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2014/4/19 PLUS TOKYO @ Air
かつてはより過激な音を求めハードなテクノがかかるパーティーによく足を運んでいたものの、最近は歳のせいかめっきりハードな音からは遠ざかり、ハウス系のパーティーに入り浸りなこの頃。とは言えどもテクノの魅力を感じなくなったわけではなく、Shin Nisimuraが主宰するPlus TokyoにはGonnoやDJ Sodeyama、Takaaki ItohにA.Mochiのライブと魅力的なアーティストが集結していたので、久しぶりに激しいテクノの音を浴びるためにパーティーへと足を運んだ。
フロアへと到着した頃にはDJ Sodeyamaがプレイ中。それ程BPMは早くはないが、ビリビリと痺れる電子音と圧力のある重低音を発しながら、フロアを打ちのめすような攻撃的なセットが展開されていた。スモークが多く充満したフロアに目も眩むストロボが焚かれていて、退廃的でアンダーグラウンドな雰囲気に満ちたパーティーには、DJ Sodeyamaのプレイも上手くはまっておりパーティー序盤から肉体を刺激される。激しいだけではなく繊細な電子音の鳴りも美しく、静謐な瞬間とダイナミックな展開を織り交ぜ、その対比がよりハードな瞬間を強調していた。また後半では妖艶な歌ものトラックも織り交ぜるなど、ハード一辺倒ではなく音の方向性を拡張しながら深い闇を潜っていくような流れもあったのは意外だった。

その流れからハードな展開を推し進めたのがTakaaki Itoh。彼のプレイは未体験ではあったが、ハードかつインダストリアルなプレイにが定評があったので、この日のプレイを楽しみにしていた。確かにプレイが始まると金属的な音が目立ち始め、猪突猛進なテクノの馬力で一気に加速。基本的には余り展開のないミニマルなスタイルではあるが、歪んだ金属音や荒削りな音が高密度に詰め込まれ、怒涛の勢いとなってフロアに激しいグルーヴが降り注ぐ。考える隙も与えない程の勢いがある感情を排したハードな展開で、否が応でも体が反応してしまうのだ。またPCによるプレイが影響しているのか、ハードではありながらも流れは丁寧にコントロールされ、実にスムーズな展開で暴れるグルーヴを支配下に置きながら過激な展開を生み出していた。ミニマル・テクノの継続する陶酔とは異なるものの、瞬間瞬間の爆発力が幾度となく生まれるプレイは非常に肉体的で、たまにこんなハードテクノを浴びると新鮮だ。

A.Mochiのライブも同様にハードな世界観が目立っていた。地獄の淵から湧いて出て来たような無慈悲で冷たい空気が広がり、メロディーを殆ど入れる事なく重低音のキックやベース、鋭利なハイハット等によるリズム主体のトラックで攻めていく。徹底的に重厚で暗い電子音が連なっており、完全に機能を追求したであろうトラックには甘さは一切排除され、空気さえも刻んでしまうような鋭利なリズムが走っていた。中盤以降はハードさよりも深海に潜るようなディープかつダークな音が強くなっていたが、終始迫力のあるライブ感で疾走し、終盤での"Wisdom To The Wise (Red 2) (A.Mochi Re-Edit)"はやはり素晴らしかった。

そしてPlus Tokyo主宰者であるShin Nisimuraだが、朝方で眠気に襲われ寝てしまった為に半分以上を見逃す事に。途中から少し聴きけたが、ハード一辺倒ではなく明るめのトラックも用いたりと、前のDJ陣に比べると随分とバラエティーに富んでいる印象だった。

そしてこの日期待していたGonnoは、始発移行の時間帯にようやく登場。フロアから人も減り始める時間帯ではあったが、そんなのはお構いなしと序盤からアシッドなベースラインがうねりまくるテクノセットでフロアに活を入れる。4つ打ちだけではない変則的なリズムや狂気と共にユーモアさえも感じられるアシッドな音には、他のDJからは感じられない独特の音楽観があり、ハードな音の中にも遊び心が添えられているのが面白い。アシッドの音にしても刺激的な狂った印象だけでなく、もっとマインドを解放するようなトリップ感があったりと、アンダーグラウンドな感覚はありながらも決してダークなだけではないバランス感の良さは特筆すべきだろう。そんな快楽的なアシッドセットで引っ張りつつ、中盤からはトライバル寄りの"Jack My Edit"や、ボーカルハウスのクラシック"I'll Be Your Friend"でがらっと雰囲気を一転する瞬間は朝方の和やかな空気もあり感動的であった。その後は再度アシッドやGreen Velvetの"Flash"など硬質なテクノへと回帰して、あっという間の90分のプレイは終了。パーティーはまだまだ続いていたが、当方はそこで帰宅。

久しぶりに4つ打ち主体のテクノパーティーへと足を運び、こういう単純ながらもがっつりと肉体に響くテクノの痛快さもやはり素晴らしいなと思いつつ、また一方では終始上げ目のプレイで肉体の疲労感も普段以上だった。その上どうしても同じような音が執拗なまでに続くので少々パーティーとしては単調な点も否めなかったが、その中で個性が浮き上がっていたGonnoのプレイがパーティーの中では新鮮さをもらたしていたと思う。

■A.Mochi - Primordial Soup(過去レビュー)
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