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Anthony Nicholson - Four (deepArtSounds:dAS 006CD)
Anthony Nicholson - Four
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Ron TrentとChez Damierはシカゴ・ハウスの中でもロマンス極まるディープな音楽性の方面の先駆者であるが、そこに連なるのが彼等と共に音楽活動を行っていたAnthony Nicholsonだろう。自身のClairaudienceを立ち上げてからはシカゴ・ハウスから羽ばたくように徐々に生音とライブ感を強めてフュージョンの要素を取り込み、ジャズやブラジル音楽も咀嚼しながらクロス・オーヴァーな音楽へと到達した。また近年は定期的にアルバムもリリースしており、クラブ向けの音楽制作だけではなくホーム・リスニングも意識して音楽家としての立ち位置を確立させている点に、好感を持つ事が出来るアーティストの一人となっている。本作は2014年の中頃にアナログでのみリリースされていたアルバムだが、その後反響の良さにめでたくCD化もされているとあって、その品質は折り紙付きだ。路線として今までのAnthonyから大きく外れる事はなく、ディープ・ハウスの中に流麗なピアノのコード展開やソロ演奏、清々しいコズミックなシンセ、呟くような官能的なボーカル、ハウスの4つ打ちからジャズやアフロの変則ビートまで披露し、実にライブ感覚に長けたフュージョン性の強いハウスが並んでいる。ハウスがベースである事は確かにそうなのだが、そこには単に機能的なダンス・ミュージック以上に多様な音楽的な要素や郷愁を帯びたアダルティーな味わいを伴っており、ダンス・ミュージック外からも評価されるべき心地良いグルーヴを発している。果ての見えない広大な青空へと溶け込んで行くようなロマンティシズム、年を経て熟成された控えめな官能を、これ程までに爽やかに清楚に聞かせるアーティストはそう多くはいないだろう。Anthonyというアーティスト性が確立されたこの音楽は確かに新しさは皆無なものの、だからこそ時代に左右されない普遍的な質を伴っており、ディープ・ハウス〜フュージョン好きには愛すべき魅力が伝わってくるに違いない。



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