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2014/7/4 Guidance Proudly Presents Mr.Ties 1st Japan Tour in Tokyo @ Amate-raxi
イタリア出身、現在はベルリンでHomopatikを主宰するMr.Tiesは若干27歳、楽曲制作としての活動ではなくDJとしての活動のみでアンダーグラウンドシーンで高い評価を獲得している。Homopatikは基本的にはゲイパーティーであるそうで、まあそれが日本で受けるかどうかは予測出来ないが、毎回20時間を超えるパーティーながらも事前に出演するDJの告知もせずに多くのファンを惹き付けるのだから、得体が知れない魅力がきっとあるのだろう。今回はかねてからMr.Tiesに関心を示していたGuidanceに遂にMr.Tiesの出演が決まったのだが、そこにはGuidanceらしくKenji TakimiやAltzにCMTなど日本のアンダーグラウンドシーンからも実力者を呼び寄せ、日独のスリリングなダンス・ミュージック・パーティーを繰り広げる事となった。
いつも通り終電での移動で遅い時間で現地入りすると、メインフロアのCMTのプレイはもはや終盤。この時点で既にフロアは大賑わいだったが、CMTのプレイはキックが強めのかっちりしたファンキーなディスコ・ハウスで随分とご機嫌だ。"What You Need (Enzo Elia Balearic Gabba Edit)"などバレアリックな開放感あるムードで垣間見せつつ、ミニマル調のトライバルな展開で攻めたと思えば、ぐっと色っぽいボーカル・ハウスで湿っぽく染め上げる。繊細さと大胆さで緩急自在にフロアを色彩豊かに彩っていく。以前のような退廃的で鬼気迫るテクノ・セットも格好良かったが、現在のハウス/ディスコ・セットも情熱的かつ感情的な性質が強く出ており、笑みが零れ落ちるようなハッピーなプレイでパーティーを盛り上げていた。

その後メインフロアでは瀧見憲司の時間帯であったが、当方は上のラウンジへと移動しAltzのプレイを聴く事に。ラウンジも人混みでごった返しており、いつものGuidance以上に賑わいを見せていた。ラウンジのいたるところにはAmate-raxi7周年の時にファンが書いた習字が飾られており、Guidanceはいつもあの手この手でパーティーを盛り上げる。Altzのプレイは気の抜けたブレイク・ビーツ調のアシッドものから始まったが、何処か飄々としたユーモアを感じさせるプレイはラウンジ向け。上げ過ぎずにグルーヴをコントロールし中庸を彷徨いながらも、野蛮でトライバルな音がAltzのサイケデリックかる摩訶不思議な世界を拡張していく。原始の密林に迷い込んだように呪術的で訝しい空気に包まれ、変則的なビートで意識を揺らしトリップさせ、異国情緒溢れる掴み所のない無国籍な音の旅が面白い。途中からはテクノやディスコも織り交ぜ、変態色を薄めながら少々エモーショナルな方向へ傾いていたようだが…ここでメインフロアへと移動。

27時半頃、メインフロアのDJブースに遂にMr.Tiesが登壇。序盤はディスコやシンセ・ファンク、シンセ・ポップなどちょっと懐かしさも漂う選曲だが、先ずその出音の太さに驚かされた。極太、骨太、ぶっといボトムラインで緩くもズンドコとしたビートがフロアを叩きのめし、若さ故のパワフルなグルーヴでねじ伏せていく。3台のターンテーブルと2台のCDJを使いながら、しかしヘッドホンは使ったり使わなかったりなミックスは時折ピッチがずれたりもするが、それを気にもせずにどかんとした衝動を生み出していく。ミックスの上手さで言えばもっと上手いDJなら幾らでも居るだろうし、グルーヴの継続感でももっと持続力のあるDJはいるが、Mr.Tiesのプレイはフロアに埋まっている衝動の源泉を掘り起こして噴出させるようなプレイだと思う。確かにあれっ?と思う展開やムラのあるミックスもあったが、それをものともしない大胆なEQ使いやアカペラネタの投入など衝動的で個性的なプレイでもあるのだ。暫くするとクラシカルなハウスの時間帯へと突入し、エモーショナルでしっとりとしたムードが満ちつつ、Mood II Swingの"Closer"などの王道ボーカル・ハウスでは普遍的なハウスの力強さを示す。そしてまだ始発が始まっていない時間ながらも"Do U Luv Me"の愛情で包み込み、そこから美しいディープ・ハウスの"The Way (Secret Ingredients Mix)"へと繋ぐなど、大胆ながらもドラマティックな瞬間を見せていた。特にこういったハウスの時間帯は何となくだがゲイパーティーらしいセクシャルな艶っぽさもあり、全身を舐め回すようなねちっこいプレイにはこれがHomopatikの個性なのかと思わせられる。

そんなMr.Tiesの音に合わせて今回の照明担当であるYAMACHANGが、フロアに流星が行き交う宇宙空間を投影するように幻想的なレーゼー照明を行っていたが、何度体験してもYAMACHANGが生み出す空間の美しさは筆舌に尽くしがたい。音に合わせて的確に照明の雰囲気も変えていき、音と光による相乗効果でフロアを彩っていた。そして朝方へと近づいていくとMr.Tiesのプレイはそれまで以上に盛り上げるプレイへと移行し、ベルリン系の硬めのテクノやアシッドにエレクトロも織り交ぜてズンドコとした太いキックのリズムで、暗闇のフロアと言うトンネルを疾走する。テクノの時間帯は終始上げっぱなしであったし、決してスムースにグルーヴを保つタイプのDJでもないので単調に感じる事も少なくはなかったが、人間の根底に眠るであろう踊る欲求を掘り起こすプレイはやはり野蛮でパワフルなのだ。奇遇な事にフロアでたまたま踊っていたGonnoの前で彼の曲である"Sloppy Acid"をプレイしたり、"Power To The People (Yo&Ko's Dance Edit)"など日本人アーティストの曲をプレイしていたのは、まだ若いMr.Tiesが日本のアーティストにも注目していると言う点で喜ばしくもあった。またハードなテクノに"Gypsy Woman"ネタの"Bounce"も織り交ぜ自身でマイクを持って歌い出すなど、やはり丁寧にDJをするのではなく破天荒なノリでパーティーを楽しませようとする姿勢は、エンターテイナーとしての素質も感じ取る事が出来た。パーティー終盤では光がフロアに差し込むようにエレクトロニックなディスコがプレイされ、暗闇を抜け出た先にあるハッピーな時間帯へと突入し、そして朝方の定番である"I Feel Love"が投下される。抗う事の出来ない多幸感に満たされつつも、まだまだMr.Tiesの変態的なテクノに刺激されつつ、ラスト間際には"E2-E4"ネタの夢現なハウスで切なく感傷的な終わりを肌で感じていた。時間は8時半頃だっただろうか、Mr.Tiesの5時間に及ぶプレイは一旦終了したが、当然それで納得するパーティーピープルではなくアンコールの声がかかると…最後の最後はサルソウルのクラシックであるDouble Exposureの"Everyman"。ベタな展開ではあるけれど、硬くハードなテクノで疲弊した体にはこんなみんなで幸せになれる曲がぴったり。テクノだとかハウスだとかディスコだとか、色々なジャンルを大胆に行き交うプレイは理性的で上手いとは真逆の、衝動で突き動かされるような魅力があったと思う。勿論乗り切れない時間帯もあったし完璧であるとは言わないが、DJは生ものなのだから、敢えてそんなムラッ気のあるプレイを含めて楽しむのもパーティーだろう。Mr.Tiesはまた次回どんなプレイをしてくれるのかと、期待するような可能性を秘めている。
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