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2014/4/5 CABARET @ Unit
Unitにて長らく開催されているCabaretは過去の開催を確認してみると、単に人気や集客と言った面でアーティスト/DJを招致するのではなく、音がテクノであろうがハウスであろうが時代に左右されない個性を持つ事を重視しているように思われる。既に貫禄のある大ベテランから知名度は低くとも独自性を主張するアーティストまで、そこには一貫したアンダーグラウンドの美学が通底する。そして今回そんなCabaretが目を付けたのがSteve O'Sullivanだ。O'Sullivanは90〜00年代前半までデトロイト・テクノやBasic Channelに触発されたディープなミニマル・テクノで活動していたアーティストだそうだが、2003年以降は全く音楽活動を行う事もなくシーンから消えていた。そんな状況もあって当方もこのアーティストについては過去に触れる事は無かったのだが、昨年には過去の作品を掘り起こした「Bluetrain Retrospective」なるアルバムでシーンへと返り咲き、ようやく彼の音楽を聴く機会に巡り会う機会があった。そしてそのタイミングでの初来日、その上全てをハードウェアで演奏するライブが披露される。
先ずはSaloonでCabaretクルーであるKabutoのプレイを聴く事に。まだまだパーティーは序盤なので、弛緩したディープなトラックでふらふらと千鳥足のような酩酊グルーヴが中心。床を這いずり回るような重心の低さが継続し、徐々にダビーな残響と貫徹したミニマル感を強めながら夜の闇へと深く潜って行く。逞しく無骨なリズムはファンキーだが、その上に浮遊するサウンドは仄かに妖艶で、その異なるクールさと色っぽさが自然と同居する音はSaloonの退廃的な場所にはぴったりだ。パーティーによってプレイが異なるのは当然だが、今夜は感情を開放せずに無機質なマシングルーヴを軸に比較的淡々と感情を抑制するようなプレイで、パーティーの始まりは渋いスタートを切った。

そのままSaloonに滞在し、次はYasuのプレイ。いきなり前のめりのアッパーなグルーヴでテクノ化を推し進めるかとと思いきや、ローファイなハウスで一旦フロアに冷や水を浴びせ落ち着かせる。無駄な音を削り落とすとリズムの骨格が露わになり、ファンキーで躍動感のあるリズム主体のプレイへと移行。そこから再度徐々に肉付けを加えながら荒々しいリズムが吹き荒れるハードなテクノセットへと戻ったり…大きなうねりを伴う上げ下げを繰り返し、野性味溢れる獰猛な攻めでフロアを強襲。闇が深まりながらフロアにもどんどん人が集まりだし、パーティーの盛り上がりを肌で感じられる時間帯だった。

その後はSteve O'Sullivanのライブを聴きにUnitフロアへと移動。ステージ上にはハードウェアが幾つかセッティングされていて、サンプラーやドラムマシンと共に発売されたばかりのAIRAのTR-8も並んでいた。伝説のTR-808/TR-909を元に現代へと生まれ変わった最新機材を、わざわざ今回のライブの為に用意した事に強い意気込みを感じられ、ライブへの期待も高まると言うものだ。その上ライブ中は機材を操作する所をモニターに映し出し、ライブで何をしているかを目でも確認出来るようにしていた。ライブは出だしからミニマルな展開で、各パーツの抜き差しで滑らかに展開を付けていく。音自体は非常にクリアな音質ながらも淡々としたローファイで、音の一つ一つに生っぽいふくらみも感じられる。それをライブらしくパーツの抜き差しによる展開付けを行いつつ、DJ的なグルーヴを継続させる機能美は、ライブとDJの狭間に位置するようでもあった。そして正確無比なマシンによるリズムに各パーツの抜き差しを行いながら微妙な上げ下げを継続し、そこに乾いたクラップ音も加わったりしてくると、もうそれこそシカゴ・ハウスやシカゴ・テクノと言った趣でファンキーさが前面に出てきていた。無駄を省いた構成やローファイーな音の質感、そしそして終盤になり徐々にグルーヴが荒れ狂いながらマシンによるリズムの永久機関と化すと、完全にシカゴ・ハウス色に包まれながら高揚感は最高潮へと達していた。派手なメロディーなどが殆どなく反復と音の増減により展開される一時間程のライブは、ライブでありながらDJ的なグルーヴの継続感も重視したライブで、出だしから最後まで緩やかに興奮を高めていく展開で非常にベテランらしい内容であったと思う。一旦音を切ってからは最後にTR-8などを駆使して"I Feel Love"ネタを演奏するなど、実験的な場面もありそんなサービスも含めて素晴らしかった。

最後はdj masda。いきなりルーマニアン・ハウスぽいパーカッシブなトラックで横への揺さぶりをかけるが、ベースラインが非常に太くて有機的なうねりを打っている。そこからテクノとハウスを行き交うような中庸な、ディープかつミニマルな音でゆったりとうねる波で揺らされるグルーヴに嵌めていく。直球テクノで押し通す圧迫感ではなく、引いては押し寄せる揺らぐような波に取り込まれる感覚はハウシーでもあり、そのアッパーではないが常に陶酔感を継続させるプレイが朝方には心地良い。音は少なく間を活かしたすっきりしたトラックながらも、キックやベースラインが骨太で粗暴に躍動し、鈍く響くパーカッションが脳髄を刺激する。そして眠気と疲労に襲われながらも緩やかに走っているグルーヴが体を自然と揺らし、終盤には浮遊感のあるディープ・ハウスも織り交ぜふっと体が軽くなる瞬間も。徐々に緊張も解けながら日常を取り戻すようにパーティーの終わりへと緩やかに向かって行き、6時半にプレイは終了。前日同じフロアでは陽気でハッピーなパーティーを体験したばかりだったが、やはりこの日のアンダーグラウンドかつシリアスな雰囲気の深く潜って行く感覚は堪らないもので、朝になっても踊り狂う人が残っているフロアの居心地はとても良いものだった。
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