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2014/3/4 Red Bull Music Academy Moritz Von Oswald Trio featuring Tony Allen & Laurens Von Oswald @ Liquidroom
究極とも言えるミニマルを確立させたMoritz Von Oswaldが、更なる進化を求めて立ち上げたインプロビゼーション・バンドがMoritz Von Oswald Trio。Moritzを中心にMax Loderbauer、Vladislav Delayと言う才能が集まったバンドは、即興電子音楽ライブを行いミニマルに自由を与えた音楽を展開している。今回の再来日ではVladislav Delayの代わりにアフロ・ビートのTony Allenがドラムを担当、そして残念ながら体調不良で参加出来なくなったMax Loderbauerの代わりに、Moritzの甥で最近の作品にもエンジニアとして参加しているLaurens Von Oswaldが急遽加わり、恐らく一夜限りとなるであろうセッションを繰り広げる事となった。
ステージには左側に通常のドラムセット、右側にはPCやハードウェアが並べられていた。ライブの開始はMoritzとLaurensの電子音から始まったが、随分と物静かで淡々と抑制された電子音が鳴っている。どこまでが即興でどこまでがプログラミングなのかは分からないが、以前に比べるとより明確なサウンドが浮かび上がっているようには感じられた。徐々にマシンによる硬いパーカッションがビートを刻み割れたようなバカでかい低音も入ってくると、そこにステージへと入ってきたTonyがドラムを叩き出し、マシンビートと人力によるドラムのビートが同期して一気に土着的な湿っぽさに包まれる。ただしTonyによるビートは予想していた激しいアフロ・ビートではなく、電子音に控えめにアクセントを添えるようにスタイルに囚われないねっとりしたビートを生み出して、エレクトロニクスを駆使したサウンドに躍動感と生温かさを付け加えていた。一定のリフを刻む電子音、または形のない浮遊する電子音、そこにノイズも加えながら曲の境目を意識させずに変化していくライブは、時間軸を感じさせない無定形の空間を生み出していたが、やはりドラマーが変わった事でライブの印象も随分と変わっていた。Delayの自作によるメタル・パーカッションは硬く鋭利で弾けるような音が特徴で、それが神経を刺激して恍惚感を生み出していたが、Tonyのドラムプレイは繊細さとラフさを伴う躍動感はあるが音自体に特徴があるわけではない。その点から言うとMvOTの肝であったメタル・パーカッションが失われた事で、電子音とドラムのリズムの融合度は下がり、鬼気迫る緊張感と広がるダブ音響のインパクトには欠けていた。比較的淡々としていた前半に対し、後半ではマシンビートに電子音、ドラムも激しくなり混沌とした音の坩堝に飲まれていく瞬間もあり、正にインプロビゼーションとでも言う壮大な音響を展開していたが、電子音と生ドラムの違和感を打ち消すには至らず。浮遊する研ぎ澄まされた上モノは終始気持ち良かったものの、あの音にはやはり金属的なメタル・パーカッションの方が合うのかと思う。またはTonyも普通のドラムセットではなく、アフリカン・パーカッションを用いた太鼓系のプレイでアフロ・ビートを突き詰めていれば、もっと面白みのあるライブになったのかと思ったり。一時間弱のライブはあっという間に感じる程には楽しんだが、期待値が高かっただけにモヤモヤも残るものであった。

■Moritz Von Oswald Trio - Fetch(過去レビュー)
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■Moritz Von Oswald Trio - Live In New York(過去レビュー)
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コメント
オズワルドのレクチャーから見てきました。トリオのライブは初見なので、Delayの時とは比べられませんが思ったよりダブ要素は低かったと思います。しかし、遠慮がちで終わってしまうと思われたTony Allenのドラミングが終盤には情熱的に展開していたのでよかったと思います。
| ゾウィ | 2014/03/05 4:29 PM |
ご無沙汰です&#8265;&#65038;

昨日行かれたんですね&#8264;僕も行きました&#8252;....
ただ、僕も期待が大き過ぎた分あまり&#8264;拍子抜けと言うか....楽しめませんでした。

あれはあれで良かったのか&#8264;tony allenが叩く意味があったのか&#8263;
イマイチ消化不良に終わってしまいました。
どうなんですかね&#8264;苦笑
| Takao | 2014/03/05 4:40 PM |
>ゾウィさん
後半は勢いに飲まれる瞬間がありましたね。ただトニーのドラムプレイはモーリッツのミニマルダブにはそんなに合わないように感じました。ディレイの時はドラムもかなり尖っていて硬く、音的には合うかなと言う思いです。仰る通りダブ度が低かったのも残念でしたね

>Takaoさん
自分はライブ前からモーリッツの音とトニーのドラムプレイの相性に不安を感じていたのですが、それがそのまんま出ちゃった感じでした。生ドラムの音に電子音のリズムも被せて何とか頑張ってる感じでしたが、やっぱりディレイのメタルパーカッションのインパクトには及ばないと感じました。トニーは永続的に参加するわけではないようなので、まあこれはこれで。
| マチュ | 2014/03/06 9:21 AM |
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