<< AFMB - A Forest Mighty Black (Drumpoet Community:DPC 047-1) | main | Yogurt & Koyas - Remix Works 2010 To 2013 (Upset Recordings:UPSETRMX001) >>
Luke Abbott - Wysing Forest (Border Community:45BCCD)
Luke Abbott - Wysing Forest
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
視界も眩むようなサイケデリックでトリップ感のある電子音楽を世に放つBorder Community(以下BC)は、テクノというスタイルに寄り添いつつもダンスフロアに執着しない事に意識的であるように思える。それはレーベルオーナーであるJames Holdenの壊れかけの電子音響が広がるアルバムからも感じ取れるだろうが、Luke Abbottもそこまで破壊的ではないにしろ同じような意識を持ち合わせている。2010年にBCからリリースした初のアルバムである"Holkham Drones"(過去レビュー)で、既に多彩な色彩感覚で空間を歪ませたサイケデリックなテクノを開眼していたが、この4年ぶりとなるニューアルバムではその路線を更に突き詰め自身の個性を確立している。Luke自身は本作においてAlice ColtraneやDon Cherryらのスピリチュアルジャズから影響を受けたと述べているが、冒頭を飾る"Two Degrees"からしてその即興的な形のない抽象的なサイケデリアが蠢き、その流れは圧巻の"Amphis"へと続く。12分にも及ぶ"Amphis"はノイズ混じりの電子音が浮遊する田園風景が眼前に広がるサイケデリックな音響テクノではあるが、決して真夜中のフロアで興奮を呼び起こすようなトラックではない。むしろ牧歌的で穏やかな地平が地の果てまで続くテクノであるが、モジュラーシンセの不安定な動きさえも利用した構成は即興性が息衝き、まるで生き物かのように音は変容を続ける。続く"Unfurling"でも楽器と戯れている姿が浮かんでくるが、闇の中で蠢く混沌とした音響は一転して内向的だ。だからこそ次の"Free Migration"でのLukeらしい明るくも中毒的なシューゲイザーテクノでのトリップ感が映えるのだろう、ここでアルバムは早くもクライマックスを迎える。アルバムの後半には"Tree Spirit"や"The Balance of Power"の悪ふざけするようにトリップ感のある電子音が芽を出し、いつしかサイケデリックな霧の中に埋もれてしまうが、アルバムの最後における"Amphis (reprise)"で安息の日を迎えたかのような余りの静寂に包まれたアンビエントは、永遠に覚めない夢なのだろう。敢えてダンス・ミュージックに拘らずに、BCらしい自由なサウンドデザインはここに極まり、Luke Abbottは最高の白昼夢を提供する。




Check "Luke Abbott"
| TECHNO11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
スポンサーサイト
| - | 12:00 | - | - | |

コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://matyu.jugem.jp/trackback/3444
トラックバック