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2014/11/22 TodaysArt Edition Zero Live Performance @ 寺田倉庫 G1
オランダ発祥、今は世界各地で開催されているアート・フェスティバルであるTodaysArtは発足10年となるそうで、その初の日本開催がプレオープン的な意味合いで「Edition Zero」として11月22〜24日に開催されている。その中でも特に音楽面での注目といえばUnderground ResistanceことTimelineの来日ライブがあり、それが何と先着500名ながらも無料招待という大盤振る舞いなのだ。更にはオランダから現代音楽ユニットであるCanto Ostinato Audio Visualも来日と、そこはアーテ・フェスティバルらしい方向性も伺われた。
現地へ入ると確かに倉庫というのも納得な冷えきったコンクリート空間で、普段のクラブとは異なる感覚に包まれる。全く無駄のないコンクリート剥き出しで天上の高い倉庫、窓の外には天王洲の閑静な夜景が広がり、何だか荒涼とした感覚さえもがある。そんな中でCanto Ostinato Audio Visualはハープ奏者一人、PCは二人のセット(普段はピアノも持ち込むそうな)でライブは開始。現代音楽との触れ込みだったが、特にハープとピアノの旋律が永遠かと思われる旋律を紡ぎ合わせるプレイは正にミニマルではないか。ハープの美しい旋律やピアノの温かい音色が継続する中で、そこに対比するような重厚な電子音やノイズらしい響きも入り、生音と電子音により繊細さと大胆さを表現する。キックが全く入らない事でアンビエント的な雰囲気もあるが、メロディーの動きや浮かび上がる電子音により静にもグルーヴは確実に存在し体を揺らす躍動感も現れていた。ハープの凛とした旋律とピアノのしんみりした旋律の絡み合いは美しい調べとなり、一切途切れる事のない展開はさながら微細に変化をし続けるミニマル・ミュージックで、音の密度の増減や音量の大小も合わせながら壮大なカタルシスを引き起こしていた。初めて聴いたライブながらもそのミニマルな展開による陶酔感や美しさにはうっとりとさせられ、いきなり素晴らしいライブを体感させてくれた。

ステージのセットを変える間にはデトロイト系のパーティーではお馴染みのDJ Ductが、短い時間ながらもタンテ一台とサンプラーを利用してミニマルなDJセットを披露。ファンキーなミニマル・テクノをタンテからサンプラーに取り込み、エフェクトも用いて変化を付けながらさくさくと激しくもミニマルなグルーヴを生み出すプレイは、タンテ一台でのプレイとは思えない程に自然だ。

そしてステージにTimelineのセットが設置されると、遂にTimelineのメンバーでありURのDJでもあるMark Flashが登場。元々ライブ前に30分程DJがあるのは分かっていたので、体慣らしついでにタイトかつ激しいテクノセットに体を揺らしていると、途中からキーボード担当のJon Dixonとサックス担当のDe'Sean Jonesが登場し、DJに合わせてセッションを重ねていく。軽快なパーカッションがざくっとしたビートにキーボードやサックスは、無理に形を作っていくと言うよりはフリーセッション的に自由にメロディーを重ねて、曲間も作らずにDJミックスとライブを融合させたプレイだ。そして遂にURのリーダーであるMike Banksも登場し、4人体制でのTimelineのライブが始まった。とは言えども序盤は前述の流れから変わらずに、ジャズのセッションやインプロヴィゼーションを意識したリラックスしたプレイで、気迫のプレイというよりは熱気はあるものの仲間と楽しみながらプレイしている雰囲気も伝わってくる。曲が全く分からないのが残念だが、Timelineのフリーセッションを重視するコンセプトはこの辺りから明確になっていた。

中盤以降からはセッションの要素を残しながらも明確な曲をプレイするようになり、日本初公開?となる"Strings Of Life"ではアフロなパーカッションも加わて、シンセの旋律をサックスで代用しながら南米音楽風なバージョンを披露。そしてデトロイトらしい透明感のあるパッドや鍵盤を用いたフュージョン・テクノ、コズミックなリフを用いた煌きのある生っぽいテクノ、また少々URらしい暗黒エレクトロ面も打ち出したハードなテクノもプレイしたりと、URらしさも引き出しつつもセッションの要素を決して失わない。後半ではいつものヒット曲連発でフロアもお祭り騒ぎへと雪崩れ込み、"Time Sensitive"から"Jupiter Jazz"、そして"Timeline"などコズミック・ジャズなセットを披露。ただそのどれもがオリジナルに忠実と言うよりは、むしろそれに加えてどれだけ自由に制約から解き放たれるかというアレンジが加えられ、いつもの緊張感に包まれたプレイではなくリラックスしてプレイする雰囲気が発せられていた。そしてビートレスな静けさの中から浮かび上がってくる麗しい音色…突如として浮かび上がるあの旋律、そう"Hi-Tech Jazz"だ。天にも昇る気分とは正にこの瞬間だろうか、Galaxy 2 Galaxy名義のプレイより若干ルーズな雰囲気もあるが、親父達によるセッションには哀愁が感じられこれはこれで味わいがある。最後にはお決まりの"Jaguar"でフロアは熱狂に包まれながら、幸福感に満ちたライブは終了。

とこうしてTimelineのライブを初めて体験したのだが、やはりオリジナルを忠実に守りつつライブ感を打ち出すGalaxy 2 Galaxyとは全く別物のバンドであり、Timelineではオリジナルの要素は残しつつ自由にセッションをするのが目的となっているようで、よりジャズやフュージョンの要素が打ち出されていたと思う。事実、後半にプレイしたヒット曲もフュージョン性の強い曲が中心で、いわゆるエレクトロやファンクの曲はプレイしなかったのだから、この点からもTimelineのコンセプトは明確だ。ただ残念だったのは音響の問題なのか、高音は綺麗に澄み渡っていたものの低音のビートがこもっており、なかなかそのマシンビートに乗る事が出来なかった事だ。それでも寺田倉庫と言う面白い場所で、しかも無料でTimelineのライブを聴けたのだから、十分過ぎる程だろう。また来年からは規模を大きくしてTodaysArtは開催されるそうなので、アート・フェスティバルとしても楽しみである。

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コメント
URは学生時代によく聞いていてGalaxy 2 GalaxyのDVDも持っていましたが、ライブは初めて観ました。ノンストップ構成とサックスが主旋律のメロディを奏でるという予想を裏切られたライブでしたが、原曲よりもソウルフルで彼らの熱い思いがヒシヒシと伝わってきました。また、客席降臨というかつてのURからは考えられない演歌歌手のようなサービスも仰天しました。Mark FlashのDJも久々に聴く高速テクノでよかったです。ブレ若い世代が入ってURの雰囲気もだいぶ変わったようですね。マッド・マイクがソロもとらず、MCもせず終始若手に任せていたのも意外でした。URも世代交代の時期が来ているのでしょうか。
| ゾウィ | 2014/11/24 9:21 AM |
>ゾウィさん
記事でも書いた通りなのですが、TimelineとGalaxy 2 Galaxyは別物のバンドなので、今回はインプロビゼーションを打ち出したライブだったのだと思います。G2Gだとドラマーやベースもいますし、エレクトロやファンクも演奏して、全く違った印象を受けると思いますよ。UR自体はMike Banksを中心としたコミュニティーなので、これからもメンバーは流動的に変わっていくのでしょう。
| マチュ | 2014/11/24 12:12 PM |
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