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The Todd Terry Project- To The Batmobile Let's Go ( P-VINE Records:PCD-93796)
The Todd Terry Project- To The Batmobile Lets Go
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ハウス・ミュージックのレビュー本である"HOUSE definitive 1974-2014"(過去レビュー)のリリースに合わせて、幾つかの素晴らしきハウス・アルバムが復刻されているが、このTodd Terryによる1stアルバムもその一つだ。NYハウスの特に有名で影響力の大きいDJ/プロデューサーではあると思うが、この初のアルバムにして大ネタをサンプリングして用いたヒップ・ホップ風ハウスでの影響は、その後のクラブ・ミュージックに大きな影響を残したのは間違いないであろう。どのDJが言っていたのかは忘れたが、昔はヒップ・ホップとハウスが一緒だったと述べていた記憶があり、ヒップ・ハウスなんてジャンルもあったのは遠い昔。しかし元々ヒップ・ホップのDJでもあったToddからすればそれらが同居するのは、何も不思議な事ではなかったのだろう。ヒップ・ホップのあの跳ねるビート感を大袈裟なサンプリングを用いながらハウスのフォーマットへと落とし込んだ本作は、正直今聴くとダサいというか古いというか、1988年という時代感は拭えないのが本音だろう。だがそれでもここには余りある若さ故のエネルギー、または衝動と呼ぶべきか、はっちゃけたネタの使用には今尚笑いを通り越しての音楽への自由な創作性を感じずにはいられない。Class Action、Dinosaur L、Kevin Saunderson、Afrika Bambaataaら人気アーティストの、しかも人気曲をこれでもかとサンプリング - どころかほぼカバー状態の場合も - し、実にグルーヴィーな弾ける流れを生み出しヒップ・ホップとハウスを自由に行き交う音楽を披露している。元ネタが背景に透けながら楽しむ聴き方と、そしてそこから広がりゆくハウス・ミュージックの世界が待ち受けており、遊び心溢れながらもしっかりとパーティー・ミュージックとして成立するところに面白味があるのだろう。色褪せてしまった古さの中にも、決して失われないハウス・ミュージックの良心が感じられる名作だ。



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