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Joris Voorn - Nobody Knows (Green:GR106CD)
Joris Voorn - Nobody Knows
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誰が呼ぶのかオランダのテクノ貴公子とも称され、若くしてスターダム路線を歩むJoris Voorn。2004年にリリースした"Incident"は数年に渡り多くのパーティーでプレイされるアンセムとなり、またその後のディスコ・ハウス路線となった"Sweep The Floor"や"The Secret"も大箱受けする作風が注目を集め、優秀なトラックメーカーとしての評価を獲得している。また"Future History"や"From A Deep Place"の2枚のアルバムではストーリー仕立てのような壮大な展開と、メロディアスかつソウルフルなテクノの音によって、単なるクラブ向けのトラックを手掛けるだけではないアーティストとしての深みを披露した。そこから7年、遂に待ちに待った3枚目のアルバム"Nobody Knows"が完成した。この間にJorisはイビサなどの享楽的な大箱などの場所でもプレイするようになり、そしてフロアでこそ映えるような機能性重視のトラックを量産してたが、新たに到着したアルバムは恐らく大方の予想を裏切るようなリスニング重視の音楽性となっている。アルバムの冒頭を飾る""The Monk"からしてサウダージを匂わせるスパニッシュギターの響きと物哀しくもあるシンセが情緒を感じさせる、まるでサウンドトラックのようなアンビエント系の曲で、この時点で驚きを隠さずにはいられないだろう。続く"A House"ではKid Aなるアーティストを採用し歌モノを披露しているが、最早テクノと言うよりは電子音楽によるバラードと言った趣さえも発し、かつてない程のエモーションを滲ませる。"Homeland"でようやくビートが入ってくるがここでもMatthew Dearをボーカルに起用しているが、決して激昂させるようなビートはなく甘く切ない空気を発し、フロアの喧騒からは遠く離れた安堵に包まれた場所へと誘われる。このようにアルバムはアンビエントとエレクトロ・ポップを中心にテック・ハウスの要素を少々と、彼がEPで手掛けていたパーティーで映えるような曲とは対照的な、実にしっとりと聴かせる要素が前面に出ている。アルバムの中盤ではかつてのJoris Voornのエモーショナルな要素とフロアでの機能性が打ち出た"Ringo (Album Version)"や"Mugged"が用意されており、決してダンス・トラックも無い訳ではないが、いわゆる享楽的なムードとは無縁の位置にあるだろう。しかし、彼が何故にこのようなアルバムを製作するに至ったのか。瞬く間にスターダムへとのし上がり、余りにも大きく享楽的なクラブやフェスティバルでプレイをする喧騒にまみれた生活からの反動だったのだろうか、本作での過剰なメランコリーには全く疑問を感じない訳ではない。勿論Joris Voornらしいメロディーやコードを丁寧に聴かせる音楽性は変わっていないし、作品が決してつまらない音楽でもないのだが、何か期待していた方向から外れていると言う事も否定は出来ないのだ。



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| TECHNO11 | 13:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
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コメント
ぼくも発売されたときに買いましたけ。クラブ系の人がアルバム意識しすぎてつまらなくなった、みたいな感じじゃなくて、全体としてバランスが取れていていいできだなって思いました。
メランコリーな感じってのが、プログレハウス寄りっぽいなぁ、とか感じました。まあ、ハードなテクノではないですね。流行り廃りなのかは知りませんが。
| ありたん | 2015/02/06 4:23 PM |
>ありたんさん
決してつまらないというわけではないのですが、やっぱり1stみたいな路線か、または"Sweep The Floor"路線でドカンと盛り上げて欲しかったなという願望ですね。
また確かにプログレっぽい雰囲気もありますね。最近のEPは凄く良かったし、単純にアルバムを作った時はこんなモードだったのかも。
| マチュ | 2015/02/06 8:03 PM |
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