<< 2014/3/28 Ugly. -桜祭り- @ Oath | main | Lord Echo - Curiosities (Bastard Jazz:BJCD05) >>
2014/3/29 ROUNDHOUSE @ Air
シカゴ出身、サンフランシスコ在住、西海岸ハウスを代表するMark Farina。日本には度々訪れてはDJを披露しているものの、今回は遂にAirに初登場。しかも新たにスタートを切るROUNDHOUSEの一回目のゲストと言う事もあってか、通常のハウスセットのみならずラウンジにてマッシュルーム・ジャズセットも披露するなどファンにとっては非常に興味を惹く内容だろう。更にはシカゴ愛を実直に表現するRemiやNebu SokuにStock、そしてラウンジにはOathにてレギュラーパーティーを主催するDAWDクルーらが集まり、メインフロアのVJには一年ぶりの技を披露する宇川直宏までもが登場する。門出となるROUNDHOUSEの一夜、期待せずにはいられない。
このパーティーは早い時間帯にラウンジにてMark Farinaがマッシュルーム・ジャズセットを披露する予定だったので、日が変わる前に現地入り。するとラウンジはMarkのプレイを期待して多くの人で埋まっており、既に熱気と賑わいに包まれてこの日のパーティーは楽しい一夜になる事を確信。早速DJブースに入ったMarkはフュージョン感覚もある洗練されたストリングやエレピが入ったヒップホップ、ダウンテンポを緩やかな間を活かしながら、しかしエッジを効かせたビートで紡いでいく。ざくざくとしたビートは生っぽくラウンジの湿度を高め、そこに甘い吐息が漏れるようなメロウな旋律と肩の力が抜けた開放的なムードが絡み、ラウンジを夜の大人っぽい妖艶な色に染めていく。のびのびと広がるラグジュアリーな音だが、ただ緩いだけでけでなく自然と体が揺れる鋭角的で躍動感のあるビートが通底しており、早い時間からラウンジは大賑わい。"Musique Non Stop"なんかの大ネタも飛び出して、30分程楽しんでからはメインフロアへと移動。

メインフロアではNebu Sokuがプレイ中で、ホーンが入ったシカゴ・ハウスや綺麗目のテックハウスもプレイしながら、リズムの骨格が剥き出しのリズム中心のトラックで攻める。まだパーティー序盤なので無理やり盛り上げる事もせず程良い流れをキープしながら、ボイスサンプルやトリッピーなメロディーも効果的に活かして、安っぽさもある気が抜けたようなファンキー感でシカゴな空気を演出。途中ではシカゴ・ハウスの定番でもある"Baby Wants To Ride"をはさみつつ、終盤では煌びやかなフィルター・ハウスも投下して、陽気に弾けるゴキゲンなパーティー感を打ち出して次のDJへと繋いでいた。

その勢いを引き継いだRemi。どっしりと重みを増しつつ、悪っぽくやさぐれたハウスへ突入。粗野で汚らしい音から生まれるパンピンでファンキーかつ骨太でごついグルーヴは決して今風ではないのだが、その暴力的な荒れ狂うサウンドが狂騒の高みへと連れて行く。非常に無骨で男らしく荒くれた弾け方で、マッドなハウスで猪突猛進で迷いなしの攻めを行い、そこに"Shades of Jae"で焦らしたりポップな歌ものダンス・トラックもアクセントを付けたりと展開の妙技も感じさせる。フロアも人で埋め尽くされてきた時間帯ではハウスもテクノとも取れるハードな流れに飲み込まれ、終始骨太で安定感のあるグルーヴを保ちながらドープな空気でフロアを満たしていた。"Kuar"に説法を被せたマッドなエディットなんかもプレイしたり、シカゴ・ハウスの狂気が溢れ出るプレイは本当に素晴らしい。

そして遂にMark FarinaがDJブースへと登壇すると、フロアは本当に動けない程に人が溢れ、流石に苦しかったので当方はバーの方へ非難して聴く事に。しかしこんな熱気、盛り上がりは(特にハウス・パーティーでは)何だか久しぶりな気がした。フロアでは酸素が薄いのか湿度が高いのか、ライターが点かずに四苦八苦する面々も見受けられ、そして店外にまで入場を待つ人の行列が出来るなど、往年の古き良き時代を思い出してしまった。Markのプレイはと言うと小細工無しの実直なハウス攻めで、うねり跳ねるリズムが肉体を刺激する。序盤はわりと一本調子で前のめりなパンピンスタイルな印象だったが、西海岸はサンフランシスコの楽天的なムードよりもシカゴ・ハウスなりフィルター・ハウスなりの硬めでエグい音が多かったと思う。数年前に彼のDJを聴いた時には何だかよく分からないエディットものなんかも回して、ファンキーさと陽気さを両立させるDJと言う印象が残っていたが、今回はがっつりとどハウスで攻めている印象だ。"Altered States"や"Deep Inside"に"I Called U"などクラシックもプレイしたのは意外だったが、それらも何かネタを被せたのかエディットものだったのか、普通のトラックでないトリッピーな音が面白い。フロアは蒸し返す程の熱気に包まれ盛り上がっていたが、Markのプレイは単純にアッパーと言う安易なスタイルでもなく、すっきりとしながらも骨太な芯のある四つ打ちとさらっと乾いた音がファンキーな印象を強めて、押しと引きと変化球が混在する。そして徐々にエモーショナルな歌ものハウスや中毒性の高いアシッド・ハスウにミニマル・テクノも織り交ぜて更に方向性が広がり…しかし当方はパーティー序盤に飲み過ぎて何度か記憶が飛ぶ事に。朝方起きてみると丁度"I'll Be Your Friend"⇒"Souffles H(M.A.W.Version)"と言うNYハウスの王道攻めをしている最中で、まさかこんな王道プレイをMarkがするとはと驚きつつ、朝方のプレイを楽しむ事に。真夜中のパンピンで弾けるハウスから一転、フォーキーなトラックやニュー・ウェーブ調のロックものなどもプレイするなど、時間に余裕のあるロングパーティーを活かして幅を広げながらフロアを踊らせ続けていた。最も素晴らしい時間はパーティーのラスト90分位だっただろうか、弛緩したディープ・ハウスやダンクラ中心でフロアにはゆったりとした時間が流れていたが、メロウと言うよりはサイケデリックな靄に覆われた夢の中に居るような感覚に陥っていた。そしてクローズが近づくにつれBPMは更に落ちだし、天井から光が差し込むようなテンポの遅いバレアリック系からメロウなヒップホップやダウンテンポのマッシュルーム・ジャズセットへ回帰。もう体はへとへと、あくびも出る程に眠気に襲われていたが、やはりこの焦燥感の後にやってくる幻想的な体験を求める為にオールナイトのパーティーへと足を運びに来ているのかと言う思いが込み上げる。結局パーティーがクローズしたのは9時半、Mark Farinaのプレイは言うまでもないがNebu SokuやRemiのプレイもパーティーにしっかりとはまっていて、最初から最後まで実に集客も含めて素晴らしいパーティーになっていた。

■Mark Farina - Mushroom Jazz 7(過去レビュー)
DJ Mark Farina - Mushroom Jazz 7
Amazonで詳しく見る


■Derrick Carter + Mark Farina - Live At Om(過去レビュー)
Derrick Carter + Mark Farina-Live At Om
Amazonで詳しく見る(日本盤)
 Amazonで詳しく見る(US盤)
| EVENT REPORT5 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
スポンサーサイト
| - | 23:00 | - | - | |

コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://matyu.jugem.jp/trackback/3347
トラックバック