒に酔って寝てしまったので割愛。Nastiaが昨年リリースしたEPは音数の少ない繊細なミニマル・ハウスだったので、DJもやはりルーマニアン系かと勝手に想像していたが、やはりゲストとして呼ばれピークタイムに出演するからなのだろうか上げ上げだったのは意外だった。

ラストはdj masda。もう既に朝にもかかわらず他のクラブからも人が流れてきたのか、フロアの盛り上がりは一向に止まらない。最初はNastiaの勢いを引き継いで多少ハードな流れもあったものの、徐々にテンションを緩めながら恍惚感を誘発する不思議な金属音を取り入れたパーカッシヴなミニマル・テクノへと遷移する。芯はあるがすっきりと引き締まったタイトなグルーヴの音の間には緩みもあり、疲労の蓄積した朝でも全く嫌に感じないプレイが爽快だ。また感情の起伏を抑えるように機械的でクールなプレイなのだが、時折挿入する歌ものハウスやエモーショナルなハウスが優しくフロアを包み込み、なだらかな上げ下げの展開で永遠に続くとも錯覚するパーティー空間を演出する。テクノの中に時折混ぜるハウスの使い方が得も言われぬ高揚感を生み出すのは、無機的なテクノと有機的なハウスの対比によるものだろうが、この日のdj masdaのプレイでもそれは上手くはまっていたと思う。中盤では執拗なボイスサンプルがファンキーな"The Symphony (Can You Feel It)"で狂ったように盛り上がる瞬間もあり、後半ではシカゴ・ハウスのように徐々に音が削ぎ落とされて簡素なビートへと移り、"No Way Back"のローファイなアシッド・ハウスが延髄を刺激。波のように度々訪れる興奮に踊らされ続け、徐々に穏やかで幻想的な音が浮かび上がりながらdj masdaの3時間のセットは終了。その後1時間ほどdj masda、Den、NehanのB2Bプレイでパーティーを継続していたが、やはりここでもラスト間際の"Domina (Carl Craig's Mind Mix)"による抒情的な世界観が印象に残っている。一見ミニマル基調の機械的なテクノをプレイをするDenやdj masda、しかし内面には低温で燻る炎を隠し持っていて、それが時折顔を覗かせるエモーショナルなプレイが多くのパーティーピープルを魅了して止まない。パーティーには心の底から踊り倒したい人が多く遊びに来ていたようにも見受けられ、パーティー序盤から昼近くのラストまで常にフロアで踊り続ける人が居て、雰囲気もとても素晴らしいものだった。
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