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2014/10/12 Red Bull Music Academy presents Dohyo-Iri @ Air
クラブ・ミュージックに限らず若き才能を発掘し育てる事を役目とするRed Bull Music Academy。2014年も日本は東京に於いてほぼ一ヶ月の間、それに関連するパーティーが怒涛の勢いで開催される予定だが、そのオープニングとなるのがこのDohyo-Iri。ここでのメインとなるのは来日がほぼ3年ぶりとなるニュージャージー出身のKerri Chandlerだ。ハウス・ミュージックというジャンルに於いては勿論の事、テクノ方面からも支持されるエレクトロニックで硬質なトラックに心温まるエモーショナルなメロディーや歌を絡ませたその手腕は、これぞデジタル・ソウルと呼ぶに相応しい。また古典的な音楽性に留まる事なく最新テクノロジーをも駆使した楽曲性やDJプレイには、オープンマインドな精神性を伺えるなど、ハウス・ミュージックの過去と未来を紡ぐアーティストなのである。
当日は6時間セットという触れ込みだったので、焦る必要もないと思い25時頃現地入り…と既にフロアは動く事もままならない程の混み具合と熱気。久しぶりの来日、またRBMAの初日という影響もあってか予想以上の混み具合に驚かされる。そしてKerri Chandlerも既に出来上がっているというか、パーティーのピークタイム仕様へと突入しており、
勢い良く飛ばしまくりにドライビングするビートと肉厚でデジタル感のある硬いリズムは、殆どテクノな状態ではないか。そして決して勢いだけでなく心を揺さぶるメロディーやソウルフルな歌も尊重したプレイで、心も体も熱くなりどばっと汗が吹き出してくる。その勢いは突如としてシカゴ・クラシックの"Promised Land"へと繋がり祝祭感を爆発させたかと思うと、パーティー序盤にしてフロアを温かく包み込み"You Are The Universe"で自然と皆が合唱する流れを誘い、現地入りしてから直ぐに心を鷲掴む。そこから再度ズンドコと太いキックが入りフロアは興奮の坩堝へと化し、テックな上モノやオルガンやピアノにストリングスといった生音が入り乱れて、華やかかつソウルフルな展開も。思っていた以上に上げ目のプレイながらも、しっとりジャジーヴァイブスな"Heaven (Marlon D & Groove Assassins Club Mix)"や哀愁のStevie Wonderの"Another Star"など織り交ぜ、Kerriらしいソウルフルな熱感は保っている。

兎にも角にも山手線状態の混み具合とアッパーなプレイで、フロアはムンムンとした熱気を発し盛り上がっているが、3時前に徐々にフロアに静寂が広がる。そして投下されたのは"The Pressure (Classic 12' Mix With Vocal Intro)"で、静寂から狂騒へと切り替わる感動的な瞬間にフロアは再度爆発する。そして和やかな空気を生むブギーな"Weekend (Joey Negro Disco Re Blend)"を繋いで、ポジティブな空気でフロアは満たされる。更にはKerri自身の硬いトライバルビートと憂いのボーカルが絡む"Summer Love"へと繋がり、フロアはこの上ない程にお祭りモード。ミラーボールから反射する眩い光がフロアを照らし、輝かしいディスコの空気が至福となってフロアを包み込む。3時から30分位の間はそんな正にピークタイムといった様相で、そこからテンションを落とす事なく硬い音も使用しながら、"The love I lost (Dimitri From Paris Super Disco Blend)"などソウルフルな歌モノもふんだんにプレイしぐっと熱量を上げていく。

朝に近づく中で大胆な上げ下げを展開し一向にフロアの足踏みを止ませる事なく盛り上げるが、剛直なパワフルさと穏やかな包容力が共存するプレイにはKerriの大人の男気が滲み出ている。4時頃にはコーラスワークがぐっと感情を熱くするBarbara Tuckerの"Beautiful People"で盛り上げ、Floorplanのミニマル調なボーカルハウス"Never Grow Old"を自然にミックスし、ファンキーにシャッフルする"Dance (Kerri Chandler's Centro Fly Mix)"で肉体を鼓舞し、涙さえを誘うような"Reachin' (Brotherhood Mix)"で愛のハウス・ミュージックが展開される。怒涛のクラシック投入はまだまだ止まず"Shades of Jae"で黒く染め上げたかと思うと、テクノ味もブレンドされた"Rose Rouge (Joris Voorn Secret Mix)"でディープに潜ったりと、この時間帯は名曲がずらりと並ぶ時間帯だったか。

5時頃、少し生っぽい音が強い時間帯だっただろうか、ザクッとしたリズムと熱いボーカルが湿り気を帯びた"Freedom (Make It Funky)"やMoodymancのしっとりしたハウス"Father"で展開を抑制し、ほっと一息。その後もSadeの"Pearls"のハウスバージョンと思われる感傷的な曲で勢いを保ちつつ、しんみりと時間が続くか…と思いきやトライバルなパーカッションが打ち乱れる激しいハウスへと繋がったり、もう行き先は混迷とし予想出来ない。激しさを伴いながら熱量の高いソウルフルなボーカル・ハウスへもと繋がり、ラストに向かって更に感情の揺さぶりは加速を高めていくようだ

6時を過ぎてもテンションは全く落ちる事なく、ごっつい4つ打ちを刻み高らかに祝うようなボーカルが響き渡る"The Word is Love (Silk's Anthem of Life)"で、フロアは狂騒と祝祭感に包まれている。ガラージ・タイムもあるかとおもったが、今夜のKerriには良くも悪くも期待を裏切るようなパワフルなプレイで、フロアをねじ伏せるプレッシャーで心身共にフロアに人を引き止めている。朝方にはシカゴ・クラシックのであるCajmereの"Brighter Days"で希望の光を灯し、徐々にフロアも真っ暗闇の混沌とした世界から和やかなムードが広がり始めていた。そして7時過ぎからは遂にキーボードもプレイし始め、陶酔するように演奏する姿にフロアも魅了される。そこからザクザクとしたリズムとカチコチのパーカッションが鳴り始めると、多くのファンが待っていたであろうKerriの大ヒット曲"Bar A Thym"が高らかに響き渡る。何処までも上昇するシンセリフ、そして次第にそれはKerriが演奏するシンセへと取って代わられ、アトモスフェリックなサウンドが浮遊感をも生み出していた。とこの時点で既に6時間セットは大幅に超えているが、Kerriの勢いからも人が多く残るフロアからも終わりはまだまだ見えない状況。流石に連日のパーティーで疲労も溜まっていたので後ろ髪を引かれるフロアを後にしたが、久しぶりのKerri Chandlerのパワフルかつ男泣きのソウルフルなプレイは流石であった。欲を言えばガラージ・タイムがもう少々あっても良かったと思うが、有無を言わさぬ骨太なプレイは圧巻の一言であろう。

■Kerri Chandler - Watergate 15(過去レビュー)
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■Kerri Chandler - Trionisphere Live Mixed Live @ Space Lab Yellow Tokyo(過去レビュー)
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