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2014/11/23 Excursion @ Oppa-la
2014年5月、Future TerrorのDJ NobuとCabaretのdj masdaによって新たなパーティーであるExcursionが立ち上げられたが、今回はその2回目の開催。Oppa-laという場所柄、そして二人によるB2Bスタイルという事もあり普段の緊張感溢れるプレイとは異なるリラックスしたプレイを行うのが特徴だそうだが、今回はそこにWord Of MouthとSisiも参戦と興味深いDJが揃った。きっと各々がハウスセットを披露するパーティーになるであろう事を期待し、初のExcursionを体験しに行く事にした。
24時半には現地入りするとDJ Nobuとdj masdaが既にB2Bでのプレイを始めており、妙に拍の多いハウス・トラックを用いながらも緩い空間に即したように肩の力が抜けたプレイで、ふわりとした穏やかな展開でゆらゆらとした大海原を漂う流れに引き込む。ロウな質感や簡素な構成のトラックを多めにラフな質感も打ち出し、リラックスしながら真夜中のパーティーへと向かっていく空気を作り、最後にロマンティックな感情が押し寄せる"Come This Far (Fred P Reshape)"をプレイしてDJはWord Of Mouthへと交代。

Word Of Mouthに交代すると幾分かキックにも硬さが現れ、明瞭な四つ打ちを刻みながら着々とハウスグルーヴを組み立てる。浮遊感のあるダビーな音響が奥行きのある空間を創出し、そこに幻想的なヴェールのようなパッドが仄かに情緒を匂わせ、展開を抑制したミニマル性の強いディープ・ハウスへと変化。全く切れ目なく継続するグルーヴを保ち、大きな展開を作るのではなく丁寧にミックスを行い心地良いリズムを刻む。しなやかなパッド、奥深い音響、かっちりとした4つ打ちのビートのバランスは極上で、その快適性は筆舌に尽くしがたい程で官能的だ。フラットかつミニマルなプレイながらも全く飽きさせない酩酊感満載の揺らぎで、底の見えない深みへとずぶずぶに嵌めていく吸引力が存在し、ディープ・ハウスとテクノを行き交いながら恍惚のピークが何処までも保持し続ける。終盤にかけてはキックに厚みを持たせた上で硬めのリズムで押し、自然と深い闇の時間へと向かって盛り上がりを演出。早い時間帯ながらもいきなり素晴らしいプレイで、この日のパーティーの行方を予感させるものだった。

一方Sisiはと言うと対照的なプレイで、ディープな音楽性は保持しつつも多様性を伴い振れ幅の大きい展開を繰り広げる。有機的な温かみのあるハウスや、小刻みなブロークン・ビーツ風なリズムを刻むハウスなど、収束ではなく拡大を行いながらパーティーを彩るように和やかな雰囲気を作るプレイ。四つ打ちだけではない小気味良いリズムがアクセントとなり、ミニマルな継続感よりも変化を厭わない多彩なグルーヴが爽快だ。中盤以降は静謐な世界観のあるダブ・ハウスから、刺激的なベースラインが躍動するディスコティックなハウス、官能的な色気のあるハウスなどもプレイし、常に変化を促し色鮮やかにフロアを染めていた。多少色々な要素を詰め込んだのは迷いもあったのだろうか、それでも友達の家にお邪魔したような和やかなフロアの雰囲気にぴったりのプレイだったと思う。

最後はDJ Nobuとdj masdaによりB2Bプレイの2回目。いきなり変異体ハウスとでも呼ぶべき奇妙なミニマル・ハウスでフロアに冷や水を浴びせるも、そこに色気のあるハウスをミックスし序盤から大胆な展開で引き付ける。しかし1回目とは異なりより無骨で硬派なプレイは普段の彼等よりもリラックスしつつも引き締まったグルーヴ感があり、上げないプレイでもゆったりと揺蕩うような展開で魅了する。ハウスだけでなく電磁波のような電子音響が吹き乱れるテクノも、また浮遊感が満ち溢れるスペーシーな"Miles And More"のようなディープ・ハウスも織り交ぜ、地上から解き放たれ宇宙遊泳を行うようなふわっとした雰囲気はOppa-laという場所柄だろうか、気迫のプレイというよりはプレイしている本人達も楽しんでいる雰囲気が伝わってくる。朝が近付けばよりディープな方向性も発揮し、夢と現実の間で微睡み続ける"Morning Factory"やメランコリーながらもダウナーで"Logo Queen"など、眠りを誘うように深く潜る流れもありいつもとは一味も二味も異なるプレイが魅力的だ。そして徐々に展開を抑えながらミニマルな方向へと向かい、反復の作用が幻惑的な微睡みを誘い大きな展開はないながらも醒める事のない世界へと突入。特にくらくらとした目眩を引き起こすような"Starlight (Deepchord Mix)"にはうっとりとさせられ、疲労の溜まった時間帯との相乗効果で長い長い陶酔が続く。そこからまた展開があり、ボイスサンプルを用いたハウスでしっとりと秋から冬にかけての郷愁を呼び起こす時間帯、Villalobosによるドラッギーな覚醒感が炸裂するミニマル・ハウスの"The Contempt"などのドープな時間帯、または逆に硬質でタイトなリズムで攻めるテクノな流れやアシッドなベースラインで勢いをつけ怒涛の濁流に飲み込む瞬間もあり、しかしやはりハウスがベースにあるのは変わらずソウルフルなRon & Chezの"The Choice"などグッと熱くなる流れに心温まる。最後の方でDjebaliのディスコな煌きとミニマルな質を伴う"Reputation"でしんみりとしつつ、ラストには壮大な叙情性のあるブレイク・ビーツな曲で感動的な流れでパーティーは幕を閉じた。

自分の好きなDJが出演しているという前提があったにしても、この日のOppa-laの雰囲気はお世辞抜きに最高だったと思う。正直に言えば集客が良かったわけではないが、それぞれの出演者が自分の持ち味を出したプレイで、特にFuture TerrorのDJ Nobuではなく、Cabaretのdj masdaではなく、より個を打ち出したプレイは普段のパーティーでは聴けないものだろう。そして本来は3時間の予定だったDJ Nobu & dj masdaのプレイは5時間も続き、結局9時までパーティーは開催されていたが、最後まで残るタフなパーティーピープルも多く居たのには感慨深いものがあった。DJ Nobu & dj masdaもいつもの緊張感溢れるプレイではなく、本当に彼等自身も楽しみながらプレイしているのは見た目からも分かる程で、その場に居た皆が楽しんでいたと思う。パーティーとはこうあって欲しい、そう思える一夜だった。
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