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Todd Terje - It's Album Time (Olsen Records:OLS006CD)
Todd Terje - Its Album Time
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筆者がTodd Terjeに出会ったのは2009年、ニュー・ディスコ好きな友達に誘われてTodd Terje来日ツアーに遊びに行った時だが、まだその頃はニュー・ディスコに対する思いも特になかったし、日本においてもTerjeの知名度は限られた範囲であったと思う。その後ニュー・ディスコの流行が日本のクラブシーンを賑わす中でTerjeは多大なる注目を集める事になり、リリースするEPはヒットを重ねながらアルバムのリリースが期待されるアーティストへと成長していた。そしてデビューから10年、満を持して初のアルバムがリリースされたが、ユーモアを感じさせる「It's Album Time」とタイトルからして期待を感じさせる。結論から言ってしまえばこのアルバムは本年度のベストにも選ばれるべき高品質なニュー・ディスコを収録しているが、今までのフロアを意識したEP作品から比べると、単なるダンス・トラックの寄せ集めではなくホームリスニングを意識してアルバムの流れを楽しませる、つまりはDJ視点と言うよりはアーティスト視点で丹念に考えられた作品だと思う。"Strandbar"や"Inspector Norse"といった煌めくシンセが享楽的なムードを作り上げるダンストラックの素晴らしさは言うまでもないが、アルバムの前半には物哀しさを誘うジャジーなトラックや南米音楽のサンバを意識したトラックもあり、それも生真面目に取り組んだと言うよりはどこかおちゃらけた気楽なムードが漂っている。中盤のわくわくする未来感を含む"Delorean Dynamite"は既に著名なDJも使用する名曲だが、Robert Palmerのカバーである"Johnny And Mary"ではBryan Ferryをボーカルに迎えてスペーシーながらも静かな感動を湧き起こすバラードを披露し、アルバムの中で実に見事な盛り上がりの対比を用意している。最後はネオンライトに照らされた都会の中をドライブするような"Oh Joy"でハイな気分になり、そしてあまりにもメロウな多幸感が降り注ぐ"Inspector Norse"でしっとりした余韻を残してアルバムは完結する。ダンス・ミュージックがフロアでの機能性を特化してアンダーグラウンドに向かう流れもある中で、Terjeはアルバムだからこそ表現出来る世界と目的を理解しそこに水っぽさもある享楽を遊び心として馴染ませた事で、アルバムには一点の暗闇さえない万人受けするであろうポップでカラフルな空気が満たされているのだ。

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It's Album Time / Todd Terje
さて、少々わざとらしいですが、昨日までの流れを受け、今日は北欧系 Nu Disco を行ってみましょうか。Todd Terje 初のオリジナル・アルバムです。彼は元々、傑作 Re-Edit を手掛けたことで名を上げてきたのだが、ライナーによると、このブログでもご紹介した 2010 年の
| 音盤収集病患者の館 − 裏 MDRH | 2014/07/23 1:18 AM |