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2014/9/12 ROUNDHOUSE @ Air
今年の3月から始動したハウス・パーティーのROUNDHOUSEは初回にMark Farina、第2回Derrick L. Carterと大御所を呼びながらも、国内からもハウスには定評のあるDJを揃えてメインフロア/ラウンド共に充実した布陣を揃え、その上VJには宇川直宏を迎えるなど隅々まで力を入れて多くのパーティーピープルを魅了している。そして第3回はDerrick L. CarterともClassic Music Companyを運営し、シカゴ・ハウスからUKテクノまで対応しながら独特の癖がある音楽を得意とするLuku Solomonが登場。ラウンジには本場でシカゴ・ハウスを体験しているDJ Quietstormがシカゴ・ハウスに挑む名義の桑田つとむやPeechboyも出演し、そして当然VJは宇川直宏とこれまで同様にハウスの一夜を繰り広げる。
先ずはラウンジでPeechboyのプレイから。事前に宣言していた通りに完全にシカゴ・ハウスなセットで、感情的な歌やメロウなピアノが入るトラックでも、乾いたハイハットやハンドクラップが空虚に響き、古き良き時代の安っぽい空気感がふんだんに湧き出してくる。どたどたとした垢抜けないリズム、安っぽくもどこか懐かしいシンセのサウンドはディスコ的でもあり、しかし擦ったようなスリージーなサウンドがシカゴの粗悪さに繋がっているのだ。徐々に鈍いアシッドのベースが地響きのように浮かび上がり、そして"Circus Bells"も飛び出せばシカゴの無骨なファンキーさが全開になる。しかしまたそこからSweet Dの"Thank Ya"でディスコ風なシカゴ・ハウスでしみじみとした切なさを呼び起こし、パーカッションが激しいバージョンの"Club Lonely"や"Theme From The Blue Cucaracha (DC Private Edit)"、ヒップ・ハウス風なアシッドの"Turn Up The Bass (Julian Jumpin Perez Mix)"など図太く卑猥なハウスでラウンジを強烈なグルーヴに巻き込んでいく。目まぐるしく展開は入れ替わりシカゴ・ハウスの粗暴な音が荒れ狂う中で、Ron Hardyの"It's Not Over"はフロアに希望の光を照らすような高揚感もあり、粗雑なトラックがこうもエモーショナルな空気を発するとは。チージーながらも激しい展開と懐かしいメロウな展開が交互に入れ替わり、息もつかせぬプレイでフロアを撹拌しながら、甘い歌がセクシーなNYハウスの"Freedom (Make It Funky)"やダサかっこいいエレクトロなビートの"Electric Baile (Commercial Mix)"、そしてガチガチの破壊力を見せ付けるRobert Almaniの"Muzik Man"で肉体を刺激して怒涛の展開で、最後は"Flash"で勢いを失う事なくシカゴ・ハウスセットで突き抜けた。

そしてDJ Quietstormがシカゴ・ハウスの化身となった桑田つとむ。それまでの荒れ狂うようなDJから一転して音が引き締まり硬くなる。無駄な音は削ぎ落とされシカゴ・ハウスながらもタイトさが強調されるが、序盤にまさかのゴリゴリのテクノである"Positive Education"がプレイされたのは驚いたが、この流れで少々テクノな流れも織り交ぜたのは面白い。シカゴ・ハウスの悪っぽさ不良な雰囲気とカチッとした硬いビートで攻めるが、そこから"Don't Make Me Jack"のようなソウルフルな歌もの、Kenny Jammin Jasonの愛くるしいディスコな"Can U Dance"、そしてアシッド・ハウスなどシカゴをベースにしながらも、さくさくと早い展開で入れ替わるようなミックスが実に軽快なグルーヴ感へと繋がっていた。とにかくあちらこちらに身を乗り出すようなプレイで跳ねるようなヒップ・ハウスもあれば、ミニマルなトラックも用いてテクノ色を打ち出したり、忙しなく曲調を変えながら怒涛の勢いに飲み込んでいく。少しだけ"French Kiss"を被せたと思ったら直ぐに次の曲に移行し、余韻を残す事もせず特定の曲にフォーカスしない流れがとにかく早いミックスだ。勿論"House Nation"や"Video Crash"も飛び出したりと、シカゴ・ハウスの世界観は壊さずに古くともかっこいいジャッキン/スリージーなプレイで衝動を呼び覚ますプレイで楽しく踊る事が出来た。

少し休んでからメインフロアへ移動した頃にはもう4時半。Luke Solomonのプレイも半分が過ぎた頃だっただろうか、随分とキックのアタックが強い選曲はハウスのグルーヴはありながらもテクノ的な質を感じさせる。前のめり気味のアッパーなプレイで、変態性の強かったラウンジよりも随分と真っ当にテクノのクールな音で攻めていた印象がある。ポスト・アシッド・ハウスのような気の抜けたアシッドものも用いたりと独特の癖がある選曲もあったが、面白かったのはプレイもラストが近くなってからだった。Ron & Chez Dの"Don't Try It (B2 Version)"、UC Beatzの"Precious Time"などハウス方面の音が前面に出てからは控え目にヨーロッパの洗練された空気も持ち込みながら、朝方のフロアを優しく包み込んでいくようなプレイがしっとりと体に染み渡っていく。ラストにはフルートの音色が穏やかに響き渡る"Feel Up (Danny Tenaglia Remix)"のオールド・スクールな選曲で、フロアの熱気を冷ますようにメロウな感覚を満たして穏やかにパーティーは終了…かと思いきや、残った客がそう大人しくパーティーを終わらせる事もなくアンコールを開始。そこからもハウス色を打ち出して妖艶な色気たっぷりなボーカル・ハウスの"Fantasize (Vocal Club Mix)"で微睡みに包んだり、"Can You Feel It"ネタのGrant Nelsonの"Seasons of Jack"で再度フロアを刺激したり、"Dancing Machine (Henrik Schwarz Remix)"で和やかで陽気なパーティーモードを打ち出したり、「ハウス・ミュージック」と執拗に連呼される"Isuly (Emanuel Satie Remix)"でドープな世界に引き込んだりと、6時以降の方がLukeもより自由なプレイで楽しんでいたように見受けられた。結局7時近くまでプレイを継続してパーティーは円満終了。メインフロアの朝方も楽しめたのだが、特にラウンジでのPeechboyと桑田つとむのシカゴ・ハウス攻めが新鮮で、各フロアでDJが充実しているからこそ色々な音が楽しめるROUNDHOUSEの方向性は今後にも期待したい。

■Luke Solomon - Mix This(過去レビュー)
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■桑田つとむ - This Is My House(過去レビュー)
桑田つとむ-This Is My House
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| EVENT REPORT5 | 19:30 | comments(3) | trackbacks(0) | |
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コメント
どもー。ルーク・ソロモンとデリック・カーターが同時に出演していたイベントでは、個人的に生DJではデリック・カーターよりルーク・ソロモンの方が良かった感じでした。ルークの方はMIX CD持っていないので、いつかどこかで多分チェックしたいと思います。

ところで、文中にダニー・テナグリアとありますが、来週あたりに出るMIX CDにはご興味ありませんか?w まあ、選曲はテクノ・プログレ系だと思うんですが、NYのダークサイドハウスではあります。いいと思っていただけるか保証はないのですが、どうしてもお伝えしたい気持ちがありましてw 失礼しました。
| ありたん | 2014/09/14 9:29 PM |
>ありたんさん
ルークとデリックが一緒にプレイしたのはElevenのアニバーサリーですよね?私も遊びに行ってましたが、私はデリックの方が好きなんです。人によってはルークの癖のあるプレイの方が好きだと言っている方もおりました。

ダニーのはBalanceの新作ですよね?以前に比べるとテクノっぽい選曲もしているみたいですが、普段プログレとかNYのハードハウスとかは聴かないので、買うかは分からないです。試聴してみてって感じですね
| マチュ | 2014/09/16 6:02 PM |
返信ありがとうございます。はい、Elevenのパーティでした。正直、あの時は比較的ルークの方が良かったという程度で、どっちもいまいちに個人的に感じていました。当時、自分の感性が良くなかったのかなとは思います。

説明が足りなくてすみません。ダニーのはbalance025です。生で聞いたときは、テクノやアシッドやトランスをかけても、根幹の部分はNYハードハウスでしたね。そっちの方がお好みでなければ、スルーしてもいいかと思います。乱文失礼いたしました。
| ありたん | 2014/09/16 10:45 PM |
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